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グローバルニッチトップを知る

こんにちは。理工学部3回生の西野日菜です。
今回はいろいろなご縁から、株式会社 福井製作所にお邪魔する機会をいただきました。昨年度にたくさんお世話になった職員さんと、SWの学生、一緒にベトナムに行った学生など数名で会社見学をさせていただきました。

2時間程度の企業訪問でしたが、福井社長のお話や工場見学はとても興味深かったです!ちなみに会社は私の実家から2キロ程の超地元だったので、みなさんに枚方市の魅力を少しお伝えすることもできたかなーと思っています。

グローバルニッチトップ企業

この言葉、聞いたことありますか?ニッチという単語は聞きなれないかもしれません。

ニッチとは「隙間」の意味である。大企業がターゲットしないような小さな市場や、潜在的にはニーズがあるが、まだビジネスの対象として考えられていないような分野を意味する。大企業は収益が低いとの理由からニッチに手を出さないことが多いため、中小企業やベンチャービジネスが参入し、確固たる地位を築くことが可能な領域といわれている。

福井製作所は、創業80年の安全弁の専業メーカーです。LNG(液化天然ガス) 運搬船に搭載される安全弁は世界シェアNo.1を誇る、知る人ぞ知るグローバルニッチトップ企業です。今回は、このような世界に誇るべき日本企業の会社、工場を見学させていただきました。

まずはじめに社長から私たちへの質問。
 日本企業の強みってなんだと思う?
それぞれ、「高品質」「安全性」「信頼がある」と回答をしていきます。

そして、その答えを探しに工場見学へ。
枚方市の1つの工場で、材料の搬入、切り出し、加工などすべての工程を回しています。ある工程ではIoTを取り入れた正確な加工を、また別の工程では職人技の精密な加工を、といったようにただ製造するだけではなく、より良いものをつくるための製造過程がそこにはありました。

私がここで感じた日本企業の強みは、調子に乗らない、驕り高ぶらない姿勢です。世界シェアトップともなると、傲慢になったり大量生産だけにシフトしてしまう企業も多いと思います。ですが、ここで働いている方々は皆が1つ1つの受注に対して、とても丁寧に作業をしているように見えました。

韓国の大企業に共通する生活文化とは

日本企業の強みを考える上で比較対象になる韓国企業について、社長からお話ししていただきました。
韓国が世界シェアトップを誇る三つの製品、液晶・半導体・スマートフォン。これらに共通する特徴とはなんでしょうか。

そのカギは「スピード」であると社長は語ります。
韓国は、長年他国の植民地として支配されてきました。そのため、多くの人はその日暮らしの日々を送っていました。
この生活文化が、変わりゆく流れにすぐに対応するスピード感を作り出したといいます。どんどん大きく、薄くなってゆく液晶。効率が倍々に上がってゆく半導体。目まぐるしく新バージョンが出てくるスマートフォン。これらを大量に生産することは、韓国のスピード感にぴったりとハマり、今では世界シェアトップにまで上り詰めました。

そんな韓国製品の製造ラインでは、日本企業の加工機械などが多く使われています。ずっと島国で村社会だった日本は、田植えや畑で生計をたてる人々が多くいました。種を植えて、成果が出るのは数か月~一年後。つまり、計画性をもって行動する生活文化が出来ているといいます。

スピード対応が得意な韓国と、きっちりと良いもの、必要とされるものを作り続ける日本。生活文化が製造品にこのような影響があることは新たな視点でした。

枚方の小さな工場が、世界各地の安全を担っている

これまで部品をつくる工場は受注したものを生産するだけの「下請け」というイメージでした。しかし、現場を見るとそうではなく、挑戦を続けている業界だということを知りました。

私は先週ベトナムにいっており、たくさんの道路やインフラ整備がままならない状況を目にしました。めっちゃ危なそう、、海外だとすぐに大事故起こりそう、、そう思っていました。
福井製作所で生産している製品の約8割は海外に輸出されます。LNG船をはじめ、たくさんの世界中の船の上で日本の製品が安全を守っているのです。

安全弁に限らずですが、日本のブランドは一定の需要があることを知りました。20年ほど前、「なんでもできる」会社が重宝されていたのに対し、現代は「頼りになる」会社に情報もニーズも集まるそうです。グローバルニッチトップを誇る企業だからこそ、世界でどこよりも早く安全弁のニーズを知り、対応した製品を開発することができる。大量生産、価格破壊の波に負けることのない日本企業の揺るがぬ強さを見ることができた、貴重な見学でした。

案内してくださった福井社長、繋げてくださった川面さん、上田さん、ありがとうございました。

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