見出し画像

国道16号を走りました。車じゃないよ。(その2)川越-横浜

今回は、川越から横浜までの国道16号線を走った備忘録をアップします。前回の千葉から川越までの約90kmは歴史を感じることがほとんどできませんでしたが、川越から横浜の約75kmは、さまざまな歴史を感じることができました。

川越ー横浜地図

川越のネカフェで1時間くらい仮眠して、3時過ぎにリスタートです。萩往還250kmのときには、夕方6時スタートで、翌日の夜11時くらいに176kmのところにある宗頭文化センターで1時間仮眠して、次の日の夕方にゴールというパターンでしたね。1時間仮眠で大丈夫かなと思ってました。

川越から狭山を抜けて、入間に入る頃に夜が明けてきます。ちょうど、丘陵を越えたあたりの景色がすばらしかったです(トップの写真)。これまでなかったアップダウンでした。昨日と違って良い天気です。入間からは、正面にきれいな富士山が見えました。駒込富士山という地名があるように、富士山がきれいに見える土地のようです。

画像1

入間市の16号から正面に見える富士山

入間を抜けるとようやく東京都です。瑞穂町という西多摩郡の町に入ります。東京都の町村というのは、奥多摩のイメージがあったのですが、瑞穂町は、都市近郊のまちでした。人口も3万人を超えています。瑞穂町でも、国道16号はバイパスになって町を迂回しているのですが、今回は旧国道16号だった道を走ってショートカットすることとしました。バイパスの国道16号は、地下に潜る区間があったようで、旧16号を行って正解でした。

瑞穂町を抜けると横田基地です。広い。一気に風景が変わります。商店街もアメリカナイズされています。国道16号沿線には、横田の空軍基地、相模原の相模総合補給廠、横須賀の海軍基地と、米軍基地が多くあります。柳瀬さんの本『国道16号線 「日本」を創った道』では、これらの米軍基地が戦後日本の音楽や芸能文化のゆりかごになったと指摘されています。

画像2

左上 横田基地の脇を16号が走る。 右上 在日米軍基地の表示 左下 Yokota Air Force 入口 右下 Base Side Street Map

画像3

左上 Fussa Friendship Promenade  右上 アメリカンなお店 左下 アメリカンな町並み 右下 あと50km

横田基地の脇をぬけると、昭島市を通って、拝島橋で多摩川を渡ります。一気にアップダウンがやってきます。坂を登り切ると、滝山城跡と左入(さにゅう)城跡があり、八王子を抜けても片倉城跡が16号脇にあります。歴史の匂いが残る道にようやくなりました。

画像4

左上 拝島橋 右上 昭島から臨む富士山 左下 左入城跡 右下 滝山城跡入口

八王子市街のJR中央線の踏切は「相模街道踏切」です。やはり、旧街道と重なっているようです。

画像6

左上 稲荷坂の上から八王子市街を望む 右上 相模街道踏切 左下 東京工科大学 右下 八王子の町を創った大久保石見守「やらないか」に似ている。

八王子市街から御殿峠を抜ける道は、東京グレートレース250kmのコースでもあります。東京グレートレースは、高尾のおおるりの家発着で、54時間で東京をぐるりと走るというマニアックな大会です。2020年に第1回だったのですが、わたしは玉川上水で転倒して怪我したあと、葛西まで走ってリタイヤでした。この大会の試走のときに南から御殿峠を越えたのですが、北から越える方が一気に登るので大変ですね。この峠が国道16号の最高地点です。

画像5

東京グレートレースのコース

相模原にはいると、睡魔に襲われたので、また、ネットカフェで30分ねることにしました。30分利用だとかなり安く休憩できますね。16号はJRの南側を走りますから、JRの北側に広がる米軍施設の匂いはあまり感じられませんでした。ほぼ平坦で、自転車道が整備されています。このあたりが、ブックオフの発祥地ということです。1号店は残っていないようですが、大きなブックオフが沿道にありました。

画像7

左上 御殿峠からの下り 右上 立派な長屋門のある家 左下 相模原のあたり 右下 相模原は自転車道が整備されてました

南町田にさしかかるあたりから、また、バイパス道になり、歩道のアップダウンがはじまります。歩道が消えないか心配しましたが、なんとかつながっていました。南町田は、何やら立派なショッピングセンターができてましたね。東名高速を越えるところがまた迷路のようで、勘とにおいで進みます。それはそれで楽しいです。ただ、バイパスに進むよりは、県道56号となっている旧国道16号を進んだ方が走りやすいですね。

画像8

左上 バイパス部分の歩道 右上 バイパスから階段をくだってまた登ります 左下 南町田グランベリーパーク 右下 国道16号の分岐点

バイパスの上川井ICから、なぜか国道16号が分裂します。旧道が国道のまま残されていて、並行してバイパスの国道16号が新設されたことになります。実は、八王子市街から御殿峠を抜ける道にも並行してバイパスの国道16号が造られています。国道16号が全長326kmというのは、この並行して造られたバイパス部分を足し合わせているからで、実際は250km程度で一周することができます。バイパス部分は歴史を感じることができず、走っていても疎外感を感じてしまうわけですが、旧道だけで回るとまた感じ方が違うのかもしれません。

国道16号の八王子街道部分にくると、ようやく沿道に神社が現れます。歴史を感じることができるさまざまな遺物が現れます。上川井神明社は、700から800年の歴史があるということです。八王子街道から白根不動尊への入口の不動像は、寛政9年(1797年)に立てられました。この辺りの八王子街道は難路だったようで、江戸中期に難路改善を行ったことを記念する碑が二箇所に建っていました。

画像9

左上 上川井神明社 右上 あと10km 左下 八王子街道から白根不動尊への参道の道しるべの不動像 右下 白根村道橋改修碑

八王子街道沿いに相鉄本線が走るようになり、それぞれの駅前あたりには街の賑わいが感じられるようになります。やはり旧道は良いです。帷子川(かたびらかわ)によってつくられた河岸段丘沿いに走っているようです。1kmごとに設置された距離表示が減っていくことを楽しみにラストを走ります。あと2kmまでありましたが、国道1号との併用部分になって、あと1kmがみつかりませんでした。かわりに日本橋から32kmの表示がありました。

画像10

左上 あと5km 右上 あと3km 左下 あと2km 右下 あれ?32km

JR横須賀線経由で終点の千葉まで帰ります。直通なので寝ていけますが、汗臭いまま電車に乗るわけに行かないので、戸部駅近くの記念湯でさっぱりしてから、ゴールに向かいました。ゴール地点である高島町交差点に夜の10時ころに到着です。「国道16号起点」とか書いてあればいいのですが、何もなかったです。次回は千葉ー富津です。

画像11

ゴール地点


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?