2023小説同人誌装丁まとめ
2023年に発行した小説同人誌の装丁まとめです。今年は発行冊数がわりとあったことと、少しずつ本の作成にも慣れてきたのでまとめてみました。
※こちらの記事は同人・二次創作の要素を含みます。
とうめいなあおいろ
学生時代の若いふたりをテーマに書いた本でした。「透明」と「青」という色に関するタイトルだったことと、若いふたりの移り変わる心情を表したくてグラデーションの印刷の上に半透明のパール箔を押してもらいました。初めての箔押しです。キラキラしています。
印刷所さんからは印刷と箔の位置がズレるかもしれないと連絡をいただいたのですが、まあ半透明だしズレてもかわいいかなと思いそのままお願いしました。結果、ズレもほとんどなくイメージ通りに仕上げてもらえたので良かったです。
表紙には新星物語を使用。以前新星物語のほかの色を遊び紙に使ったことがあり、キラキラのフレークが入っているのがとてもかわいいなと思って気に入っていたので、表紙でも使ってみました。高校時代の青春のきらめきのような……なんかそんな感じをイメージして選びました。
この眠りから、さめるときまで
真っ白な本にしたかったので、パール紙に透明箔と空押しのみの本です。作中に出てくる白い日記帳のイメージで、きらびきHGほそぎぬという布の織り目のような紙を表紙に使いました。シンプルですが箔押しと空押しどちらもしていて結構盛っています。
カプの片方が原作の現在の軸でずっと不在なので、不在のイメージで空押しを選びました。そして透明箔は確かにあるのに見えない恋心をイメージ。表紙のカプの名前をそれぞれ空押しと透明箔とで変えています。
が、透明箔と空押しって範囲狭いと違いよくわからないな…と出来上がりを見て気づきました。よく考えたらそうなるに決まっていた。正直、もったいなかったかも、どっちもする必要なかったかも…と少し落ち込んだのですが、上記のような意味を込めていたのでまあいいかと思いました。
あと、本を開いてみたら表2に空押しをしたカプの片方の名前が浮かび上がっていて、期待してた効果ではなかったのですが、話の内容にぴったりの演出?になり…。それだけでもう空押しもして良かったなあと思えたので、結果オーライです。
遊び紙は上質紙の黒を前後に挟み、映画の始まりと終わりのようなイメージにしました。
夏よ、青の中で踊れ
真っ青な文庫本です。高校生カプなので、学校に置いてあるような文庫本のイメージで作りました。読むうちに少し折れたり、角がすり減ったり、学級文庫の本のような質感になったりしたらいいなと思ってPP加工はしませんでした。耐久性を優先して欲しいという意見もあるかもしれませんが、そこは味を楽しんでもらうということで…。
タイトルにちなみ、遊び紙をアートドリープリズム、本文を黒藍で刷っています。
本文の紙は嵩高のものを選びました。がっしりした作りにしたかったのと、背表紙に文字を入れたかったからです。漫画でよく使われる紙なのですが、ガサガサした質感と色刷りの相性が良く、かわいかったです。
今回初めて背表紙にタイトルを入れてみたのですが、すごくかわいくて気に入りました。分厚い本を作ることがそんなにないのですが、今後機会があればまたやりたいです。
lost summer day dreaming
湖のそばの森が舞台の話だったので、表紙や装丁もそんなイメージです。表紙の紙はマーメイドで波打つ様子を、ウォーターセレクト箔で実際に波を表現しました。
遊び紙はシープスキン。霧のようで、森の中の話だったので合うかなと思い選びました。
ウォーターセレクト箔はいつか絶対使いたいと思っていたので使えて嬉しかったです。本当にかわいい。
メロウ・デイズ
webに載せていた話をまとめた再録本です。装丁を考えるときは基本その物語に合わせて決めたいと思っていますが、再録本はいろんな話が入っているので逆に何にも縛られず考えることができました。
ちょうど紙見本でミランダの黒を取り寄せたときで、キラキラのラメと触ったときの質感がとても気に入って決めたのですが、印刷所に黒がなく、あいを選びました。結果黒よりあいのほうが合っていたなと思うので、良かったです。
初めての白印刷指定だったのでドキドキしてましたが、なんとかなりました。
そして初めての角丸。すごくかわいい。ある程度厚みがある方がかわいいかなと思ったので今回やってみました。優しい雰囲気の本になるといいなと思っていたので、それにも合っています。お気に入りです。
最果ての惑星
イベントの20日前に原作の最新話でカプに関する大変重要な出来事があり、この気持ちを忘れないように形にしておこう…!と思って急いで作った本です。
表紙のOKミューズパールはずっと使いたいと思っていて、今回イメージに合ったので使いました。記憶に靄がかかっていくような、そんなイメージです。
本文用紙にはタブロを使いました。新聞紙のような感じの紙で、話の内容的に彩度を下げたかったので選びました。
潮騒を結う
話に合わせ、「海」と「つながり」をイメージして装丁を考えました。箔押しはリフレックス透明箔なのですが、細すぎてパッと見あまりよくわかりません。でも傾けると微かに虹色に光ってかわいい。
つながっている、というイメージで遊び紙は糸が織りこまれているてまり金・銀を選びました。1冊ずつ違うデザインなのが素敵です。
以上、今年出した本は7冊でした。だいたいが薄い本ですが、それでもたくさん出したな〜と思います。
自分で装丁を考えるとどうしても好みが偏ってしまい、振り返ると白色と青色のシンプルな本ばかりになってしまっていました…。デザイナーさんにお願いするのも楽しそうだなとは思うのですが、装丁を考えるのが本を作る時間の中でもかなり好きな部分なので、もうしばらくは自分でやりたいなと思っています。来年はもう少しカラフルな色味の…例えばピンクとか…なんかそんな感じの本を出したいです。