第1期企画室presents Xゼミ #14~#16 - “タグ付け”は資本を可視化し対話を促す説 -
SILコンソーシアムメンバーが集う勉強会「Xゼミ」。2022年9月・10月・11月の回は企画室主催で実施しました。
企画室とは、実践知となる学びや共創の機会を増やすなど、SILを使い尽くすために参画メンバーが共同運営するチームです。
各プロジェクトの綿密なカテゴライズ(分野設定)や効果の定量分析など、論理的な思考に基づく表現が共創を生むために重要であるという仮説のもと、9月・10月はゲストに異なる切り口で社会と向き合うお二人をお呼びしました。共創革命家・ソーヤー海さんからは「9つの資本」、スマートシティ・インスティチュートの南雲岳彦さんからは「LWC指標」という考え方を共有いただきました。11月には、2人の視点からそれぞれの活動のタグづけを行い対話しました。それぞれダイジェストでレポートします。
何を資本と捉えるか
9月回のテーマは「9つの資本を知り、私たちが持つ資本とその可能性を探求する」でした。共生革命家として活動されるソーヤー海さんにご登壇いただき、豊かな未来を築くためにお金だけでない「9つの資本」に目を向けることの重要性を伺いました。
講演の中では下記のような言葉が印象的でした。
・技術革新が進んだにも関わらず、社会課題は解決されない。だからこそ、現実を捉え直して根源的なモノの見方を変えること(パラダイムシフト)が必要。
・次の世代に、ゴミ捨て場ではなく豊かな森を残していく。
・地球というシェアハウスに暮らす仲間としてどうやって協力しあえるかを考える。
・必要なところに自然と資源がいく、循環する経済。
・「今あるもの」に意識を向け、自らの持つ資本を考えてみる。
後半パートでは、自身及び企業や自治体が保有している資本について考えるワークを行いました。『100年後も地球と生きる』未来を実現するために、自らの持つ資本を見つめ直してみることが重要なのかもしれません。
幸福度につながる要因とは
Xゼミ10月回のテーマは「幸福度と街づくりの関係性と、市民の幸福感を高める街づくりの指標」でした。一般社団法人スマートシティ・インスティテュート専務理事の南雲岳彦さんより、人々の幸福度をどのような指標で測り、そしてそれをどのように街づくりに活かすことができるのかを伺いました。
南雲さんは、日本各地で様々な街づくりが行われている中、原点に立ち返って街づくりの在り方・目的を再定義。そこに住む人々の市民の幸福感(Well-being)と暮らしやすさ(Liveability)を高めることこそが究極の目的であるとし、それを測るための指標(アンケート)を構築し実践しています。
市民の幸福感(Well-being)はLWC指標として表現され、主観データと客観データ、両面の要素で構成されています。その数値の変化を追うことで、街づくり施策の効果や住民の心の変化などを掴み、次の施策へ活かせるそうです。
一方、数値だけでは十分に掴み切れない部分や、施策の効果によるものか意識の変化によるものかは分からないこともあるそうです。また、街自体の特性(年齢層、世帯種別(子育て世代が多いのかなど)、田舎/都会、など)によっても、その結果の見方は大きく変わるといいます。それを正しく理解するためには、自治体と住民が直接対話することが併せて重要であるとのことで、データを基に全員で街をつくる意識・取組みが欠かせません。
この指標の考え方やアンケートフォーマットなどは誰でも活用可能とのことです。街の現状を可視化し、この指標を一つの判断軸に今後の街づくりへ活かしていきたいですね。
共創を生むための工夫
Xゼミ11月回のテーマは「活動のタグづけによる知恵の蓄積と共創の促進」でした。今年6月に始動した企画室は、3回のXゼミとリアルミーティング、毎週のランチミーティングを経て、一つの仮説に辿り着きました。
9月回・10月回のXゼミでは、企画当初に意図していた以上の学びがありました。今ある資本を大切にし伸ばすこと、LWC指標による結果に加えて直接の対話でさらなる理解を深めることがとても重要であると学びました。
それを受け企画室では、9つの資本やLWC指標のキーワードをタグとし各プロジェクトを表現・可視化。全員の共通理解を深めることが共創を生むための活動第一歩となる、という仮説を導き、全員で議論することとしました。
参加者の声
・各プロジェクトをタグ付けすることで、様々なプロジェクトを俯瞰できたり、初めての人にも説明しやすくなったりして良い
・プロジェクトだけでなく、自分自身をタグ付けし自己紹介することで、人と人の出会いを生み出すきっかけにもなるかも
今後、この方法で各プロジェクトを表現し全員の理解を深め、Local Coopをはじめとしたさまざまな共創を加速させることが出来ればと思います。
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