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プラネットアース 〜イラストで学ぶ生態系のしくみ〜② (読書記録)

前回から2ヶ月ほど経ってしまいましたが、本を購入して読書再開しました。


▪️ヨーロッパ

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まず最初におもしろいなと思ったのは、「ヨーロッパとは地理的な場所ではなく概念だ」というところ。
アジアと同じ大陸上にありますが、東の境界ら地理学的には定義されていないそうです。

ヨーロッパという概念
古代ギリシャ人によって作られた。
彼らは狭いヘレスポント海峡(現在のダーダネルス海峡)の両側は異なった大陸だろうと決めてかかった。
ヨーロッパとアジアの境界は時代ごとに政治や文化によって折り合ったところへと移動した。

ヨーロッパは西洋文明が幕を開けた「古い世界」だと考えられています。
石器時代から産業革命まで、ヨーロッパは大きなスケールで世界中を変化させてきました。
強大な帝国をめざす競争の中で、ヨーロッパの王国は別の地域の多くの人々を追い出したり、閉じ込めたりしました。
そのうえ、彼らはヨーロッパの動植物を世界中に持って行き、帰りには各地で見つけた種を持ってヨーロッパへもどったのです。
結果として地球全体の生態系に甚大な影響を与えました。

10世紀の大英帝国では、産業革命によって環境の利用方法が急激に変わり、その変化は逆もどりできないものでした。
人々の暮らし方、仕事の仕方が変わり、さらに大事なことは、それが私たちと自然界との関係を変えてしまったということです。

 モンブラン山群

(最も高いところにあるトイレが見つけられなかった…残念)


 モルドバって?

初めて知ったモルドバという国。


 ベラルーシ

そういえば約1年ほど前にベラルーシについて調べ学習していました。

ベラルーシのいま


 アリのスーパーコロニー


 エトナ山

ヨーロッパ最大の活火山


ブリテン諸島の湿原

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  この湿った丘の多い風景は全く自然のものに見えるかもしれませんが、実はこれも人口のものなのです。大部分は古代には森であったことがわかっています。その木々の多くは旧石器時代の人々によってとり払われ、彼らが新しい生態系を作ったのです。

 湿原には分厚い泥のようなピート(泥炭)の多いところがあります。ピートは石炭ができる最初の段階です。枯れた植物は時間が経つと沼の底に堆積しますが、完全には分解せず、ピートとなります。ピートは深ければ深いほど炭素が多くなります。ピートのなかの炭素がより強く圧縮されて、より長く燃え続ける燃料に変わります。

湿地帯にはミズゴケも生えていて、ピートが洗い流されるのを防いでいます。ミズゴケは水を自然にろ過し、みんなのために美しい淡水を作っています。湿地は炭素を多く含む土になり、草原生態系全体にこの土を補給しています。

 恩恵

 湿原は人や動物の食料供給の基地になっています。沼地はきれいな飲料水を供給し、ヒツジの群れに食料を与えます。ヨーロッパに広がるピート地帯は炭素の吸収源として重要です。そこは大気中以外に自然に炭素が蓄えられるところとして、炭素循環の重要な役割を果たしています。

毎年アフリカから渡ってくるツバメのように、世界中から多くの鳥が湿原にやってくる。

ピート湿原は「生きている地形」で、たえず新しい小さな丘と窪地を作っている

ライチョウは個体数が増えすぎると狩猟の対象になる。このゲーム・ハンティングは個体数のつりあいのために必要であり、農村にとって湿原管理を続けるためのもうひとつのビジネスになっている。

・沼地のミズゴケはスポンジのように働き、近隣の町を洪水の危険から守る


 脅威

 家畜の過度の放牧や無計画な農業、また地球温暖化によって湿原が乾燥すると、手の負えない自然火災が発生しやすくなります。保護団体と土地の所有者たちは、これを防ぐために湿地に水を満たそうと注意深く働いています。時にはそのために火薬を使って溝を掘ったりもします。


地中海沿岸

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  地中海沿岸にはヨーロッパ、中東、アフリカの24の国があります。その海は時間が経っても変わらないように見えますが、実はかつて完全に干上がって砂漠だったことがあります。
 
地中海がまわりの川から受け取る大量の淡水はながれこむよりも3倍もはやく蒸発します。そのために地中海には大西洋から塩水が流れこんできます。

 肥沃な土地と穏やかな気候の中で、人類は13万年以上も地中海沿岸で繁栄を続けました。その風景は完全に自然に見えますが、実は何千年にもわたって人間によって姿を変えてきたのです。
 古代の人々にとって暮らしやすかったということは、芸術を創造し、思索に時間を費やすことができたということです。
 

 恩恵

 地中海沿岸には2万2,500種以上の植物があって、生物多様性のホットスポットになっています。気候、植生、豊かな資源によってこの地域は古代文明の発祥地となりました。

・地中海沿岸の下には塩が大量にあるので、岩塩坑の坑員たちは地下に全て塩だけの教会を作った。塩は100万年掘り続けてもなくならない

・沿岸地方にはヨーロッパ唯一のヒト以外の霊長類バーバリーマカクが住んでいる。

サンマリノは紀元301年に建国された世界最古の独立共和国。

「イリアス」や「オデュッセイア」のような古代ギリシャの物語は、地中海を濃いワイン色と表現していて、歴史家はその意味を知ろうとしてきた。澄んだ青い水が昔はもっと暗く見えたのか、あるいは時代と共に人の視覚が変わったのか?


サンマリノ


「イリアス」「オデュッセイア」


 脅威

 地中海沿岸地方には年間2億人を超える旅行客が訪れますが、ニースやバルセロナ、サルディーニャやミロスなど美しい観光地に集中しています。地中海沿岸の自然はほとんど保護されておらず、野生生物の生息地は破壊されつつあります。海では乱獲し、川から流れこむ限られた量の淡水を使い過ぎています。人々は何世紀も地中海地方の陸地を破壊することなくなんとか管理してきました。現在、この地方の国々は力を合わせて無責任な土地利用を止めようとしています。


アルプス

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 とても大き過ぎて理解しがたい、という場所があります。アルプスの巨大な山岳地帯もそんなところの一つです。詩人で医者のオリバー・ウェンデル・ホームズは「アルプスを見たあとには私の心は弾性の限界を超えて伸びきってしまって、空間認識がとてもあいまいになった。それに合わせるためには私の認識を広げなければならなかった。」と言いました。

この美しい山岳地帯はヨーロッパ最大で、山肌に色とりどりの高山植物が広がり、頂上には雪をいただいて、モナコからスロベニアまで8か国にまたがっています

 恩恵

 アルプス地域に広がる森林や草原はとても大規模な酸素生産者で「ヨーロッパの肺」と呼ばれています。山頂の氷河は融けてヨーロッパの主要な川や海へ注ぎます。現在、この地域には2,000万人ほどが住み、山の放牧場に依存する農業経済で生活しています。

山岳地帯の農夫たちの多くは今も新石器時代以来の伝統的な農業を行っている

・アルプスではクマやオオカミのような捕食者をおどすのに鉄砲ではなく牧羊犬を使う。犬が大声で吠えて人と動物との危険な接触を防ぎ、野生動物の不要な死を防ぐ

寒冷な高山の植物は厳しい気候にもちこたえるために長い根を伸ばしている。

技術のすばらしい進歩によって山岳地帯に道路やトンネルが作られ、アルプスは世界で最も訪れやすい場所の一つとなった


 脅威

 気候変動はアルプスを含む世界中の山岳地域の脅威となっています。地球全体の気温が上がると高山の氷河が融け、雪崩が頻発し、寒冷地に適応している動物たちはさらに山の高いところへと移動して他の生物たちを追い出しながら寒冷地を探します。アルプスでは観光客や交通量の増加、破壊的な農法などで野生生物と淡水源に危害がおよんでいます。保護団体と政府は、今まさに保つために重要な地域を確認し、保護しようとしています。環境に優しい観光(エコツーリズム)の動きが始まり、新しい持続可能な建築物の建設も始まっています。


次回は「アジア」です ♪


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