パンのみみ、必要なもの

パンのみみは硬い。ピザの端っこも硬い。フランスパンはそもそも硬い。だから食べなかったりする。「柿の種」も硬い。歌舞伎揚げも硬い。アーモンドチョコも硬い。けれど、その歯ごたえが好きで、よく食べる。けっきょく好き嫌いなんて、そんなもんだ、と言ってみたりする。何が言いたいわけではないが、好き嫌いなんてものは、何がきっかけかわからないものだったりする。好きな女の子は、その何が好きなのかは、その人それぞれだし、好きなテレビ番組の何が好きなのかは、その番組ごとだったりする。その中で、ブレない何かがあれば、それが、自分の「好き」だったりするのかもしれない。でも、手に入るもの、手にすることができたものは、それから、少し外れていたりする、往々にして。誰かが言っていた。欲しいものは手に入らなかったけれど、必要なものは手に入った、と。それが本当かどうかはその人にしかわからない。そういう後付けの理由かもしれない。ただ、そもそも欲しいものが、そのものによって変わるようなら、欲しいものと、必要なものは違っているのかもしれない。といっても、必要なものが何かは、前もっては分からないのだけれど。手に入って、ああ、これだったなと思えれば、そうなのかもしれない。それが、たとえ、後付けの理由であっても。