"僕が孤独だと感じるなら、 きっとこの星も孤独だと感じるのだろう。" 目の前には宝石の欠片のような小さな星が、壮大な暗黒の闇にまぶされたように散らばっている。 温度も何も無い、ゴツゴツした地面にほっぺたをつけて今日も君の声を聞こうとする。 「何も…分からないね。」 どうして僕はこの場所にいるのか、何も分からない。ただ一つだけ分かるとするなら、このどこまでも続く真っ暗な空間の中で存在する僕と君のことだけ。 君は大きくまあるい球体で、僕をただ乗せている。 僕は
その思い出は目を閉じてしまいそうになるくらい眩しくて、それでもあの熱さに触れたいと幾度となく手を伸ばしてしまう。 光を放つあの青は、雲ひとつ無い空間に穏やかに寝転んでいる。 私はその余裕そうな空と、真っ白なTシャツに太陽を乗せて走るあいつが少し嫌いだった。 まつげの隙間から射す光は私の全てを露呈してしまうように思えた。 自転車を走らせる。いつの間にか冷えた汗が私を苛立たせた。 「夏なんて、嫌い」 私が放ったその言葉にあいつは訝しげに首を傾げた。近くの木から徐に蝉を剥がす
触っているのは多分、木のテーブルですべすべしていて時にがたがたしている。 窓があるであろう方向に顔を向けると、瞼の中心からじわじわ暖かい光が広がっていく。 赤く赤く、熱く熱く。 きっと今空はとても晴れていて、美しいのだろう。 次第に眠気が襲ってくる。僕は木のテーブルに頭を委ねて、優しい自然の匂いを嗅ぎながら眠りについた。 僕の大好きな時間がやってくる。 落ちて落ちてそして浮かぶ。 そこには、綺麗な星たちも僕と一緒に浮かんでいる。 ゆっくりと体が下の方へ降りていく。 ぺた
朝方の駅のホーム。 その日、初めて浴びるほんの少しの暖かい光に全身が吸い込まれてゆく。息を吸うと冷たい空気が鼻の奥をつん、と刺す。 ほんのり赤くなった指先を撫でながら、同時に冬を感じる。 今世の中のどれくらいの人が、この優しい季節の姿を見ているのだろう。 青い絵の具を、水で広げた様な平べったい空。 さらさらとした土の匂い。まだ自分の色を知らない、春を待つ花。 この景色を素敵だと思うほどに、残酷な地獄が見え隠れする。 電車に乗り込むとぬるくなった軽い風が服の隙間にすうっと入