サラダ記念日/俵万智
①
わからないけれどたのしいならばいいともおもえないだあれあなたは
→初めて短歌を読んで泣いた。自分でもどうしたら良いか、どうしたいのかよく分からない、状況も気持ちもよく分からない、という感じが全部ひらがなで表されていることでより伝わってきた。
②
砂浜に二人で埋めた飛行機の折れた翼を忘れないでね
→うわあ、きっと、そんなに大切なものとして埋めたわけじゃなくて、他愛もないことを話しながら落ちていたものに砂をかけたくらいのことなんだろうな。ただ、幼い子がしていそうなそんなことさえもすごく自分にとっては記憶に残っていて、相手も同じであってほしいなって気持ちだよね。(全て私の妄想)
③
過ぎ去ってゆく者として抱かれおり弥生三月さよならの月
→「弥生三月さよならの月」ってなんかとても、リズムが良いのは勿論、さらっとしてるんだけど余韻を感じて、爽やかなんだけどぐっと切なさも感じる。
④
何してる? ねぇ今何を思ってる? 問いだけがある恋は亡骸
→本当そうですね、、、何考えているんだろう?って時程何も考えていないってやつですか、
⑤
いるはずのない君の香にふりむいておりぬふるさと夏の縁日
→本当香りの記憶力って想像以上だよね。頭では忘れていても香ったら思い出す、みたいな。恋愛に限らず、昔のおばあちゃんちの香りとか、幼い頃公園で遊んでいた時の雑草が切れた香りとか。
香りだけで泣けてくるって、香りの力凄まじくないですか?これぞ無意識の罪ですね。
⑥
一人住む部屋のポストを探るときもう東京の顔をしている
→なんか分かる。数時間後まで家族といだ自分だったのに、一人暮らしの家に帰ると一人暮らしの自分、そこに住む自分になっている感じ。
特に一人暮らし始めたての帰省後を思い出すと、家族といた自分の設定を一人暮らしの部屋でしているとなんとなく寂しくなってしまうから、意図的にこっちはこっちで楽しいというマインドに切り替えていた気がする。
⑦
もうそこにサヨナラという語があって一問一答式の夕暮れ
→好きな人とだったら、同じ会話もいくらでも広がるよね。そんな夕暮れぎゅっとなる。
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選んだ歌とか、感じたこととか、赤裸々すぎて恥ずかしさもあるけれど、思ったことをそのまま載せる場だから!
それに自身の経験をこんな風に歌にできる俵万智さんが素敵すぎる。
感性が可愛くて、ほとんどにやにやしながら読んでいました。
たった31字なのに、読めばその歌の主人公になったような気持ちになれて、けど易しい言葉ばかりで、魅力的。
ちょうど俵万智さんが20〜24歳の時に詠んだ歌を集めたみたいで、それもあってか今24歳の私にとっては共感の連続だった。
上に出させてもらった歌以外にも沢山の付箋を付けていました。
文章で表現しようとすると正確に伝わるようについ文字数が多くなってしまうけど、規定のリズムで表現できるってすごすぎることだと思う。
それでまた31字のリズムが良いなあと思った。
切ないことも、可愛らしいことも、全部このリズム。
短歌興味深い!
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