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#51 悩める人間

All things come to those who wait
日本にも多くの類似した表現がある
果報は寝て待てという諺がある 出来るだけの努力したあかつきには、良いことは待つ者のところに訪れるということ
人事を尽くして天命を待つ 自分ができることは最善を尽くして、結果は運命に任せるという意味
待てば海路の日和あり たとえ悪いことが続いていても、待っていればいい日がやってくるという意味である 
この3者のベースには頑張りや努力がある
しかし「棚から牡丹餅」という似たような諺もある 大きな苦労をせずに、幸運を手に入れることを例えている そこには努力や頑張りの影は薄く、単に待つ姿勢と運の色彩が強い
今回は頑張りと努力について考える
漸進法で進める

1。ニーチェは「いったん選んだ道に関して頑張る人は多い 目標に関してそうする人は少ない」と言う
2。頑張り、について分析的な見解であるが、その必要はないのでは 頑張りは頑張りである 頑張りは金看板だ
3。努力を金看板と考えるべきだ 努力と頑張りは違うものと思う 努力は客観的である 頑張りは主観的である 努力の方が高い次元である
4。努力はきちんとした目標設定と、それに向かう計画が不可欠だ 
知性(情報)を集めて、目標設定をし、決断が加わり行動に移るという手順になる しかし、その過程での感情の高まりや頑張りも織り込まれているのであり、主観的な部分もある
5。別の見方をしたい 努力は目的に向かうのであり、向上心につながっている 心地の良い響きがある 頑張りは、目的は特に必要としない 逆境に耐えて、我慢をする意味合いが強い 重い気分にもなる
6。どちらも金看板だ
7。頑張りに関してはそうとは言え無い うつ病の患者や認知症で病んでいる人には言わないほうが良い 頑張れ無い病気もある 頑張ろうコールは逆効果なのだ むしろその様な人には棚からぼたもちの様な気分になって欲しい 周囲は頑張れと言う代わりに、褒めたり、励ましの言葉がふさわしい
8。努力を強いるのはどうなのだろう これも逆効果になることもある  
9。逆効果のケースは?
10。目標設定に不備がある場合に、徒労に終わる 努力すればする程、ジレンマに陥ってゆく 実現可能性のない、夢物語のような目標を立てると挫折する
目標設定の際に発生型と設定型に分類するのが一般的である
発生型目標とは、すでに発生している課題や問題の解決や解消をゴールとする 現状をマイナスと考え、マイナスをゼロ地点に戻すイメージ
設定型目標は、現在の状況を元に個人が自発的に設定する目標を指す
現状をゼロとする地点からプラスに持っていく 
後者は目標設定は青天井であり、自由度があり過ぎて、適切なものに絞り込む操作が必要となる。先の夢物語からモチベーションの上がらないような夢のない目標まで色々あるわけだ だから、適切な目標設定は生易しいことではない
11。そうなると、目標設定の不確実性や煩雑さから逃避したくなる 努力なしで、上手に生きてゆく方法はないのだろうか!
12。棚からぼたもちしか無い
13。 それは上手に生きてゆくとは言えないし、その可能性を期待することはまさに夢物語である
14。 確率を考えていけば、努力も頑張りも気にしないで生きれるのではないだろうか!
15。 そもそも努力とか頑張りに0ベースで向かい合う時代なのかもしれない 平安時代あたりではそのような言葉はあまり一般的ではなかったようだ それほど重要なものとは思われていなかったはずだ しかし、戦いに明け暮れる戦国時代や江戸時代にはこれらは輝き始める。富国強兵を謳う明治時代から戦前まで、更に戦後復興の時代にはそれらに磨きがかかる 半世紀前には努力や頑張りを金科玉条のように掲げていた
頑張り、努力して、有名大学に入学、立身出世して、更には配偶者にも恵まれると言う時代でもあった 昭和はそんな雰囲気が満ち満ちていた
16。それは現在でも似たり寄ったりでは無いのか 「昭和だなー」なんて言えるほど進んでいない!
17。だがその様な頑張り、努力のもたらす神話は薄れ始めている 学歴はマウンティングの一種と受け止められ始めた 政治家になり赤絨毯を踏み締むのは虚勢であり虚栄であると言う意見が増えているし、自分の全てが公衆に晒されるのはゴメンだと言う感覚も、この頃の政治スキャンダルから浮かんでくる 出会いから結婚の過程も、一昔とは様変わりしている なになに大学卒業などという肩書きも含めて、マッチングアプリはその過程を簡略化している 昭和と比べるとパートナーは容易に見つかる
18。だが、金持ちになりたいと言う気持ちはそのまま継続しているのでは無いだろうか
19。そこで、金持ちになるには努力や頑張りはどのくらい重要性があるのかと言う話に戻る。日本人は一生懸命努力して、貯金して、相対的には資産を減らし、実質賃金の低下に甘んじて来た 岸田政権は積極的に個人レベルでの投資を促している 貯金から投資へとパラダイムシフトを進めている
20。日本人の努力をそんなに軽く考えない方が良い。たとえ個人資産に注目したとしても、努力や頑張りは価値のあるものだ。「昭和だなー』などと言うのはけしからん!
21。それらが価値がないと言うのではない ある程度の資産形成には努力と我慢と頑張りが必要であろう そのために、ニイサなどの金融商品が登場しており、多くの若者が興味を持っている 言いたいことは努力や頑張だけを強調するのではなくて、人生は多くのファクターの絡み合いであるとして、広い視野でバランスを考慮して、確率的に幸福への道を模索してゆくべきと言うことなのだ これって、実を言えば、理性的な生き方そのものである

時代の流れに棹さすつもりで書きました。


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