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抽象と具体の往復運動で未来を拓く

こんにちは。Sustainable Innovation Lab (SIL) 事務局の本間です。
SILが毎月開催している勉強会「Xゼミ」第12回の模様の一部をレポートします。
5月24日に開催された第12回Xゼミのテーマは「抽象と具体を行き来する」。
SILフェローのVUILD・秋吉浩気さんをお招きし、「バーチャルとフィジカル」「構想と社会実装」などをバランスよく併せ持つことの重要性やそのためのコツなどを、秋吉さんご自身の実践をもとに伺いました。 

抽象と具体を行き来する

建築家として活動しながら、メタアーキテクト(システムや枠組み自体も作ること)に取り組む秋吉さん。そのバランスが大事であると彼は語ります。実際に秋吉さんが行っているプロジェクトから「抽象と具体」の実例をご紹介いただきました。

デジタルデータを基にものづくりを行うデジタルファブリケーション技術と建築分野を組み合わせて、建築の民主化を目指すVUILD株式会社。『EMARF(エマーフ)』というサービスを使うと、誰でもオンラインでオーダーメイド家具を設計し、全国140拠点にある3D木材加工機『ShopBot』から出力することができます。スマートフォンが計算技術を民主化して多くの人の創造性を喚起しているように、昔は家具工場にしかなかった工作機械をローカルに導入することで、地域の人が地元の材料を使って、必要な家具や建築を自分で作れる社会を目指しているとのことです。

印象的だったのは、「抽象思考だけで物事を実現してない人は説得力がない」という言葉でした。理念だけで終わるのでなく実際の活動として提示する。その往復運動をする。という秋吉さんのスタンスは、自分自身の活動を内省するきっかけとなりました。

地産地消で家づくり

2022年4月にはデジタル家づくりプラットフォーム『NESTING』がリリースされました。アプリを使い自分の作りたい家を自分でデザインすると、すぐに見積もりが算出され、工作機械のある拠点で家のユニットが部品加工されて、建築現場に届くという仕組みです。さらにこれを地産地消として地域の中で完結させる仕組みを整えているそう。地方移住、もしくは2拠点生活を考えている方を中心に、家を建てるという経済的な活動を通じた環境投資のニーズに応えているといいます。

建築を通じた教育のアップデート

最後は東京学芸大学で行っているプロジェクトについてご紹介いただきました。建築学科でなくとも建築について学ぶことのできる場所「学ぶ、学び舎」を着工。学生はもちろん、卒業生や先生たちも自らの学びをアップデートできる場所を目指しているそうです。先生を育成する東京学芸大学の中で、教育者に対して木材の使い方やデジタルリテラシーの教育を行い、「建築の民主化」を目指しています。


SIL参画説明会開催中

Sustainable Innovation Labでは、随時参画企業や自治体、個人会員を募集しています。よろしければぜひ参画説明会にご参加ください。


この記事を書いた人
Writer:本間英規 / SIL事務局
Editer:服部可奈 / SIL事務局


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