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「嫁ぐということ」は色を操ることである

女性は結婚を機に姓を変えることが多いことだろう。
それは生まれ育った家族を離れ
新しい家族の仲間入りすることでもある。
それが田舎で長男ともなれば、色濃く深く関係を築くことになる。

「嫁ぐということ」
それは育った家の当たり前が通用しない世界に
足を踏み入れることだ。


うまくいくか分からないが色えんぴつで例えてみることにする。

私の育った家では、青や緑が好んで使われていたとしよう。
だからといって、嫁ぎ先で私がその色を当たり前に使いだすと
周囲が違和感を感じ、その色は馴染んでいかないのだ。
最初に必要なのは何色を好み、どんな頻度で色をぬるのか観察すること。
そして、自身があつかえる色を見極めること。
たとえ嫁ぎ先が、赤や黄色、橙や紫と多彩な色を使っていたとしても
最初はその中の1色だけ使ってみる。
その使い心地や馴染みかたを体験してみる。
そうやって少しづつ月日をかけながら、使える色を増やしていく。

ふと手元を見てみると、
いつの間にか嫁ぎ先の色ではない
自分たちだけの色を使っていることに気がつくだろう。
最初はたった1色だった。
それが、いつしか様々な色を使うことができるようになり
必要があれば色を重ねて新しい色を生み出すこともできるようになるのだ。

あのとき私が育った家の色、
青や緑を
頑なに握りしめていたらどうなっていただろう。
色を重ねることはできたのだろうか。

嫁ぐことは自分の色を捨てることである。
それは、はたから見ると窮屈で不自由そうに見えるだろう。

だが、月日が流れ色を多彩に使えるようになってくると
嫁ぎ先になかった色を私が使いだしても
拒まず、むしろ受け入れ、喜んでその色を使ってくれることさえある。
育った家では、決められた色の中からしか選べなかったが
嫁ぐことで、いろいろな色を重ねる楽しさを知るのだ。



たぶん今の私なら、
育った家でも色を重ねて楽しむことができるのかもしれない。

年齢を重ねることで内面が豊かになっていくのを感じる。
受け入れられることが増え、無駄に争う必要はないのだなと強く思う。
私の信念に反するごく一部のこと以外だったら、快く手放したいとさえ思う。

これからもっと使える色が増えていくのだろうか。
いや、むしろ使う色を減らしていく時期なのかもしれない。
ほかの誰かが使いたい色と反発しないように
すてきな色合いが生み出せるように
私は淡くそして柔らかな色を使っていこうと思う。


今日もあなたに安らぎと幸福感が訪れますように♪



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