私が脚本を書けなかった理由

度々言っているが私は演劇の脚本が書けない。

本当に書けないのだ。発想が面白くない。
あと何書いたらいいかわからん。
創作欲は刺激されてもインスピレーションが死んでいるのだ。

某戦隊でイマジネーションが大人になると減るからそのうち味方だった人たちも見えなくなるよ、という話があったけど当時は「絶対なるもんか」と思ってた。気づいたらそんな人間になっていた。泣きたい。

それに加えて、演劇の脚本には「場面転換」「演者/道具の移動」など、一瞬にして考えなければならないことが多数あるのも私が出来ない理由だった。どうしても脳内でカットをかけてしまう。ドラマ作品ばかりがどうしても経験値として増えてしまう現状からは致し方ない部分もあるが、それを排除しないことには何にも出来ない。
だからその辺りを考えられなかったことが最大の敗因である。本気で私は脚本書けねえ!!!と思った。

そんな私が脚本を書くことを決意したのは、冬に引退が控えていたから。
最後の舞台、たぶん自分の演劇人生に幕を閉じることになる作品が、なろう系だったりファンタジーだったりするのは流石に無理だった。
なろう系やらファンタジーやりたくないし誰かめっちゃいい脚本書いてくんねえかなー、などと先輩に相談していたくらいである。ここまでフランクな言い方はしていないが。

とはいえ相談先の先輩にはさまざま指摘はされている。その指摘を他の子達は嫌がっているが私は正しいと思っているので否定しないしちゃんと聞いてる。いい子ちゃんアピではないです。自分の心のままに従っているだけなので。
納得した上で取り入れているあたりは褒められたい。普段無駄にプライドの高いド素人の割には頑張ってる。

私の書く作品は謙遜ではなく全然面白くない。
たぶん、小学生の時に言われた「どっかのドラマであったような話(笑)」が死ぬほどトラウマなんだろうなと思う。
まああと人生最初に書いた小説が友達に頼まれて書いた某最近問題になっている改名した事務所の夢小説だったのでそれ以降二次創作という言葉を知らずに二次創作ばかり書いてたのもある気がする。

かくして私は一次創作が下手くそになった。
発想が面白くなければ展開の運びも面白くないし、全てがつまらないのだ。その点マジで後輩は発想がすごいので素直に尊敬している。
ただ、観劇経験やら資料やらの観点でちょっと内容がおざなりになっている部分は否めないのだが。

先輩にも「観劇経験はあるんだから大丈夫」と言われてきたものの、まあ自信はない。
先輩のサポートがあったからとはいえそれで面白くなったから、ちょっとだけ作品への自信はつけてもいいのかなーと思ってはいるけど、あくまでそれは人様の力をお借りしているので違うなあと思ったり。

私の二次創作スタンスが「完結済みじゃないと作者が新手の刺客(新設定)を出す可能性があって書けない」という徹底ぶりなので資料もめちゃくちゃ探すし出典も粗探しする。それくらいしないと安心できないのだ。
そんなわけで出典のないただの日常会話に手こずっている部分もある。JKって何話してるん?女は自慢か愚痴しか喋らんが?と思っている。

でもこれを書き始めた時に成長はあった。
場転がなく、音響照明の出番も少なく、大道具も固定だし、小道具も少ない。若干衣装がめんどくさいものの、早着替えを強要されるものでも無い。何より演出についてサークル内において新しい試みを取り入れるなどした。前なら絶対できなかったことができていたことに私は心底感動したのだ。

まぁ1つ前の投稿の理由で挫折したのだが。
これってアレだ、親の都合で生まれる前から中絶させられる子供みたいだな、と思った。そんな親にはなりたくなかった。もう提出こそしないだけで完成はさせます。親として責任は持ちます。

成長はした。でも、創作物を書く私のメンタルが無かったのと、環境の問題だと思う。
せめて既成脚本が許される世界線ならば良かったなと思う。てか今考えるともっと既成脚本やりたかったな。

……新入生に配られる冊子のサークル紹介のところに「脚本も歓迎」なんて絶対書かないで欲しいとさえ思っているのはここだけの秘密です。

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