檜垣立哉「レヴィ=ストロースの哲学的文脈」(『構造と自然』所収)におけるいくつかの論点
・サルトルの『弁証法的理性批判』との対比
「人間中心主義者」サルトルとその弁証法的理性による革命への志向に対比されて、レヴィ=ストロースは「非人間中心主義者」、人間の「溶解」を語る論者となっている。人間の溶解とは、
これは、図式としてそのまま『構造人類学』における歴史学と人類学の区分に、そして『今日のトーテミスム』におけるベルクソンについての議論と「同型」であるとされる。
・ ドゥルーズによるレヴィ=ストロース読解について
ドゥルーズはレヴィ=ストロースをラカンと並行的にとらえており、「隠喩」と「換喩」という主題、そして「マナ」=「浮遊するシュニフィアン」という主題について論じるとされる。
檜垣立哉のこの文章は、ドゥルーズのいささか難解なテクストの理解には良い補助線のように思うし、レヴィ=ストロースの初期作を読む際に、「出来事」と「構造」、「通時」と「共時」というラインで読むという方向性を与えてくれた。