集合！！

「集合！！！」

今日の営業が終わったと同時に1件のLINEがきた。
こんばんは、京都市北区の占いの館 薄焼きみこです。

グループLINEだ。

ピンク色のトップスに満面の笑みのアイコンが目に飛び込んでくる。
友達のチコリータからだ。

ピンクは好きじゃないと言いながらいつまでたってもアイコンはそのままだ。
本当は好きなんだろう。

「なになに～？」
「おっつー」
「お久しぶりです」
「わーい」
、
、
、
、
内容もまだ書かれてないというのに次々コメントが入ってくる。

皆暇なのだ。
私は話が進むまでしばらく閉店作業をしようと思う。

「チコリータどーしたのー？」
「もしかしてBBQのお誘いとか？」
「おおおおーーー！！」
「『集合！！！』だもんねー」
「絶対そーじゃーーん！！」
「キャンプファイヤーしたーい！」
「肉食べたい！」
「焼きマシュマロ！」
「いつにするー？」
「ゲストハウスしてたよね？泊まれるってこと？」
「確かそのはず！」
「私泊まりー！」
「私もーーー！」
「関西組車で行こーや！」
「えみみ来れるー？」
「3人までやで～」
「いつにしよか！」
「夏がいー」
「私カレー作るわ」
「私お米持っていくわー」
「私梅酒持っていく」
「亀屋億年堂のお饅頭持っていきます」
「僕はありがたき説法を皆様に、、」
「私は1曲アキナを歌わせて頂きます」
「じゃあ私もオペラを2曲！」
「思い出の撮影と編集は僕に任せて～」
「私はLIVE配信するー！」
「あれ君はなびするーーー！！」
「お盆前とかどお？」
「おけ！」
「私もそれぐらいがいー」
「ショコル連れて行っていい？」
「じゃー私もペコ連れてくわー」
「子供連れてっていい？」
「私は旦那に頼めるか聞いてみる」
「じゃ！決まりな！」
「決まりっ！」
「決まりーーー！！」
「楽しみー」
「てかチコリータコメント無いなぁ」
「集合！！！だけやったな」
「チコリータ？」
「チコーー！！！」
「ワカチコーー？」

ピコン

「みんなごめん家族LINEと間違ってた❤️」

かわるがわる展3 短編集
2020.06.23【集合】より