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1984とニュートンの訳と和訳

Twitterでジョージ・オーウェルという言葉ととある言葉を目にして気になったので、数ページ読んで積読していた1984を再読中。

読んでいて目を引いたところのメモ書きと小さな冒険。
現在99ページ。

P51

その優雅さと奔放さは文化全体を、思想全体を壊滅させてしまうかに感じられた。鮮やかな腕のひと振りで、ビッグ・ブラザーも党も思考警察も無へと薙ぎ払ってしまうことができるかのようだった。これもまた、太古の時代の仕草であった。ウィンストンは「シェイクスピア」と言葉を漏らしながら目を覚ました。


P41
 何年か前のことだ一どのくらいだったろう?7年前だったはずだ一彼はまっ暗らな部屋を歩いている夢を見た。すると、そばにかけていた誰かが、彼の通り過ぎざまに声をかけてきた。

 「暗闇なきところで会おうじゃないか」ひどく静かな、ほとんど何気ない言葉だった一命令とは違う、単なる挨拶だった。


P49
彼はそれを理解していたし、ふたりも理解していた。顔に、分かっていると書いてあった。ふたりの表情にも心の中にも彼への非難は微塵もなかった。
あるのはただ、彼を生かすには自分たちが死ぬしかない、これは避けようのない天のことわりの一部なのだ、という覚悟のみであった。


P49
悲劇とは太古のものであり、まだプライバシーや愛や友情が存在した時代のものであり、家族が理由を知る必要もないままに互いを支え合っていた時代のものなのだ、と彼は悟った。

母の記憶が彼の心を引き裂くのは、彼がまだ若くあまりにうぬぼれが強かったせいで愛情を返さずにいたというのに母が彼を愛しながら死んでしまったから、そしてまた一彼は母がどのようにこれを成し遂げたのか記憶してはいないのだが一母が胸に秘めた決して変わらぬ誠心という観念に身を捧げたからであった。


P50
 はたと気づけば彼は短く弾力のある芝に覆われた野原に立っていた。うすづく陽光が大地を黄金色に染める、夏の逢魔が時である。
目の前の情景は幾度となく夢に現れていたので、彼はそれが現実世界のものなのかどうか、確信を抱くことができなかった。
目が覚めている間、彼はそれを〈黄金郷〉と呼んだ。


P56
そして、党が押し付けてくる嘘を誰もが受け入れるのであれば一あらゆる記録が同じ内容しか伝えないのであれば一その嘘が歴史となり、真実となってしまうのだ。
「過去を支配する者は未来を支配する。今を支配する者は過去を支配する」と、党のスローガンは言う。
そして、過去が改変できる性質を持つものであろうとも、改変などしたこともないというのだ。現在真実とされているものごとは、悠久の昔に始まり悠久の未来にいたるまで、変わらず真実であるというわけである。
話は、実に単純であった。己の記憶に延々と勝利を収め続けるだけでいいのだ。党はこれを「現実制御」と呼んでいる。
ニュースピークでいう〈二重思考ダブルシンク〉である。


P58
1961年以前にイングソックという言葉を耳にしたことがあるとは思えなかったが、同じ意味を持つ〈オールドスピーク〉の言葉一「英国社会主義イングリッシュ・ソーシャリズム」という言葉である一がそれ以前から広まっていた可能性はある。何もかも霧の中に溶け込んでしまっていた。無論ときとして、明確な嘘を見つけることもある。


P69
そして〈真実省〉はこのように党からの千差万別な要求に応じるだけでなく、労働者階級プロレタリアートの低俗な要求も満たすべく、まったく同じ別工程をこなさなくてはいけなかった。
労働者階級のための文学、音楽、演劇、娯楽全般の提供を専門とする別の局が、ひととおり揃っていたのである。
ここでは、スポーツと犯罪と占星術の他にはほぼ何も書かれていないゴミのような新聞や、劣情を煽る三文小説や、露骨な性描写ばかりの映画や、一から十まで作詩機バァーシフィケイターと呼ばれる特殊な万華鏡を用いた機械の力で作られた感傷的な歌などが制作されていた。


ファビアン協会

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G.オーウェル『1984年』について
―― 監視社会」と「自由」の視点から ―
南谷覺正 情報文化研究室

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亜人

人間と同じく知的生物でありながら、常人とは一線を画した身体的特徴や能力を備えた種族のことを指す[2]。下記の半獣のように人型に部分的に他の動物などの器官・特徴が付加・置換されたもの、巨人や小人のように人間の体格を大きく変化させたもの、人間に似ていながら人間にない特殊な能力や特徴を持つものとして描かれることが多い[1]。人間を越えた力や知能などを持つ存在であり、人間とはかけ離れた美しい容姿や体格を持つ者も多い[1]。これらは人間から恐れられる存在と考えられる場合と、人間を魅了する存在と考えられる場合とがある[1]。
亜人とされる主なものには、ギリシア神話における半神半人の英雄たち、同神話における女性だけの部族のアマゾーン、アリから人となったといわれるミュルミドーン人、中国の道教における仙人などがある[2]。
最古に位置するものでは、メソポタミア神話におけるパピルサグがある[1]。
代表的な亜人 

吸血鬼
狼男
ミノタウロス
ケンタウロス
人虎
人魚
半魚人
龍人
リザードマン
ハーピー
セイレーン
ゴルゴーン
エルフ
ドワーフ

天狗


巨人族(ネフィリム)

旧約聖書の『創世記』および『民数記』、旧約聖書外典(続編)の『ヨベル書』、『エノク書』には巨人族(ネフィリム)について書かれています。
『創世記』第6章1~4節には、下記のことが記されています。
「地上に人が増え始め、娘たちが生まれると、神の子らは人の娘たちが美しいのを見て、おのおの選んだ者を妻にした。 こうして神の子らと人間の娘たちの間に生まれたのがネフィリムであった。 彼らは大昔の名高い英雄たちであった。」
聖書では空にいる天使たちが地上に美しい女性たちがいるなと降り立ち200人が女性たちと子供を作ります。

それが巨人族(ネフィリム)です。

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しかし堕落した天使たちや巨人族に激怒した神様が天使たち200人を煉獄送りにして、残った巨人たちを大洪水で滅ぼしにかかります。

イエスと使徒たちはノアの箱舟に乗ってなんとか難を逃れるのです。
大洪水で生き残った巨人たちを英国人のジャックが奸計をめぐらして絶滅させてアーサー王の家臣になったという話がジャックと豆の木の元になった話です。
聖書に「神の子」とありますが、神の子であるイエスキリストの墓は岩手県と青森県の境にある三戸村(旧盛岡藩)にあります。

また岩手県の「岩手」の意味はヘブライ語で「ユダヤ神の民」という意味なのです。
東北の民間伝承にも巨人の言い伝えがあります。

秋田県の横手盆地の干拓事業では巨人族のダイダラボッチがやってきて手伝ってくれたと言われています。

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秋田、山形、福島、岩手、青森、宮城など東北には手足長族という巨人族の言い伝えもあります。



パピルサグ

パビルサグ崇拝は初期王朝期にさかのぼるが、姿形などの詳細は不明。

古バビロニア時代にはニンウルタ(ニヌルタ)・ニンギルスと同一視され、ヘレニズム期に蠍の尾を持つ半人半馬の姿で表されるようになる。

ケンタウロスの原型であると言われる。
メソポタミアの星座の1つともなっており、いて座の元となった。


ニヌルタ

ニヌルタまたはニンウルタ(Ninurta)は、バビロニアやアッシリアで崇拝された、メソポタミア神話の、豊穣(農業・狩猟)と戦闘の神

意味は「大地の主」。「エンリル」と「ニンリル」(あるいは変形神話では「ニンリル」の代わりに「ニンフルサグ」)の息子。

古くは、「ニニブ(Ninib)/ニニプ(Ninip)」と呼ばれ、時には、創造神・太陽神・秩序の神として描かれていた


ラー

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アトゥム

アトゥムは、原初の水「ヌン」より生まれ、 他の神々を生み出した存在。
自慰によって大気の神、シューと、湿気の女神テフヌトを生んだ。
独力で他の神々を生み出したため両性具有の神とされる。
基本的には人間の姿をしており、二重王冠を被り、アンクとウァス杖を手にした姿で描かれる。


ヌン

ヌン(Nun)は、エジプト神話における原初の神
オグドアドの一柱。
「原初の水」と呼ばれ、あらゆる存在の起源とされる。
また、ヌンの名はアトゥムの立つ大地「原初の丘」も指す。
ヘリオポリス創世神話において、ヌンの中から意志の力によって創造神アトゥムが誕生したと語られる。 後にアトゥムとラーが習合した事により、ラーはヌンの中から意志の力によって生まれたという神話も存在する。
ヘルモポリス創世神話においても、ヌンの名は登場し、こちらでは八神一体の神々オグドアドの一員として語られている。


オグドアド

8柱の神々は、四つの男女の一対で構成されていた。すなわち、ヌンとナウネト、アメンとアマウネト、クク(英語版)とカウケト(英語版)、フフ(英語版)とハウヘト(英語版)である。
男神達は蛙と関連づけられ、女神達は蛇と関連づけられた[2]。性別こそ違っていたが、一対において、男神に対する女神は彼とほとんど区別しないことになっていた。
実のところ、女性の名前は単に男性の名前が女性化しただけのものであり、その逆も同じなのである。
基本的に、一対のそれぞれは、四つの概念の一つの様相における男性性と女性性を意味している。

すなわち、原始の水(ヌンとナウネト)、空気または見えないもの(アメンとアマウネト)、暗闇(ククとカウケト)と不滅または無限の空間(フフとハウヘト)である[3]。
エジプト神話では、世界の最初はヌンという原初の海に満たされ、そこから原初の丘が現れたとされている。
これは、ナイル川の氾濫と、水が引いた後の土地から動物が現れる様子から想像された創造神話であろう[4]。
8柱の神々は、日の出が毎日繰り返されるようにし、ナイル川の水が絶えないようにした[5]。
ラーが生まれる睡蓮(英語版)を作り出したのも彼らであった[6]。
彼らが世界を統治した期間は黄金時代とされたが、彼らはその役割を終えると死んで冥界に行ったとされた[5]。
ヘルモポリスにおける創造神話は、四つの異本に残されている。これらの神話は、ヘルモポリスの神殿に付属する神聖な湖とその中にある島に関連づけられていた。
その島は原初の丘とみなされ、多くの人々が巡礼に訪れ、多くの儀式がここで行われた[7]。
卵の異本 
ある異本では、ラーを収めた卵が天の鵞鳥から産まれたとされている。
しかし別の資料では卵には空気が入っていたとされていた[7]。

他の異本では、トートと関連する鳥である朱鷺が卵を産んだとされていた。これは、オグドアドより崇拝の成立が遅かったトートをより古い時代の神話に結びつけようとしたものだと考えられている。
トートは自分自身を創造したとされていた[7]。
睡蓮の異本 
またある異本では、睡蓮が水の中から現れ、その花からラーが生まれたとされた[6]。

さらに別の異本では、睡蓮の花びらが開くと中にはタマオシコガネがおり、それはすぐに少年の姿に変わった[6]。この少年がネフェルトゥムであり、彼が泣いてこぼした涙から人間が作り出されたとされた[8]。

タマオシコガネは太陽を象徴するものであり、さらに睡蓮の花は朝に開き夕に閉じることから太陽神崇拝に関連づけられていた[6]。

また、睡蓮から生まれたラーが、神と人間に関わる一切の物を生み出したという伝承もある[6]。


トート

トート(ギリシャ語:Θωθ;トト、テウト[2]とも)は、古代エジプトの知恵を司る神
古代エジプトでの発音は、完全には解明されていないがジェフティ(エジプト語:ḏḥwty)と呼ばれる。
シンボル
トキ、ヒヒ、パピルス、月の円盤など

主にヘルモポリス(ギリシア人が名付けた「トートの町」の意味)で信仰された。
多くの信仰を集め、長い間、様々な広い地域で信仰されたため、知恵の神、書記の守護者、時の管理人、楽器の開発者、創造神などとされ、王族、民間人問わず信仰された。

そのためある程度の規模を持つ神殿には、トートのための神殿が一緒に作られている。
またエジプトの外でも信仰を受け、新バビロニアや古代ローマ帝国でも信仰された。


エメラルド・タブレット

エメラルド・タブレット(英: Emerald Tablet)、タブラ・スマラグディナ(羅: Tabula smaragdina)は、12世紀以降のヨーロッパに出現した、ヘルメスに帰せられた諸文献のうち特に名の知れたごく短いテクストである[1]。
エメラルド板、エメラルド牌、エメラルド碑文、緑玉板とも
『緑玉板』のテクストは、その著者をギリシアの神ヘルメースと古代エジプトの神トートのヘレニズム的[6] 結合であるヘルメス・トリスメギストス(三重に偉大なるヘルメス)としている[7]。

古代のものとの主張があるが、6世紀から8世紀の間に書かれたアラビア語の作物と信じられている[8]。
このテクストの出典としうる最古のものは、9世紀前半に編纂されたアラビア語の書物 Kitāb sirr al-ḫalīqa (『創造の秘密の書』)、別名 Kitāb al-`ilal (『諸原因の書』)[† 1] である。
この書物はバリーナース(バリーヌース、もしくは擬テュアナのアポロニオス)に帰せられる[9]。この書においてバリーナースは『緑玉板』を古代のヘルメス的知恵に仕立て上げている。かれはテュアナにあるヘルメス像の足下の地下納骨堂で文書を発見し、その納骨堂内では黄金の玉座に即いた古遺体が緑玉の銘板を手にしていた、と読者に語るのである[10]。
ニュートン訳 
アイザック・ニュートンによる英訳が彼の錬金術文書のなかから発見
されており、それは現在、ケンブリッジ大学キングズ・カレッジ図書館に所蔵されている[13]。以下はその和訳である。


これは真実にして嘘偽りなく、確実にして最も真正である。
下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとくであり、それは唯一のものの奇蹟を果たすためである。
万象は一者の観照によって一者に由って起こり来たれるのであるから、万象は一つのものから適応によって生じたのである。
太陽はその父、月はその母、風はそれを胎内に運び入れ、地はその乳母である。
全世界におけるあらゆる完成の父はここにある。
それが地に転じるならば、その力は円満となる。
地を火から、微細なものを粗大なものから、非常なる勤勉さで丁寧に分離するがよい。
それは地から天に昇り、ふたたび地へと降って、上位のものと下位のものの力を受けとる。
この方法によってそなたは全世界の栄光を得、
それによって一切の無明はそなたから去るであろう。
その力はすべての力を凌ぐ。それはあらゆる精妙なものにも勝り、あらゆる堅固なものをも穿つからである。
かくて世界は創造された。
これに由って来たるところの驚くべき適応、その方法(もしくは過程)はここにある通りである。ゆえにわたしは全世界の哲学の三部を具するをもってヘルメス・トリスメギストスと称される。
太陽の作業についてわたしの語ったことは完遂し畢る。


ヘルメス・トリスメデストス

ヘルメス・トリスメギストス(英: Hermes Trismegistus, 古希: Ἑρμῆς Τρισμέγιστος)は、神秘思想・錬金術の文脈に登場する神人であり、伝説的な錬金術師である。
「錬金術師の祖」とされ、錬金術は「ヘルメスの術」とも呼ばれる。

ギリシア神話のヘルメス神と、エジプト神話のトート神がヘレニズム時代に融合し、さらにそれらの威光を継ぐ人物としての錬金術師ヘルメスが同一視され、ヘルメス・トリスメギストスと称されるようになった。それら3つのヘルメスを合わせた者という意味で、「3倍偉大なヘルメス」「三重に偉大なヘルメス」と訳される(3人の賢者〈ヘルメス〉の伝説〈三重の知恵のヘルメス〉)[1]。
第1のヘルメスノアの洪水以前にいた神。アダムの孫という。衣服、ピラミッドを作ったという。天文などを研究したという。

第2のヘルメス:ノアの洪水以後のバビロンにいた人。ピタゴラスの師という。医学、数学などに優れる。

第3のヘルメス:エジプトの人。医学者、哲学者。都市計画をしたという。
ヘルメス・トリスメギストスは、エメラルド板やヘルメス文書の著者とされた。また、中世の錬金術師は、賢者の石を手にした唯一の人物と考えていた。


「3倍」の理由 

トリスメギストス(3倍偉大)という記述の起源は明らかではない
ブライアン・P・コーペンヘイヴァーによれば、この名前が最初にみられるのは、紀元前172年、エジプトのメンフィス近くで開かれたトキ崇拝の集まりであるという[2]。
しかし、ガース・ファウデンは、この名前の起源はアテナゴラス(キリスト教弁証家)およびビュブロスのフィロンであると述べている[3]。
そのほかの解釈としては、エスナ神殿にあるトートの称号「偉大なる、偉大なる、偉大なるトート」が元になっているという説がある[4]。
ヘルメス・トリスメギストスが「トリスメギストス」の名を持っている理由の説明としては、エメラルド・タブレットの「全世界の英知の三部門を知る」という記述を根拠にするものがある。
この3つの分野の知識とは、すなわち錬金術・占星術・神働術である[11]。



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