オペラント条件づけ

 オペラント条件づけとは、有機体の自発的な行動のあとに与えられる報酬(正の強化子)によって、その直前の行動の生起頻度が高まる現象である.たとえば、レバーを押すと餌が出てくることを経験したクサガメは、頻繁にレバーを押すようになる.報酬の与えられ方(強化のスケジュール)は、その行動を取ったときには必ず強化される(連続強化)というものではなく、報酬が与えられる場合と与えられない場合が入り混じっていても(部分強化)条件づけは成立する.この機構によって、偶発的に報酬が得られたために行動の生起率が上がること(迷信行動)なども説明可能である.パチンコに人々が群がるのは部分強化のためである.学習には反応と結果との随伴性が重要な役割を果たす.随伴性のない、すなわち、どう反応しても結果のない場合には学習性無力感に陥ることがある.
 古典的条件づけにおいて、有機体は生得的ににもっていた刺激・反応システムに新しい刺激を連合する.これに対してオペラント条件づけでは、目標とする新しい行動に少しでも近い行動を有機体が示したら即座に報酬を与え、報酬を与える行動を最終目標により近いものへと徐々に変化させることにより、有機体に新しい行動を形成することもできる.これをシェイピングという.
 オペラント条件づけによって形成された行動は、結果としての報酬を与えないことで消去できるが、連続強化で獲得された行動よりも部分強化で獲得された行動の方が消去が難しい(消去抵抗が高い).消去の手続きのあと時間が経つと、もとの行動が再び生起するようになることもあり(自然回復)、消去の手続きとは、行動を消去するというよりも、行動の抑制を学習させると考えるほうが理解しやすい.Operant Conditioning, Instrumental conditioning.

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