ミッドサマー考察と疑問点

いや〜面白かったですミッドサマー。万人受けはしなさそうだけど…。TRICKとか宮川大輔さんで閉鎖的な村や奇祭慣れしてる日本人ならミッドサマーは大して怖くないよ!というツイートを見掛けたのですがいや全然そんなことは無いだろと思いました。あのノリで鑑賞すると大怪我しますよ!

※ここからめちゃくちゃネタバレしますので、鑑賞済の方もしくはネタバレを気にしない方だけご覧下さい!

ここでは自分なりに考察や映画内の疑問点を書くので解答やご意見を頂けると嬉しいです🙂
あまりにも多すぎるので箇条書きにした所めちゃくちゃ長くなりました。あと初めてnote使うのでめちゃくちゃ読みにくくてすみません。


冒頭の絵について

・この絵自体が映画のネタバレになってます。

・この絵の中でペレがハーメルンの笛吹き男の役になっているのが面白いなと思いました。よく見るとマークも愚か者の帽子被ってる(後々の伏線)しあのアッテステュパンのシーンも描かれているし…。

・1番右側の太陽がすごく気になるんですけどこれは何の象徴なんだろう?確か劇中では1度も太陽そのものは出てこなかったはず。それもなにか関連してる?

・一番左の絵はダニーが両親と妹を一気に亡くした(しかも妹の巻き込み自殺という形で)絶望の冬の場面を表しているのかな。泣き叫ぶダニーと恋人を慰めるふりをしながらこれで俺はこの女から逃げられない、とでもいいたげなような目で観客側を見つめるクリスチャンの目が印象に残っています。あれ本当にクリスチャンの性格を表しているいいシーンだと思います。

・真ん中にダニー、両親と妹から出ている紐が纏わりついている=家族(もしくは故人)に執着している?離れられないという象徴?ただこの骸骨は何なんだろう…。この骸骨から紐が出ているっぽいのでこれは死のメタファーなのかな?

・上の骸骨近くにカラスが2羽描かれている(画像が途切れているためこの画像では1羽しかいないのですが本来は2羽います、すみません💦)のはケルト神話のオーディンの使いのカラスなのでは?という説を見たのですが、この紐を出している骸骨もケルト神話関係のなにかだったりするのかな…。映画の舞台のホルガ村はルーン等北欧の価値観が根強く残っているのでケルト神話関連の物が多かったりするので…。
1番右側の絵でも骸骨と一緒に踊っているけどなんなんだろう?

以下映画を見て思ったことや疑問点


・クリスチャンなんも悪くないのに最後焼かれて可哀想だった😭的なレビューを見たのですが、いや恋人にあんな冷たくしておいてそれはないだろ…と思いました。自業自得とまではいかないかもしれないけど確実に非はあっただろ…!

・ディレクターズカット版ではダニーがこんな村いられない!帰る!と言ってるのに俺は論文書きたいから君だけ帰れ的なことを言ってたり、カットされた夜の儀式(結構ショッキングな内容らしい)を見て情緒不安定になったダニーがクリスチャンと口論になり、その際クリスチャンがダニーにひどい言葉を掛けたらしく、そういうシーンを見るとラストも納得出来るのかな…。
ディレクターズカット版では結構クリスチャンとダニーの関係性が深く描かれているらしいので本当に観たい…。

・クリスチャンは別れたいけど別れて後悔したら〜とか考えてるのがうざいので個人的には結構嫌いなキャラでした(良い意味で)。
ダニーに別れを告げて自分が悪者になる勇気がないくせにずるずる関係を続けるし…ダニーが妹のこと相談してもウザそうにするだけだし…いやダニーにも原因あるとは思うのですが…。

・この作品ではアメリカ人は他の文化をリスペクトしない人種として描かれているみたいな考察見てなるほどと思いました。というのもクリスチャンかマークか誰かがスキンフールに参加しても良いか尋ねたシーンで、『君はアメリカ人だろ、行ってこいよ』みたいなセリフがあって意味がわからなかったのですが、あれは『君はアメリカ人で他人の文化にも土足で踏み込める人種だろ、気にせず行ってこいよ』みたいな意味だったのかな…?それとも単純に英語から日本語に訳す上での齟齬?

・ダニーがメイクイーンになってからの食事 やけにハエらしき不快な羽音が強調されていたのが気になりました。クリスチャンはなぜこんなことを?って聞いたり吐きそうになっているようなシーンがあったので死体かもしくは腐った何かが並んでいた?と思ってたけど特に言及されず終わったのでめちゃくちゃ気になります。気のせい?

・ペレの両親は火事で死んだ的な事言ってたけどラストシーンのように生贄になって死んだ?それとも火事で両親が死に、孤児になったペレが紆余曲折を経て村に来たとか?それともダニーを引き込む(もしくはペレに興味を持たせる)ための嘘?

・明るい事が恐ろしいってキャッチコピーだけどいや絶対明るい事以上に恐ろしいことたくさんあった

・監督は今作では生を黄色、死を青のイメージで設定したらしい 確かに崖から飛び下りる時の死装束青だもんな

・陰毛入りパイを食べる時にクリスチャンのコップがやけに強調されていたこと、そして彼のコップだけ色が違うことが気になってたのですがどうやらマヤが経血を入れていたみたいです。愛のタペストリーに経血を入れる描写あったし。

・ジョシュが殺されるシーンでうわ犯人マークの皮かぶってるじゃんと思ったのですが、それだけじゃなく下半身もマークの皮を巻き付けてたらしいです。気付かなかった(ネクロパンツというらしい) 。
血のワシといい序盤のセリフといいバイキング絡みのこと多いですね。

・ダニーがメイクイーンになって立ったまま担がれるシーンですが、背景の森が妹の死に様(ダクトを付けた人の顔)になってるらしくてこういうサブリミナル的な手法を入れてくるのは流石。

・マヤとの行為が終わって正気になって飛び出したクリスチャンが庭で見た足だけの死体はジョシュのもの
・前述のジョシュの死体にはルーンが刻まれているのですがこのルーンを
ᛞ(ダエグ 人生や輪廻という意味)と考察してる人と
ᛗ(マンナズ 個人や協力の意味)と考察してる人がいたのですが一体どちらが正しいのか。自分はダエグだと思うのですが(死を輪廻のサイクルとしてる村だし、土に埋めて自然の一部にした的な考えかなと)、聖典ルビラダーを盗撮したジョシュは他人の文化を尊重してクリスチャンとも協力してねみたいな意味を込めてマンナズを刻んだのかな…(後者は他の人の考察です)

・コニーの死因は水死らしい ディレクターズカット版にある

・クリスチャンとマヤがセックスするシーン、セックスしないと出られない部屋〜オタクが死ぬほど見たやつ〜wwwと思ったけどあれよく考えたら生殖行為をコケにしすぎでは?
愛も快楽も何も無い種の保存のためのセックスをさせられていることに気持ち悪さを感じました。人間の中の動物性を強調しているいいシーンでした。

・モザイク途中でかかってるの何?最初かかってなかったし乳首丸出しなのはいいんか?って思ってたけどクリスチャンのちんちんに処女喪失の血がついてるらしいからですね。だからモザイクかかってたらしい(ポルノハブにモザイクなしがあるらしくて笑った)

・ダニーがクリスチャンと他の女との性行為を見て村の女たち泣くシーンですがあれはダニーの真似してる?だけで共感や理解自体はしてない気がします。クリスチャンのダニーに対する態度もそうですが上辺だけというか…。Twitterにも書きましたが、ここが人間の嫌な所を描いているなと思いました。

・前述した泣くシーン、あれは泣いてるというか鳴いてると表記した方が個人的にはしっくり来ました。どことなく動物的というか…。共感も理解もなく反射でただ全員で鳴いてるような…。
上手く言えないのですが哲学的ゾンビや伊藤計劃のハーモニーのラストのような人間(?)のような…。
そもそも監督自身がラストで『ダニーは完全に自己を失い自由を得た それは恐ろしくもあり美しくもある』って言ってたらしいのですが、これってつまり人間を人間たらしめる自我を失った、つまり完全な動物になったってことなのかな〜人間の中の動物性を肯定した結果ホルガというコミューンが出来たみたいな。

・作中の拍手が全て手話だったのが気になるというのを見てなるほどなと思いました。
意図的に障害を抱えた人を生み出しているから耳が聞こえない人がいてもおかしくないですし。でもそれよりも拍手で幻覚から覚めるから(食事中のクリスチャンのように)音を出さないようにしてるって方がしっくりくる?

・意図的に障害を抱えた人を産んでいるというのが嘘かもしれないですよねそもそも。
あの村嘘だらけだと思うんですよね…90年に1度の儀式の割にはメイクイーンの写真多いですし(メイクイーン決める儀式は割と頻繁にやっているのか?色々な儀式が重なるのが90年に1度ってだけでその他の儀式は頻繁にしている?)、結構信用ならないというか。、
あの司祭みたいなおばあさんの家族(子供だったり孫だったり)がルビンで、彼の居場所を作るためにあの村が出来たりとか?

・ホルガは新興宗教という説とマジで古くからある(新興宗教は独自の言語を作ることが多いけどホルガは英語喋れる人がいたり積極的に外を受けいれているからガチで昔からあるのかもという説)どちらもあって怖い

・メイクイーン決めるダンスの時ダニーがスウェーデン語が分かった〜!って同族意識を持ち始めた(幻覚?)時に他の人が倒れてダニーがメイクイーンになったのが気になる。あれは本当に倒れたのか?ダニーを村に引き込むために仕組まれていたのでは?

・ダニーがホルガで誕生日迎える描写がありましたがあれは単純に自分の誕生日忘れてる彼氏!絵のプレゼントをくれるペレ!を描きたかっただけなのかなと思ったのですが、ホルガで誕生日を迎える=新しく自分が生まれ変わるという隠喩なのか?

・メイクイーンの写真が90年に1度にしては多い割に元メイクイーンが出てこなかったのが不思議。単純に描く必要が無かっただけなのかもしれないですが…。もしかしてダニーも何らかの理由で殺される?

・ペレがダニーとクリスチャンを引き離そうとしてるのは恋心か?それとも何らかの理由で村に必要だったから?ペレがダニーの家族を殺したみたいな説見てなんとなく納得してしまった

・メイクイーンになった女性は村の男たちとセックスしまくって子を残すみたいな裏設定ないですよね…?外部からの血を取り入れるって言ってたし…女王アリ的な…
だからペレはあんなにダニーに執着していた?

・崖から飛び降りる老人たちは死は名誉なことだと言っていたけど最後に自ら生贄に志願した村人たちは恐怖や痛みで泣き叫んでいたし結局の所それはホルガ村の都合の良い嘘で、(少なくとも燃やされた人達にとっては)死は名誉なことでも救済ですらなかったのかな…。というかイチイの毒効いてないじゃん!

・あの崖から飛び降りるのって要は姥捨だしコミューンを存続させるために色々宗教的にこじつけて合理的に人を処理している(間引いている)だけな気がする。輪廻がどうとかは建前で…。最後の生贄ガチャとかも結構人として非情だとは思うのですが運命という言葉で綺麗に片付けることが出来るし。

・生贄を燃やす時に司祭?が『最も罪深き感情よ!』みたいなことを言っていたので最も罪深き感情…🤔⁉️と色々考えたのですがあれは執着心のことを指していたのかな…と。家族のことや彼氏に執着(依存)していたダニーがラストで笑ったのは彼氏を燃やすことで執着心を断ち切ったということなのかな…。
結構ここはあやふやなので今度また観に行った時にまた考察したいと思います!

・ホルガ村の資金源は何なんだろう。ペレを大学に行かせてる訳だからある程度お金は必要だろうし…。やっぱり薬物かな?

・メイポールってちんちんのことなんだ!

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