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ヤップ島のストーンマネー(石貨)

ヤップ島をイメージすると最初に頭に浮かぶのはこの石貨かと思います。そして、この現代社会に石のお金を用いているなんて凄い島もあるもんだな~と時代がタイムスリップした感じをこの島に持たれると思います。しかし、日常の生活では、ヤップの方々はキャッシュ(米ドル)を用いてますし、車にも乗ってますし、インターネットだってちゃんと通じる我々と同様の生活をおくる島です。車のナンバーにだって、この石貨がデザインされているんですね!なんか格好よく思いませんか。写真参照下さい。

それではどのような時にこの石貨は利用されているんでしょう・・・。石貨にはそれぞれに様々なストーリーがあります。例えば、パラオから切り出してヤップ島まで持ってくるときにどれだけ大変な苦労があったりですとか、代々語り継がれてきたこの石の意味合いでその価値が決まるようです。

土地を買ったり、お嫁さんに来てもらったり(結納の様なイメージでしょうか・・・)、村同士の争いがあった時ですとか、この石貨を用いるようです。例えば感謝の気持ちや喜びを表す手段として。また、本当に申し訳ないという謝罪の示す手段として、この代々の宝物の石貨に免じて・・・などのように、どれだけの気持ちを持っているかをこの石貨の価値で表現をしている様です。

我々から見ると石貨はペバイ(集会場)に置かれているだけで、所有者は誰なのかも分らないし、もちろんその価値もどれほどのものなのかも皆目見当も付きません。喜怒哀楽をどれくらいと計るものなど無いのですが、きっとこの石貨というヤップ人皆の心に沁み込んでいる価値観を以ってそれらの気持ちを表現し、そしてヤップ社会が成り立っているんだと思います。

一方で、その石貨を受ける方もその価値を十分に理解をしていないと意味が無いですから、きっとペバイ等の集会場という皆が集まる所はこの様な価値や意味合いを伝え聞かせるのに、とても大切な場所なのだと再認識します。

その他で石貨以外にも同様の価値として真珠貝などもあるようです。よく、石貨銀行という言葉を耳にすると思います。石貨があるところに1つにまとまって集まっていることから石貨銀行と表現されたようですが、これは外国人が呼び始めたのが始まりのようでヤップの方が用いた表現では無いとの事ですよ。余談までに・・・。次ページへ続く

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