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イメージの治癒力 ②

リラックスする方法を知り、自分の身体を使って実践し実感することで、体が緊張している状態、緊張する瞬間に気づけるようになる。
気づくことができればこの本に出てくるスクリプトの一部を利用して緩める(リラックスさせる)ことができるようになる。

これまで知覚できなかった自分を知ることのできる本でもあるし、自分を癒す方法も習得できる教科書でもある。

強い信仰心(宗教や医学、武道、家訓なんでもいいが揺るがない思想を持てる何か)がある人には必要ないかもしれないが、疑う心をひとまず横に置いて読んでもらえるならば、今まで読んだ本で一番おすすめな本だといえる。

自分の中に新たな領域ができる感じがするのがおもしろいし、外側は何も変わらないのに内側では大改革が起きている感じも楽しい。

自分の内側を整えているだけなのに、ふと立ち止まって眺めみたら、不思議と外の世界も円滑になっていた。


 結局のところ治癒とは無意識のプロセスであり、無意識の心がそれを理解するのである。その治癒のイメージを導き出し、それを確かなものにすることによって、無意識の心の独自の「言葉」を使い実施することを奨励するのである。あなたがつくり出すイメージは解剖学的にみて全く正解なものであるかもしれないし、または純粋に象徴的なものであるかもしれない。このイメージがあなた自身のもの、、、、、、、、であるという点が、最も重要なのである。



イメージの治癒力




第5章 心の深部へ

 リラクセーションが治癒の過程を開始させることが多くあるとはいえ、それだけで全てを癒してしまうわけではない。また、あなたのかかえている問題全部を解決するものでもない。しかしながらリラクセーションは、パターン化された緊張を和らげるという本来の働き以上に、様々な利点を持っている。リラクセーションの様々な効果は自己治癒能力を開発する上で非常に価値のあるものとなる。

 ⑴リラックスの仕方を学ぶことは、自分には体や感情、思考をコントロールする能力があるという自信をつけることができる。またどのように反応するか、どのように感じるかについて、多様な選択肢があることに気づくようになる。

 ⑵リラックスすることで、どのような事柄や人物、考えがあなたを緊張させるかをより明確に確認することができるようになる。これは、自分を緊張させるものにうまく対応できるようになるための第一歩である。

 ⑶リラクセーションによって、習慣的に生じているような否定的な思考パターンや自己暗示を防ぐことが可能となる。リラクセーションをすると頭が明晰になり、問題解決のための新たなアイディア、可能性、方法といったものに道を拓くことになる。また、リラクセーションはあなたの直感や創造性を引き出し、あなたの進んで行きたい方向にあなたを導くことを可能とする。

 ⑷深いリラクセーションは、より進んだ特殊なイメジュリー技術が最も効果的に作用する心理状態もたらす。

 ではつぎに、ここに挙げたリラクセーションの持つ利点が、治癒に向けたあなたの行動をどのように助けるのか、一つ一つ詳細に見ていくことにしよう。

P66-67

⑵緊張の源を見つける
 リラクセーションが一体どうなふうに感じられるものかがわかるようになると、それとは対照的な緊張の状態がどういったものであるかも感じ取ることが可能になる。その結果、自分を緊張させるものが一体何であるかを正確に掴むことができるようになる。これがストレスにより効果的に対処するための一歩なのである。

P70

⑶創造性と問題解決の能力を高める
 創造性は治癒と密接な関係にある。両者は、従来とは違った方法でいくつかの事柄を一緒に考え合わせるという点で一致している。生理的な修復のプロセスとして新たな「細胞組織」がつくり上げられるし、リラクセーションの間に自然としばしば出現してくる新たな視点は、治癒を促進するような、思考や生活のパターンの変化につながってゆくことがある。


イメジュリーによるリラクセーションの深化

 自分はリラックスできるという自信が持てたら、つぎにリラクセーションを深める方法を学んでいこう。ここで私が述べる「深める方法」は、あなたが既に身につけた基本的技術をもとにした簡単なものである。この方法を用いることで、あなたの内的な集中はさらに深まり、そのことによって後に出てくる色々な練習であなたがつくり出すイメージへの感受性を高めることができるようになる。
 この「深める方法」のスクリプトでは、前のものと同様に先ずあなたの注意を体全体に拡げ、体の各部分をリラックスさせる。さらに深化のための簡単なイメジュリー技法を二つつけ加えてある。一つは、あなた自身が階段を下りていくところをイメージするものである。この階段を一段下りるごとに、あなたは少しずつリラックスを深め、快一段状態となる。そして、美しく平和で穏やかで安全な心の中の場所に自分がいるところをイメージする。この練習には導入部があまり含まれておらず、以前のものよりも少しばかり急速に自分の体に入っていくことになる。つまりこれからはこの方法が「基礎的なリラクセーションの方法」にとって代わることになるのである。
 この本に書かれているスクリプトをやっていく場合、自分自身でゆっくりとスクリプトを読みながら、そこに書かれている指示に従っていくこともできるだろうし、友達に読んでもらったテープに録音しておいてそれを聴くという方法もある。また、すでに練習問題が吹き込んであるテープを購入して利用することも可能である。快適な姿勢をとって、25分間は誰にもじゃまされないようにしておかなくてはならない。

P72


⚫︎●⚫️ スクリプト ⚫️●⚫︎
ーーー深める方法ーーー

P73-79

自己の体験の評価

 心の中に適当な静かな場所を見つけることができなかったと感じているなら、次に述べる指示を読んでほしい。
 この「深める方法」をより効果的に使うために役立つ指示がいくつかある。先ず、これはあなたが今開発している技術なのだということを思い出していただきたい。そしてゆっくりと時間をかけて、うまくゆくようになるまで色々と試していただきたい。例えば、二◯段の階段を下りることでリラクセーションの最も快適なレベルに至ることができるという人がいるかと思うと、中には五段で十分だという人もいる。下っていく階段の段数を変化させることによって、リラクセーションの深度をコントロールできるかもしれない。

P80

いくつかの異なった「内的な場所」を異なった目的のために使うことができるかもしれない。例えば、休息やリラクセーションを求める時には日光の降り注ぐ海岸に出かけ、また状況の全体像を把握したい時には山の頂上に登るといった具合にである。あるいは、常に一定の場所を使う方がよいという人もいるだろう。最も重要なことは、あなたが最もよいと思うものを尊重することなのである。これはあなた自身の内的な場所であり、あなたにとって快適で平和で、そして聖域となる場所なのである。

P81

 想像上の特別の場所の情景だけでなく、そこで聞こえてくる音やただよう香りやそこで体験した感情といったものをイメージすることは、リラックスを深める手助けとなる。イメジュリーの中で五感の全てを用いることによって、このプロセスに脳をより多く関与させ、脳下部にある中枢神経にとってイメージ上の経験がより現実性をおびてくるのである。その結果、イメージに対するこれらの神経系の反応が高まり、体に「全て安全」というメッセージを伝達して、体がリラックスするのを許可することになる。


第6章 あなた自身を治療するイメジュリー

 さて、これまでリラックスの方法を学んできたから、あなたは特殊なイメジュリーを使って自分の健康を改善する準備ができたはずだ。イメジュリーは静かな無意識の心と、言語表現をする意識的な心との間の、双方向性のコミュニケーション媒体なのである。あなたの健康に影響を及ぼすパターンを明らかにしたり、そうしたパターンを変化させ得るエネルギーに焦点を合わせるためにもイメジュリーを利用することができる。
 イメジュリーの受容的な様式モードと能動的な様式は、自己治癒において相補的な働きをするものである。受容的なイメジュリーはあなたの中の無意識なパターン、ニーズ、変化への潜在的な可能性といったものに気づかせてくれるのを助ける。それをするには謙虚な心の状態であなた自身が問いかける質問への反応としてあらわれたイメジュリーに注意をはらえばよい。他方、能動的なイメジュリーは、あなたの意識的な意図(もしくは要求)を無意識的な心に伝達するものである。これもまた簡単なプロセスで、受容的でリラックスした心の状態を保ちつつ、自分にとって好ましい目標をあたかもそれが既に実現されたかのごとくイメージするのである。これらの受容的なイメジュリーと能動的なイメジュリーが一緒になって、あなたにとって最も適切なかつ効果的な治療のためのイメジュリーとなるのである。

P83-84


 この章では個人的な治癒のイメジュリーをつくり上げる方法を紹介する。その方法は簡単で直接的なものであり、受容的イメジュリーと能動的イメジュリーの両者を活用したものである。後述のスクリプトは、このプロセスにあなたを導く。あなたはリラックスして自分の心の中の静かな場所を訪れる。あなたが気を鎮めて落ち着いた時、あなたを最も悩ませている症状に気持ちを集中することになる。あなたの疾病が症状をともなわないものである場合には、疾病に関係のある体の部分か、もしくは疾病の名前に気持ちを集中するとよい。静かに気持ちを集中することができたら、その問題や症状を象徴するようなイメージが心に浮かんでくるようにする。心に浮かんでくるどのようなイメージでも受け入れて、それを意識に迎え入れる。そのイメージは、あなたに馴染み深いものであるかもしれないし、または全く目新しいものかもしれない。そのイメージと自分の症状との関連性が理解できるかもしれないし、できないかもしれない。それがいかなるものであってもあるがままに受け入れ、そしてより明確になるようにするのである。そしてその像について「おかしい」と思われるのは何であるかに気づくようにしていただきたい。何が、痛みや疾病、問題といったものを象徴しているように見えるだろうか。この時点まではイメジュリーの受容的様式を活用しているわけである。
 つぎに、自分の病気の治癒や問題の解決を象徴する別のイメージを浮かばせることが求められる。治療のプロセスが、それがどのようなものであれ、あなたにとって正しいと思われる姿で生じてくるところをイメージするわけである。治癒のイメジュリーのスクリプトでは、治癒のイメージに集中しながら、あなたの体に生じている良い変化を感じとっているところをイメージするようにうながされる。体感の変化に気づき、そういった体感を激励のサインとして、また体とのつながりのしるしとして捉えるようにするとよい。

P86-88

 あなたに自身がつくり出すイメージが最も大切なイメージであることは既に述べたとおりであるが、色々な人が今までにつくってきたイメージのサンプルを知ることで、イメジュリーというものが人によってどれほど違ったものであり個人的なものであるか、そしてそれでもなお効果的であり得るかということを理解されると思う。そこで、背中に障害を持った三人の例について見ていくことにする。

 私には整形外科医の友人がいたが、彼は腰部ヘルニアを患っており、それもかなりひどいものであった。彼はかなり進歩的な外科医で、患者の術後の回復を早めるために催眠を活用しており、心には治療を助ける力があることを確信していた。しかしながら、椎間板の破損をイメジュリーで治療し得るということについては疑念を持っていた。それでも、手術をしなくてすむようになるのであれば何でも試みようと考えていた。彼は仕事の関係から、問題となっている椎間板を非常にうまく視覚化することができた。彼は組織を「繊維状でできた嚢であり、圧迫によってその内容物が飛び出て、飛び出たものが今度は背中の神経を圧迫している」といった具合に思い描いた。彼は手術することなしにこれをうまく治療する方法をイメージすることができなかった。そのため彼のフラストレーションはしだいに高まっていった。思い悩んだ末に彼は、できる限り深くリラックスして、イメージ自体に変化が起こるかどうかを見てみようと決心した。すると突然、外部に飛び出していた椎間板の中心が、嚢の中に戻り、まるでカメラの絞りのように裂け目が自ら閉じてゆくイメージがはっきりと見えた。このイメージがあまりにも鮮明であったために、彼は非常に驚いた。さらに彼を驚かしたのは、このイメージセッションを終えたときに痛みがかなり軽減しており、数週間のうちに初めて足に痛みを感ずることなしに歩くことができたことである。彼は手術を受けることなしに完全に回復した。この事実は彼を喜ばせると同時に、驚かせもしたのである。

 別の例は、慢性の背中の痛みに悩まされていた患者のものである。彼は自分の背中のけいれんを表現するものとして、ロープの巨大な結び目をイメージした。リラックスするとその結び目がゆるんでいるところを視覚化することができ、結び目が完全に解けてしまうところをイメージできた時には、彼の背中の筋肉は完全にリラックス状態になっていたのである。

 つぎの例は、ここ一年間絶え間のない背中の痛みに悩み続けてきた患者のものである。彼は、自分の背中にナイフが突き刺さっているところをイメージした。誘導イメジュリー(ガイデッド・イメジュリー)を行った際に、彼はナイフを彼の背中に突き刺した者を見るようにと告げられ、自分の以前のビジネスパートナーを見たのである。実はこのパートナーは彼の資金を持ち逃げしてビジネスをめちゃくちゃにしてしまっていたのである。短時間のカウンセリングセッションによって、彼は自分の中に閉じ込めていた怒りや喪失感といった感情を表現し、乗り越えることができたのである。こういった自分の感情を処理することができるようになって、背中の痛みは消失していった。

P88-90

 つぎに潰瘍性の大腸炎を患っていた若い男性患者の例を見てみよう。この患者にはここ二ヵ月間、痛みをともなう腹部のけいれんと直腸からの出血がみられた。投薬を行ったが効果はなかった。彼はできることならコーチゾンの服用は避けたいと考えていた。彼は自分の結腸が赤くなり、剝離を起こしてチクチクするというイメージを描いた。両手を腹部においてリラックスした時、彼は自分の手が体の中に融け込んでいき、腸を優しく撫でてマッサージしているところをイメージするようになった。自分の手の中で腸がリラックスして休息しているところがイメージされた。と同時に、自分の腹部が心地良い感じとなり、新鮮で健康的な血液が腸に流れ込んで腸をリフレッシュさせ、きれいに掃除し、そして癒しているところがイメージできたのである。二日間で彼の症状は消滅した。三週間の後には、主治医である胃腸科専門医が、彼の結腸は完全に治癒したようだと述べている。

P91

⚫︎●⚫️ スクリプト ⚫️●⚫︎
ーーー 癒すためのイメジュリー ーーー

P94-98


《 スクリプトをやってみての感想 》

・スクリプト 深める方法
前回もそうだったが緊張の解放では、部位ごとにうつらうつらしているため20〜30分ほどのスクリプトを終えるのに1時間近くかかった。しかし部位ごとのうつらうつらから我に返るとき、不思議とその部位が自然とゆるんでいることに気づく。
階段を下りていくところでは中盤くらいのところから涙がじんわり出てきた。
内的な場所をイメージしたときには、安らぎを感じ涙が流れ出ていた。
終えるときには内側だけ温泉に浸かっていたような温感が広がっていた。

・スクリプト 癒すためのイメジュリー
すべてのスクリプトで最初に行う深い呼吸は回を重ねるごとにするなり力が抜けていくようになっていた。
体の部位ごとの緊張感の解き放ちでは、解放されていく範囲が広がりスピードもはやくなってきた。
階段のイメージは前回は見た目は味わい深いが強度が心許ない感じのものであったが、今回は安定感や重厚感のあるしっかりと階段がイメージされた。下りていくほどに深くもぐっていく感覚があり、体の中に波紋のような音波のようなものが体全体へとぐわんぐわんと広がっていった。
心の特別な場所に入るところでは、前回は人がイメージされたけれど、今回は場所であり情景であり思い出だった。



  ▪️附録 〜夜と霧からの引用〜

「夜と霧」のなかに「イメージの治癒力」とリンクする部分があるのを思い出したので一部引用したいと思う。

(…数年前をふりかえって…赤ペンの書き込みもラインマークもその本を以前朗読していたときのもの。つまずきやすい箇所に読み仮名をふったりしたものの、呼吸のタイミングやテンポがつかめずはじめた頃は常に息苦しい状態だった。句点を入れることで息継ぎの目印にしていた。当時とあるコミュニティに属していたおかげで朗読をやってみる機会を得ることができた。一歩踏み出すのが不安な初めてのことでも始めやすい環境だった。本当にありがたいなとしみじみ思う。)

突然、仲間が飛びこんで、疲れていようが寒かろうが、とにかく点呼場に出てこい、ときたてた。太陽が沈んでいくさまを見逃させまいという、ただそれだけのために。
 そしてわたしたちは、暗く燃えあがる雲におおわれた西の空をながめ、地平線いっぱいに、くろがね色から血のように輝く赤まで、この世のものとも思えない色合いでたえずさまざまに幻想的な形を変えていく雲をながめた。その下には、それとは対照的に、収容所の殺伐とした灰色の棟の群れとぬかるんだ点呼場が広がり、水たまりは燃えるような天空を映していた。
 わたしたちは数分間、言葉もなく心を奪われていたが、だれかが言った。
「世界はどうしてこんなに美しいんだ!」

第二段階 収容所生活 壕のなかの瞑想 P65-66





https://drive.google.com/file/d/18MSal-hY5I_nkfVEwxJlRggWXl_BA3Xj/view?usp=drivesdk





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