身体の内側がざわめき立つそんな本に出会った。
紙の本に触れながら、文章に触れながら何となく読み進めているときに、突然 心臓が飛び出るかと思うほどドキッとしたり、思わず息を止めてしまうくらいハッとするようなひとつの文章に出会うことがある。
「赤い実はじけた」を思い出した。
特に理由は必要ない。
赤い実がはじけた。
はじき飛ばされた先にある場所に飛び込む。
ただそれだけ。
春は別れと出会い、終わりと始まりの季節。
自分のなかの何かが終わり、新たな芽吹きへと形を変えるのかもしれない。
ただ、そこにいる人たち
自分の力で肉を獲る
螺旋
赤い実と赤い鳥
陽のなかにも陰はあって
陰のなかにも陽がある
ただそこに居て、味わうこと
優しいなかにも残酷さがあるように
絶望のなかにも希望はあって
自然は優しさだけではないこと
厳しさだけではないことを教えてくれる。
それらはそのように見ている視点があるだけで、ただ起こるべくして起きているできごとに過ぎない。
「目の前のできごと」をどう捉えるのか。
みんな自由に思い思いの視点でそれを見ている。