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枕と思い込み

自分や他者
いくつもの思い込み
それらが重なり合う世界に住んでいる。

いつから私は眠るときには枕が必要不可欠だと思うようになったのだろう?

あるとき、ある人と枕の話になった。
その人は、「私は枕は使うときもあるし、使わないときもあるよ」とさらっと言った。
私はその言葉にハッとした。
そんな気軽に使ったり使わなかったりしてもいいのだとはじめて知ったから。

不調がでると困る頸椎を守るために枕を使っていた私。
自分に合う枕を探していくつか買い替えたりもした。

防ぐということは、そこには不調であるという現実があるということ。

すでにマイナスがあったから、そのマイナスを埋めるために枕が必要だった。

でもそれは本当にそうなのかな。

「大人になる」って考えを固定化させていくということなんだろうな。

幼児だった頃の息子の様子を思い出してみると
眠るときには枕の上に頭をのせて眠りについても
朝には枕がどこかにいっていた。
そもそも、眠りについた場所には朝までいることはない。
斜めになっていたり、180度回転していたりする。

なにかで子どもは寝ている間に整えているのだと見聞きした気がする。

そういえばある国ではハンモックの上で眠っている。
また別の国では固そうな板のようなベッドの上で眠っている。

彼らは枕は使っていなかった。
本当に枕は必要なのだろうか?


ためしにある夜に枕を使わずに過ごしてみた。
頭が左右に動かせて、背骨と肩甲骨をゆらゆらさせてみたら心地よかった。

枕がなくても何も問題はなかった。
むしろ朝まで快適だった。

頸が不調だと思っていたけれど、そもそも本当に不調だったのだろうか。

不調であるという現実が私には必要だったのかもしれないなと今は思っている。

ヒーロー物語には逆境や敵が必要で、その敵も人とは限らない。
不足していると感じる心が、何もないところから形づくり、それをアイデンティティにしていくのかもしれない。

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