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ブルーエコノミーって何?オーシャンエコノミーとの違いって?

SDGs(持続可能な開発目標)の 17 のゴールのうち、「好きだから」という理由で貢献したいゴールに選ばれることが最も多いのは、「目標 14:海の豊かさを守ろう」なのだそうです(注1)。

その気持ち、よくわかります。このnoteも海に関する内容がやたらと多いのですが、今回も海に関する話題を。テーマは「ブルーエコノミー」です。


1,そもそもブルーエコノミーって何?


日経記事内の説明では、ブルーエコノミーとは「海洋資源の保全と活用を両立させる」こと。世界銀行の定義は「「経済成長、社会的包摂、生活の改善の保全と同時に海洋や沿岸域の環境的な持続可能性の確保」を推進する、と定義しているのだそうです(注2)。


つまり、ブルーエコノミーとはグリーンエコノミーの”海”版だと考えればそう大きく外れることはなさそうです。


2,オーシャンエコノミーとはどう違う?


ブルーエコノミーとよく似た言葉に「オーシャンエコノミー」があります。この2つは同じものを指しているのかと思いきや、違いがあるようです。

文末の(注2)に掲載した資料の図解と説明がわかりやすかったので、のせておきます。

オーシャン/マリンエコノミーとは前者の使用価値のみを含み、ブルーエコノミーは非利用価値も含める。利用価値(特に直接利用価値)は多くの場合市場が存在し、その財の金銭的な価値は明らかである。しかし非利用価値はま
だ市場が存在せず、その価値がわからない。つまりブルーエコノミーには、今は市場がなく価値はわからないが、生態系の保護によって生じる魚の生育場としての機能や、将来世代の消費できる財も価値として存在する。

なるほど!だから日経の定義では「海洋資源の保全と活用を両立させる」こととなっていたのですね。


3,ブルーエコノミーは成長分野


SDGs「目標 14:海の豊かさを守ろう」から発想すると、私などはつい海を守ることだけに目が向いてしまうのですが、ブルーエコノミーの文脈では「成長分野」としての語られ方が主体となっているようです。

文末の注1に掲載した資料によれば:

  • OECD では、科学技術・イノベーション理事会が 2016 年に「The Ocean Economy in2030」を発表し、海洋経済関連の市場規模が 2030 年には2010 年の 2 倍の 3 兆ドルを超すと推計。年平均成長率が特に高いと期待されたのは、洋上風力発電、水産加工、海面養殖。

  • EU は海洋が持つ可能性や潜在能力を掘り起こし、さらなる技術革新と持続的成長(ブルー成長 Blue growth)を目指す。雇用の大半は、「水産業」「化石燃料採掘業」「海運および港湾業」などだが、EU は成熟した分野や従来の方法に頼るのではなく、新たな技術動向などを革新的に学習し適応することで強いブルーエコノミーを達成できる、とする。並行して投資を進めており、2020 年 12 月には欧州委員会と欧州投資基金による「BlueInvest Fund」の立ち上げを発表し、2021 年 1 月には 45 百万ユーロを 2 つの民間ファンドに投資することを表明。


4,「サステナブル・ブルーエコノミー」へ


上述のように「成長」一辺倒でブルーエコノミーが語るのではなく、海と人間の関係を持続可能なものにする活動(サステナブル・ブルーエコノミー)を把握しようと試みているのが、(注1)に記載した日本総合研究所 創発戦略センターの論文です。

彼らは海を中心に、海に対して“ネガティブを減らす”または”ポジティブを増やす”分野を「ブルーインパクト分野」と呼び、一覧表にまとめています。


そして、これらを経済・産業の側から整理した「サステナブル・ブルーインダストリー」も一覧にしています。


こうしてみると「サステナブル・ブルーインダストリー」は本当に多岐にわたるのですね。



サステナビリティ分野を学び始めた私の「1000日連続note更新への挑戦」、28日目(Day28)です。連続1カ月の記念日が見えてきました。飽き性の私にしては快挙です。

仕事や勉強や家事、その他にもあれやこれやとあってなかなか思うように時間がとれないのが悩みですが、ほんの少しでも学んだことをアウトプットして、なんとか1日1noteだけは続けて行きたいと思います。

それではまた明日。


(注1)出典:日本総合研究所 創発戦略センター「サステナブル・ブルーエコノミー」(2022年11月)
(注2)出典:公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所 研究員 田中元「ブルーエコノミーの定義と評価手法―オーシャン/マリンエコノミーとの違いに注目して―


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