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【反田恭平】2022.5/15 京都コンサートホール「反田恭平&Friend」感想

Solistiade Presents
2022反田恭平&Friend(東京)
<出演>
反田恭平(指揮・ピアノ)
務川慧悟
ジャパン・ナショナル・オーケストラ
関西学生の有志によるメンバー
<プログラム>
モーツァルト:歌劇「魔笛」より序曲
🔸「JNOを振ってみる!」企画
ブラームス/ハンガリー舞曲第5番
モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジーク
★反田さんソロ★
ショパン/マズルカ風ロンド
      ラルゴ
      英雄ポロネーズ
★反田さん×務川さん連弾★
ブラームス/ハンガリー舞曲 第1番,第2番,第5番

シューマン/ ピアノ協奏曲イ短調Op.54
(指揮:反田恭平 pf:務川慧悟)
💌EC💌
ドビュッシー/前奏曲第2巻より「花火」


★オーケストラの印象★
JNO。結構な特別編成。
東京も京都もいつもとは違う仲間、そして世界レベルのピアニストとの演奏体験。お久しぶり、はじめましての中で、それぞれみなさん得がたい経験ができたのだろうと思うと尊いです🙏

今回はヴァイオリンが圧倒的パワフルで情熱的で、オケ全体の表現を牽引していました。
金管群はキメのところはビシッとハマりましたが伴奏のミストーンで気になったところも😅💦
木管群はオーボエ3本編成に驚き、クラリネットソロの方の温かな音色、全体の中での役割の正確さに思わず名前を確認‼️中舘壮志さん🥰
あとチェロの山梨浩子さんがニッコニコで演奏してらしたのも印象的でした。桐朋繋がりの方のようです。ファゴットも草野雅行さん、河野星さんがとても情感豊かに吹いてらっしゃいました🥰

学生さんもいたからかチューニングは少し時間がかかっていました。0.5秒以内には基準まで持っていって欲しい。

★反田さんの指揮のすさまじい上達ぶり😆★
反田さんの指揮が2ヶ月前より数段に上達されていて驚きました。動きがとても精選されました。「ここぞ」というポイントを押さえる。それ以外の動きを減らせるまで減らす。それによって指揮者の意図がより伝わるように🥰
あと、1拍目休符の空間打点が以前よりハッキリしていたり(筋肉の使い方レッスンの賜物‼️)、余裕を持って先行した指示を出されるようになっていました。
後ろ姿でしたが、きっと顔の表情や口の動きブレスなどでの指示も、より豊かになられたのだろうと感じました🥰

★JNOを振ってみるコーナー★
これはこんなに楽しい企画だったのかと、とても楽しませてもらいました。客席側も、指揮者の方をみんなで応援したり、感心したり。自分が振っていなくても他人事ではない‼️😆
何より個性豊かな指揮者の方々のおかげで、いろんな演奏が聴けてお得感満載でした。

★反田さんピアノソロ★
これまで反田さんのソロは2階か1階後方でしか聴いたことがなく、今回は1階前列だったため、反田さんのピアノの音の印象が変わったらイヤだなという不安がありました。
しかし、それはまったくの杞憂でした‼️
逆に、また不思議な体験を😳
目の前のピアノから聞こえてくる音と、2階席で聴いた時のような、直接脳に感情が伝わってくるような感覚が同時にありました。目の前にいる人と電話で話している時のような。直接聞こえる音と「感じる音」が違和感なく同時にありました。
ピアノから聞こえる直接の音を聴くと反田さんのペダリングの妙をハッキリ感じることができました。どの瞬間の音もまったく「濁る」ということがありませんでした。
平均律というピアノの宿命である和音の「うねり」も、うねりの最初の山がくる前にスッと消してらっしゃいました。いったん出した音を手元で変化させることは不可能なので、おそらくペダルの操作に秘密があるのだと思います😎

「マズルカ風ロンド」
配信で何度も聴いた曲ですが生で聴くとものすごい立体感‼️Aの楽譜がBのように聞こえる‼️

A
B
B

完全に3次元‼️
ユニゾンからオクターブになる時に、そのまま音が重なるのではなく、声部が増える感じ。(これを伝えたいがためにBの画像を作るのに半日がかり😂) 
演奏に入られる前に、反田さんが「何度も同じフレーズが繰り返し出てくる中で、それをどのように工夫して組み立てていくかが演奏者の課題」とおっしゃっていましたが、強弱や速度の緩急、音色を変化させるとともに、この立体感の奥行きまで変化することによって、最初から最後までずっと新鮮な気持ちで聴いていられました。というかずっと「え!?」「うわ〜😍」の連続で感情忙しく聴かせていただきました。

「ラルゴ」
私のイメージよりやや強く始まりました。近くで聴くとイメージが違うのかな?と思ったとたん最弱音に😳
静かに、心の内側のとても深いところから湧き上がり、そっとそっと、でも強く希求する平和への祈りでした。

「英雄ポロネーズ」
奏者によってこんなにイメージが変わる曲もないと思っていますが、反田さんの英ポロはいつも「ここにこう来て欲しい」がハズレたことがないです。反田さん自身毎回まったく同じように弾いてはいなのに、感覚がそれはそれは気持ちよくハマります。
ずーっと上がって上がって上がっていって、ここ‼️

の" ため "フェチです🥰右手と左手のタイミングをほんの少ーーーーし、ずらすのがなんとも言えません😍💕この曲も他の方の演奏を聞くと、音の粒をクリアに弾くことがどんなに難しいかわかります。反田さんの音には一点の濁りもなく装飾音の1粒さえクリアです🌟左手オクターブが続く部分の、途中でペダルを入れてぶわーっと水彩絵の具が広がるようになるところも好きです。ブリッジ部分(←正式名称不明)の、夢のまどろみのような反田さん極上のpの部分。そして反田さんの内声フェチとしては↓ここの下降ラインが、もうもうたまらんのです😍

好きなところがあり過ぎて困ります☺️

務川くん。と、そりた☺︎の連弾★
務川さんのピアノの音はとても冷たく澄み切った上流の水。ゴツゴツとした岩をものともしない強さもあります。また、針の穴を狙うような精度です。
反田さんのピアノの音はすべてを包容する温かな海。小さな生き物から大きな生き物まで共存しています。時には大きく荒れますが、そのおかげで海はますます豊かさを増します。
こんなに違う2人の音がピッタリ合うのは、魂が呼応するのでしょうか☺️
楽曲や作者へのリスペクトと信頼、「務川くん。」と「そりた☺︎」へのリスペクトと信頼が音楽を高め合う連弾でした。ずっと聴いていたいな、と思う時間でした🥰

★シューマン ピアノ協奏曲★
私は務川さんのあの切れ味鋭い刃物のような入りから始まるのかな?と思ったら、終始、ずっと想像より柔らかくて驚きました。聞く座席にもよるのでしょうが、私が聴いたいろんな音源より、ピアノがよりオケの一部のように感じました。ピアノ協奏曲だけどもっとピアノだけ浮いてなくていいのかな、と思うほどでした。
弦楽器が4分音符スラーから8分音符に。ピアノが16分音符で一緒にうねりを作っているところ、本当に素敵でした。山が大きくなるところで長調に変わるところもそのグラデーションが「感情」となり見事でした。
管楽器とピアノの呼応も本当に素敵でした‼️
これは務川さんの力でもあり、指揮者である反田さんがこの曲のピアノを知り尽くしている、というのも大きいでしょう。ソリストがこれほど安心して委ねられる指揮者がいましょうか🥰
反田✕務川さんのシューマンのピアノ協奏曲。せつないとも甘いとも少し違う。胸にギュッと迫る深みがありました👏👏👏

アンコールで務川さん、ドビュッシーの「花火」。こちらは言葉を無くしました。グリッサンドさえも1音1音針の穴を通すような、これぞ務川さん‼️これぞフランス‼️これぞドビュッシー‼️という真骨頂でした。
一瞬にして「花火」の世界に連れて行かれ、曲が終わった後、この空間を拍手で破るのがもったいないと思うほどでした。素晴らしかった‼️😆😆😆

★終わりに★
初めての京都コンサートホールに、たどり着くのも、帰るのも大パニックで、大の大人が電車の中で泣きべそかいてましたが😅、24時間TVのマラソンかのごとくたくさんの方に応援していただいたことも忘れません。その節はありがとうございました🙇‍♀
本当に盛りだくさんのコンサートでした‼️
ここまでお読みくださった方。ありがとうございました🥰🙏

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