レヴィ=ストロースについてのメモ2
ヤコブソン『音と意味についての六章』
レヴィ=ストロースは、本書の序文の中で、ヤコブソンのいう音素という概念が、いかに自分の神話素という概念にパラフレーズされていったかを説明している。
ヤコブソンは前半で「音素」が、それ自体は示差的で消極的であり、記号ではない(置き換えるものがない)が、そこから意味を生み出すものであるその特異性を説明している。
そして後半、ソシュールの言語についての考え、「言語はリニアルである」そして「言語は恣意的である」を批判している。
リニアルについては、音素が関係、結合的であるということによって、その線条性が否定される。恣意性については、そのような関係性の中で音が決定されるが故に、言語は恣意的ではない。
この音素の捉え方は確かにレヴィ=ストロースの立てた「構造」概念と対応しているようだ。