石油とみかんと飛行機と ~ENEOS和歌山・脱炭素で再出発へ
サステナビリティの世界に足を踏み入れた私。基礎知識を身に付けるために1000日連続のnote更新をめざす挑戦、2週目に入りました。8日目(Day8)のテーマは「ENEOS(エネオス)和歌山製油所の稼働停止」です。
1.はじめに
明日は大事な仕事があるので、今日こそは早寝するぞ…!との決意をこめて、本日は早めの時間の更新に成功しました。
…という個人的事情はさておき、本日ご紹介するのは、10月16日に稼働を停止したENEOS和歌山精油所の話題です。
2.SAF拠点へと決まるまで
当初はみかんを使ったバイオエタノール製造案も
先の記事には「再生航空燃料(SAF)の拠点として再出発させる」とありましたが、すんなりとこの案に決まったわけではなさそうです。
2022年2月に開催された第1回検討会では「跡地利用については何も決まっていない」状態であり、総務部長の挨拶で「例えば、バイオマス発電などの電力事業や、摘果したみかんを使ったバイオエタノールの製造など」が跡地利用のアイディアとしてあがっている、との発言があったのだとか。(出典:和歌山放送ニュース)
そして、2022年10月に開催された第3回検討会議でもまだ何も決まっておらず「エネオスがこれまでに検討してきた新規事業案の進捗状況や、地元から寄せられた跡地活用のアイデアに対する報告などを行った後、さらに地元からの意見を聞いた」状況であったのだとか。なお、この時点では、跡地利用計画をまとめる時期は「跡地の無害化作業が終了する予定の2025年3月をめどにする」こととなっていたようです。(出典:和歌山放送ニュース)
2022年11月にSAF案を発表
ところが、1カ月後。11月24日にこんな発表が出ました。
仏トタルエナジーズとの調整もあったので、ちゃんと決まるまでは発表できなかったのかもしれないですね。
いずれにせよ、この案は地元からも歓迎されたようです。
(ENEOS側としてもほっとしたのではないでしょうか…)
3.そもそもなぜ今、SAF?
SAFとは何なのか
となんとか書いておきながら、私、今回の記事を読むまで、SAFについてよく知らなかったのです。ということで、おくればせながら調べてみました。SAFとは…
国際航空運送協会(IATA)によれば「50年までにCO2の排出量を実質ゼロにするためには、世界の7000カ所の製油所で4億トンのSAFの生産が必要」なのだそうです。
日本の空港では国際線に給油する燃料の1割をSAFへ
今年5月にはこんなニュースもありました。
これを受けて、国内では来年度(2024年度)にもSAFの商用生産が始まるのだとか。まさに今、旬の話題だったのですね…勉強になりました!!
4.SAFで生まれる協業も
ENEOSとサントリーが廃食油調達で協業
ENEOS和歌山に話を戻すと、SAFの原料となる廃食油を調達するために、サントリーと協業するとの発表もあったようです。
図がダウンロード可能になっていたので、お借りしてみました。
5.あわせて読みたい(発展学習)
今回学んだ内容に関連する新聞記事や論考、書籍などをピックアップし、追記していきます(随時更新)。
■ESGブランド調査2022 エネルギー転換で先行/ENEOS
ENEOSは、2022年ESGブランド指数の「ランキング急上昇企業」でもあったのですね。あとで読んでみようと思います。
■再生航空燃料や鉱物、海外で資源確保へ 経産省が支援
SAFに限らず、バイオ燃料といえばその原料を確保するのが大きな課題だと思います。(食料用途を圧迫しかねないものもありますし…)
政府としてもさまざまな策を講じているようですので、こちらの記事を皮切りに色々と読んでみたいと思います。
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