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[爬虫類]わたしの蛇の始め方 #02

Ⅴ:2匹目のマイスネーク

ファーストスネークであるアオダイショウプチ拒食に入ってしまい、解凍させたピンクマウスの処分に心を悩ませる僕は2匹目のスネークを購入することに決めました。
やはりこういう時にもジャパン・スネークセンター(以下JSC)は頼りになるというか、信用できるというか、信頼しているというか、すぐさまにJSCのホームページで確認する。サイト上ではアオダイショウが性格違いで2種類。それとコーンスネークが同腹でモルフ違いが2種類で3匹用意されている。
アオダイショウは僕が思っていたよりも神経質な蛇なので、ここはあえてコーンスネークをお迎えしようと思う。
購入した日は1月2日。こんな日に蛇を買いに行くなんてどうかしていたなと今になると思うけれども、もうアオダイショウが心配でしょうがなかったのだな。しかもアオダイショウ購入から1ヶ月経ってないし。
選んだモルフはノーマル。ノーマルといえども親はチャコールとスノーなので、het(劣勢遺伝)はアネリAアネリB(チャコール)アメラニの3つ持ち。
ノーマルは2匹いて、ノーマル色が強い子グレーカラーが強く出ている子。僕が選んだのはアネリが作用していて所々オレンジの抜けているグレーカラーの強い「らしくないノーマル」。性別はメス。まあ、ノーマルと言ってもノーマル同士で交配を続けたオリジナルノーマルではないので、表現としてはノーマルが出ている程度。超蛇初心者なのでJSCのT木さんに色々と教えてもらいながら、このノーマルがいかにオリジナルのノーマルとは違うかを教えてもらって知ったことなのだけれども。

お迎えして2回目か3回目の給餌シーン。

コーンスネークのノーマルをお迎えして、アオダイショウとの比較で一番驚いたのは性格。同じ種でもそれぞれに性格が違うのはもちろんだけれども、大雑把に把握したときに、そもそもの性格が種として違うなと思う。
コーンスネークなんて基本的に日本には野生種がいないのだから、日本にいるほぼ全てのコーンスネークがCB(飼育下繁殖個体)野生から遠く離れた子孫。一方、うちのアオダイショウはWC(野生採取個体)からの3世。つまりお爺ちゃん・お婆ちゃんが野生個体で、お母さんとお父さんはCB同士の子ども。なのでまだまだ野生味が残っている感じ。その違いが大きいのはあるけれども、全然、性格の方向性が違う。
アオダイショウは陰気な性格。非常に蛇らしいというか、基本的には身を隠して生活しているけれども、コーンスネークは結構アクティブに生活する感じ。非常にアメリカンな陽気さがある。
このコーンスネークの性格はペットスネークとして最適だと思うし、コーンスネークをお迎えしてから、蛇がとても好きになった。ピンクマウスもバクバク食べるし、とても買いやすい。もしも誰かが初めて蛇を飼いたいというのならば間違いなくコーンスネークをお勧めする。
あ。コーンスネーク、すごくいいかも。繁殖させたいかも」そんなコーンスネーク沼に明らかにハマっていくのがゲージの中のノーマルをみてわかるのでした。

Ⅵ:サードスネークは突然に。

コーンスネークのノーマルを迎えたのが1月2日。そしておよそ2週間後の1月17日には僕はJSCにいた。そう3匹目のマイスネークをお迎えするために。
このテキストを書いているのが8月27日。この時点でも早すぎるだろ?と思うけれども、JSCの2021CBのコーンスネークの中で唯一残っていたのがスノー。先に購入したノーマルの同腹。モルフも経歴もバッチリ。コーンスネークのことを調べ始めたら居ても立っても居られない感じになってしまったのです。
事前にJSCのT木さんに相談する。そのやり取りも残っているのだけれども、どうにか購入許可をしていただいという感じ。やはり、およそ1ヶ月ぐらいの間に蛇を3匹購入して飼育するのは無謀というか、お互いに心配になると思う。
僕が3匹目のコーンスネークを購入できる、飼育できると思ったのは、もちろん、コーンスネークの繁殖をしてみたいというのはあるのだけれども、環境が整っているというのが大きい。ビニール温室を導入して小さいファンヒーターで飼育環境温度を保てるようにしているので飼育スペース的に余裕があること、それと車で15分圏内に冷凍マウスを購入できるショップさんがあること。ビニール温室を導入していなかったらというかアオダイショウが拒食気味な神経質な性格じゃなかったら、そもそもビニール温室を購入もしていないので、最初の蛇を購入した時点でこうなる運命なんだと思う。

お迎えして1ヶ月経たないぐらいのスノー。この仔の性格は非常に穏やか。

コーンスネークのスノー。お値段は流石にそこそこする感じ。とはいえ、このモルフのメスとしたら安い方。なのにこの娘が残っていたのには理由があって、それはサイト上で「ちょっとやんちゃ」という性格が紹介されていたからだと思う。
蛇を飼ってみたい!という人は大体爬虫類ショップのサイトをチェックするだろうし、そもそもショップのサイトには「性格」は記載されていない。購入する際にJSCのT木さんと話をしていたら、この仔の引き合いはいくつかあって、最終的に僕が先に購入したという感じだったみたい。ありがとう!大事にするよ!という気持ち。
コーンスネークのスノー。とても美しいと思う。しかも性格も非常に穏やかで大胆な性格な仔だと思う。人間に慣れている感じがする。(後で発覚するのだけれどもこのスノー、JSCの飼育下でも結構大事にされていたらしい)
スノーhetチャコールなので、この仔にチャコールのオスをかけるとほぼ確実にブリザードが出ることが確定。このスノーからブリザードを作出して、色々と楽しみたいと思う。とはいえ、肝心のチャコールが全然市場に出回っておらずとても苦労することになるとはこの時点では想像もつかなかったのです。

Ⅶ:やはりボールパイソンも飼ってみたい。

ここまで僕が育てている蛇はナミヘビ科の蛇たち。ナミヘビから飼育を始めたわけだけれども、やはり爬虫類飼育のキッカケはボールパイソン。あの独特なフォルムやさまざまなモルフというのは魅力的であることに変わりはない。 この頃になると蛇ならなんでも飼いたいという、一種、学園祭の前日の夜のテンションというか、完全にハイになっていたので、ボールパイソンという種だったら何でもいいよ!という気持ちになっている。 ボールパイソンにしろどんな種類の蛇にしろ、品種改良がされている蛇たちであればノーマルと呼ばれる一番原種に近い品種(モルフ)が値段が安い。 遺伝の話はややこしいのでここでは詳しくは書かないけれども、例えばコーンスネークのスノーチャコールと呼ばれる灰色のコーンを掛け合わした場合、産まれてくる蛇はスノー、チャコール、ブリザードという特徴的なカラーの中にほぼ必ず結構な割合でノーマルが混ざる。狙って作った訳ではないけれどもノーマルが必ず産まれてくるのである。
なので、世界中のボールパイソンのモルフの割合を見た場合にも、本来一番多いのはノーマルの存在であり、一番価格が安くなるのである。
とはいえ、ノーマルはその希少性の薄さからしてあまり人気がなく、したがって値段は安いけれどもあまり人気がないために流通量がコントロールされて、あまり市場には出回らない。

ボールパイソンのノーマル♀。ゴロっとして格別の良さがある。

とはいえ、どんな親同士でもノーマルが産まれてくるということは、劣性遺伝として表には表現されていない遺伝子を持っている仔もまた多いので、安いけれども、付加価値がついてしまってもいる。
僕が3月2日に町田からお迎えしたこのボールパイソンのノーマルだけれども、het(劣性遺伝)クラウンというモルフを持っている。セール期間ということもあって格安で購入したけれども、この仔に例えばバナナhetクラウンの♂をかけると、バナナノーマルクラウンが出てくるという夢を持っているのである。まあ、ボールパイソンは繁殖させるつもりは全くないので、もしもいいバナナのクラウンhet持ちの♂がいればの話だけれども。

Ⅷ:見つからないモルフを探して

ざっくりと3種類の蛇を飼育している僕。アオダイショウ、コーンスネーク、ボールパイソン。どれも好きな蛇だなあと思うのだけれども、やはりペットスネークとして素晴らしいのはコーンスネークだと思う。
うちのスノーはとても性格が穏やかなこともあってか、この血統を使って繁殖させてみたいと思うのは、自然なことだったりします、僕的に。
スノーというモルフ自体がとても美しい白蛇になるモルフなのですが、これより上の白いモルフが存在します。
それは「ブリザード」と呼ばれるモルフ。スノーとチャコール(アネリB)をかけると表現されることの多いモルフです。
このチャコールというモルフ。別の名をアネリスリスティックB(通称アネリB)。僕はまだ実物を見たことがないのですが、アネリという赤色を消す遺伝子を持っています。なので、基本的には地色の白系に黒い柄のモノトーンになります。アネリには大まかに3系統があって、アネリ(A)、アネリB(チャコール)、アネリC(シダー)がいます。
通常、アネリ、アネリAと呼ばれるのはオーソドックスなアネリを指し、BとかCは別名のチャコール、シダーと呼ばれています。
ブリザード。一時期は超貴重で高値で取引されていたモルフなのですが、その理由はその美しさにあるのですが、海外ではブリザードという白を求める品種よりも柄と色の奇抜さのあるモルフが人気だったりします。日本ではマニア・非マニア問わず白蛇信仰のお陰か人気が高いので、まだまだ高値です。
やはり白蛇というのは幻想的で美しい。ということで、ブリザードを作出すべくチャコールを探しているのですが、なかなか見つからない。ほんとに見つからない。
理由はいくつかあるのですが、まず、素人目にはアネリの3タイプを単体で判別するのが難しく、もちろん、3タイプ並べると全然違うのですが、単体でお店に展示されてたらちょっと分からない。アネリにチャコールと誤記されてても「幼蛇だからこんなもん?」と買ってしまうと思う。
なので、わざわざ、店頭に並べて売る意味があまりないというか、それよりはもっと派手なモルフの方が売れるだろうし、やはり、モノトーンを基調とした蛇は地味。(とはいえ、僕が大好きですけれども!)
それとブリザード人気はまだあるので、繁殖に使い易いから繁殖家(ブリーダー)が手放さないというのもあるようです。
そんな理由で全く市場で見ることのないチャコール。もうずうっと探していますが本当に見つからない。ネットで定期的に検索をかけるのですがダメ。
こうなったら、チャコールを作出した方がいいんじゃないか?とすら思うのです。
うちのスノーはhetでチャコールを持っているので、同じくhetでチャコールを持っているノーマルとかと交配させると、25%の確率でチャコールが産まれてくる計算になります。あくまで理論上。しかもオスが生まれる保証はないのです!そこで産まれたチャコールと母親であるスノーをかけると、ブリザードが生まれくるのですが、母子間は極力避けたいし、メスの蛇が繁殖できるのに大体3年、オスで2年。ざっと5年計画になる訳です。
それはあまりにも!なので、いまだにチャコールを探している訳です。

うちのスノーにチャコールhet持ちのワイルド(ノーマル)をかけた場合の確率

とはいえ、チャコールを入手するチャンスが生まれそうなので、それはまた別の日に改めて。

次回予告「増え続ける蛇たちとチャンス到来」です。
次回もよろしくお願いします!
20220907 記

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