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アリも戦争をするの?

アリの戦争とは?
人間の戦争と似てるのか?

種としてはかけ離れていますが、道路の建造、交通ルールの整備、チームワークなど、生物の中でもアリと人類の共通項はたくさんあります。熱帯におけるアリの研究を行っているマーク・W・モフェットさんが人類とアリの戦争時における共通点を解説しています。
モフェットさんは人間とアリのような社会性のある昆虫の類似点の中でも、「戦争における類似」は最も興味深いものの1つだと考えているそうです。モフェットさんによると、アリと人の「戦争」は、群れの大きさによってその「過激さ」が異なるとのことです。


小規模な群れ

小規模な群れアリも人類も相手を殺すよりも「逃げる」ことを選ぶ。
20匹ほどの小さな群れで暮らすAcanthognathusというアギトアリの一種は、小枝に巣を作りますが、他の群れと抗争が起きそうになると、すぐ別の枝に巣を移します
狩猟採集生活を営む原始的な人類も他の群れとの抗争が起きそうな場合は、守るべき資産を持っていないため、ほとんどはすみかを移すことを選んだそうです。


中規模の群れ

人間もアリ同様に、中規模の群れ同士での戦闘は儀式的なものになります。ニューギニア島で観測された数百人規模の部族間の衝突は、お互いに距離を置いて向かい合い、盾を持った相手めがけて矢を撃つかヤリを投げるというもので、ほとんど死者が出なかったそうです。

お互い牽制しあって、互いに勇ましさとこれ以上立ち入らないことをアピールする。
これは戦争ではなく、群れを維持するための必要不可欠な儀式でもあるのかもしれない。


大規模な群れ

大規模な群れでは、全面戦争が行われます。モフェットさんの観察によると、人類もアリも群れの数が1万を超えたあたりから、儀式的な戦闘から本格的な戦争に移行しだし、群れの数が数十万を超えると、戦争の過激さは最大化するそうです。モフェットさんによると、世界の侵略的外来種ワースト100にもノミネートされるほど凶暴な性質を持つアルゼンチンアリは互いの群れを標的として、何百万の犠牲者を出すような大規模戦争をサンディエゴ近郊で毎週行っているそうです。


アルゼンチンアリがすごい!

アルゼンチンアリの女王アリは、働きアリを120匹産むごとに新たな女王アリを1匹産みます
1日に産む卵の数は60個なので、アルゼンチンアリは倍々ゲームのような勢いで増えていきます。

なんと!2日後には別の女王アリが誕生!
次から次へと「これでもか!」というほど湧くように生まれてどんどんと増えていく。

アルゼンチンアリは数が増えると、女王アリが働きアリグループを連れて独立し、新たな巣を作ります。
ところが、新たな巣のアルゼンチンアリは、新たな環境に適応するために世代を重ねるごとにDNAに変異が生じます。すると、元の巣のアルゼンチンアリのことを「別の一族」と認識するようになり、お互いに戦い合うようになります。

元同じ一族だったのが別の一族と認識するように変化してしまうのが不思議だ。
しかもお互い戦い合うようになるまでなるのだから。


女王アリの乗っ取り

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クサアリの仲間は、働きアリは肉眼ではどれもよく似ているのですが、女王はこの通り一目で違いが分かるほど異なる姿をしています
そして、これらのクサアリ亜属共通の習性は、結婚飛行を終えた女王は他のアリの巣を乗っ取る一時的社会寄生を行うということ。
種ごとに寄主が異なり、クロクサアリはアメイロケアリ亜属の巣、ヒラアシクサアリはトビイロケアリなどケアリ亜属、フシボソクサアリはヒゲナガケアリの巣、そして、今回紹介するテラニシクサアリはキイロケアリの巣を乗っ取ります。
蟻酸をかけた直後の様子を、動画でも撮影したのでご覧ください。
巣の中はテラニシクサアリが出した蟻酸によって一瞬で大パニック。
蟻酸を吹きかけられた女王も走り回っていますが、よく見るとキイロケアリの働きアリたちが自分たちの母親である女王を攻撃している個体がいるのです!
これを見た瞬間、これが寄主の女王をころす方法ではないかと思いました。


アリの奴隷狩り?

実際には「シロアリはアリを襲ったりしません。むしろその逆です」。南アフリカ・プレトリア大学の昆虫学者アブドラヒ・アフメド・ユスフ氏はそう語る。

 例えば、マタベレアリはシロアリを捕食し、彼らのコロニーを大挙して襲撃する。ただし、これは狩りのための戦略であって、人間が言うところの戦争ではないとユスフ氏は言う。
 驚いたことに、アリのなかには「奴隷狩り」をするものもいる。米国アリゾナ州立大学の昆虫学者ケイティ・プルディック氏によると、こうしたアリは別種のアリの巣を襲い、におい物質を使ってパニック状態を引き起こす。巣の主であるアリが使う警戒臭に似たにおいを放つことで、アリたちがパニックを起こして巣から出るように仕向けるのだ。あとは空き巣よろしく、巣の中に侵入して幼虫を奪う。さらわれた幼虫たちは成長すると、襲撃者のアリたちに奉仕することになる。


こわすぎ!ワニ族の成人の儀式

蟻の儀式ってあるのかな?と調べていたら出てきたぞっとする儀式。

セピック族はワニの力を取り入れるために
竹やカミソリで皮膚を模様にあわせて
皮膚をそぎ取り、特殊な樹液を塗って
傷口を膨らませることでワニの模様を
背中を中心に彫り込んでいくのです。

セピック族の成人の儀式は精霊の家
「ハウスタンバラン」の中で行われます。

ハウスタンバランは女性を、暗い内部は
胎内を象徴するとのことです。
その中で儀式をして出ていくことで
大人の男として「再生」するわけです。
14~18歳の男がハウスタンバランの
2階に集められ、全身に泥を塗り、
「村の掟」を長老達から2週間学びます。

その後、集落の長がデザインした通りに
竹やカミソリで皮膚をそぎ取っていき、
その傷口に特殊な樹液を塗ることで、
傷口を膨らませていきます。

皮膚を削ぐ時、血を水で流す時は
とてつもない激痛を伴い、叫んだり
気絶したり失禁するのは当たり前で、
逃げ出そうとする若者もいるとか。

止血もしないので障害が残ったり
出血多量やショックで死に至る場合もある
相当な覚悟を持って挑む儀式なのです。


成人の儀式のようすが想像以上に生々しく、部族外の者からするとまるで拷問のようにさえ見えた。
けれど、この儀式を乗り越えたものは一人前の男として部族内から認められる。
しかし、成し遂げられなかった者たちはどうなるのだろう…そんな疑問が浮かんだ。
そもそも、「成し遂げられない」そんな選択肢自体がないのだろうか。


子どもたちがのびのびとしている姿にほっこりした。




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