人の足をもむ/階段を踏み外す
人の足をもむ
再び人の足をもむ機会が訪れた。
その記録。
行きつけの美容室で髪の毛を整えてもらいながら話をしていたら足つぼの話になった。
官足法にハマっていることを話したら興味津々だったので、「カラーリングの染まり待ちの時間によければもみますよ」と提案してみたら、どういうものなのか詳しく知りたかったらしく美容師さんの足をもむことになった。
カラーリング中の客が美容師さんの足をもんでいる。
引いて眺めてみるとおもしろい絵だったが、美容師さんがひとりでやっているお店なので自由度は高いのかもしれない。
この日はこの3点セットを持ち歩いていたので、美容室で使っているオイルを借りて足もみをした。
ちょうどカラーリングの時間が15分くらいだったので、左足をもむのにちょうどよかった。
時おり足つぼマッサージに行き、ご自身でも毎日お風呂上りにはオイルを塗ったり軽くマッサージしているそうで、やわらかくてきれいな足だった。
以前何かの足つぼ教室に一度だけ参加したことがあるそうで、グリグリ棒も持っているとのことだったので、自分でもできるようにもむ順番とお困りごとに関連する場所の説明をしたりおもしろポイントを話したりしながらもませてもらった。
手足が冷えている方なためか、わたしの手があったかくて驚いていた。
柔らかい足でざっとさわった感じだと気になるしこりなどはなかったが、最初に腎臓をもんだら衝撃があったみたいで驚いていた。
グリグリ棒の突起部の使い方や足の甲のもみ方、関節部のアプローチの仕方にも驚いていた。
親指、踵まわりや外・内くるぶし周辺、足首から膝にかけての部分が特に痛みが強そうだった。
膝周り特に内膝リンパの滞りが強く、ちょっと手でもんだだけで軽く内出血して腫れてきた。
そこまで痛そうには見えなかったけれど、汗かいたり手足が温かくなってきたそう。
もみだしたときは冷え切っていた足が5分ももんだら温かくなっていた。
左足だけもんだのでその違いが分かりやすかったようで、右足は冷えたままなのに、左足はあったかさがだんだんと左半身全体へと広がっていったそう。
美容師さんには「仕事みたいなことさせちゃってすみません」と言われたけれど、わたしはわたしで足に興味ある人と話せておもしろかったのと、そういう人の足が観察できて楽しい時間だった。
お礼にと米ぬかカイロで目元温めてもらっちゃったし、帰り際にはエコラップまでいただいた。
趣味の足もみをしたら「初めて」が2つもやってきたおもしろい日だった。
階段を踏み外す
美容師さんのやわらかい足をもんだ日の夜に自分の足ももっと柔らかくしたいと思い念入りにもんでから眠った。
その明け方 玄関のチャイムが鳴った気がした。
早朝の電話やチャイムは仕事の非常時の知らせのことが多いため、その日はなぜか明かりをつけないまま急ぎ足で階段を下りて玄関に向かっていた。
どうやら階段の最後の2、3段あたりで踏み外したようで、ぼやっとした意識のなか左半身の腰、肩、頭を打ち床の上に倒れた。
無意識に手すりに触れていたのか、ふしぎと後方ではなく前方に転んだ。
たぶん1分くらい動けなくて、でも「玄関に行かなくては」という気持ちもあって、玄関の扉を開けると誰もいなかった。
時計をみたら4時半だった。
長男の部活の大会があるので5時に起きてお弁当を作る予定だった。
頭と肩の痛みが強かったので、30分ほど布団のなかで体を丸めるように休め、時間どうり送迎を済ませ、帰ってきてからは午後2時ごろまでひたすら眠り続けてしまった。
なぜかいくらでも眠れる状態で、頭や肩、首は痛いのに身体はどんどんゆるんでいくという不思議な感覚を味わった。
夜になると身体は不調なのに、気力はある不思議な状態だった。
翌朝になると、打っていないほうの右肩甲骨下部あたりと首両サイドの胸鎖乳突筋の起始から停止部分まですべて強い痛みが出ていた。
その他には鎖骨に違和感。
それと左腰も打ったため、左股関節にも鈍い痛みが出ていた。
気になって手元にある本で調べてみることにした。
長男の迎えに行ったときに保護者の方と話していてうんうんと相槌を打ったら頭が痛かった。
寝起きするときに首が痛い状態で、官足法は首に負担になりそうでできなかったしもむ気力もなかった。
翌日子どもたちがボルダリングをしている間にお店のコタツで手の反射区をもんでいた。
なんせ2時間もあったので必然的に念入りにもむことになったともいえる。
これまで手の反射区は順番は気にせず気になる部分を気になったときにもんでいたのだけれど、今回は時間もたっぷりあったので足裏をもむときと同じ流れでやることにした。
グリグリ棒で腎臓、尿管、膀胱ともんでいったのだが痛みが強くて驚いた。
指先はグリグリ棒とセラミックで出来ている元気スティックの尖っている部分を使った。
膀胱、下垂体、頭、頸、肩、背骨の部分の反射区の痛みが強かった。
右利きなので左手の方が強くもんでいるはずなのに、右手の膀胱部分の反射区がこんなふうに内出血していた。
この部分は5分ももんでいないのに、1時間後にはこんな状態になっていた。
指を念入りにもんだけれど、見た目の変化は何も起こらず。
翌日も胸鎖乳突筋の痛みはあったものの、柔らかさが出てきていておもしろかった。
暗闇のなか階段を踏み外して壁にも柱にも当たらずに左側前方の開けているスペースの方に転んだのはラッキーだったなといま振り返ってみて思う。
しかも身体側面が下になったため、腰と肩で衝撃を吸収できてよかったのかも。
そもそも4時半に聞こえた玄関のチャイム。
実はここ数年、一年に一度くらいの頻度で起きていて、聞こえた気がしてドアを開けると毎回誰もいない。
これまでは転ばずに玄関まで辿り着けていたのだけれど、今回は初めて怪我をした。
今回踏み外して転び落ち着いてきたあと、じわじわと腹が立ってきたのだけれど、安堵したことからの被害者意識のあらわれだったのだろうか。
「見えない、不安、突然の痛み」の組み合わせから受ける精神的にダメージ(恐怖心)は、なんとなく身体の内側に記憶される気がした。
痛いし多少不自由だが不思議でおもしろい体験となった。
おしまい。
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