日記祭

先週の日曜日、下北沢にある日記屋「月日」にて開催されていた「日記祭」へ行ってきました。

実は、このイベントの存在を知ったのはその前日の夜のことでした。
年末も近いし、そろそろどの連用日記を買うか決めなくてはならないと頭を悩ませていたところ、「シュリンプピンク」という単語を思い出した姉から、10年メモという連用日記を教えてもらいました。
すぐに調べ、広辞苑と同じ会社が製本をしているということが決め手となり、購入を決めました。そして、ちょうど翌日に発売予定で、その日に開催される「日記祭」で買えるらしい、という情報を得たのです。

当日の朝まで行くか否か悩み、おもむろに友人を誘いました。幸運なことにその友人は日記祭の存在を知っていて、かつ会場である下北沢にも詳しく、さらに幸運なことには午後は用事がなく、10年メモの購入に付き合ってくれることになりました。

電車に揺られること1時間半。途中井の頭線の駅を見失うハプニングがありながらも、なんとか会場まで辿り着きました。
お目当ての10年メモは、はたしてそこにありました。会場マップの描かれた看板に目を通し、気合を入れて顔を上げると、拍子抜けするくらいすぐそこに並んでいたのです。迷わず掴み取り、自分の分と、10年メモを教えてくれた姉の分を無事ゲットしました。

さて、せっかく日記祭に来たのだから、他の人がどんな日記を書いて、どんな装丁でくるんでいるのか、後学のためにじっくり見てやろうという魂胆もありました。が、小さく並ぶ机たちの前にそんな気持ちは霧散してしまいました。

これは私の困ったところなのですが、買う買わないに関係なく、目の前に人がいるという状況に尻込みしてしまって、パラパラとめくることはおろか、販売しているスペースへ近づくことすら躊躇してしまうのです。その日もなんだか一挙手一投足をすべて見つめられているような感じがして息が詰まり、同じ区画内の飲食店へ逃げるように入りました。

これは由々しき問題です。買うだけの立場であれば、購入の機会は減ってしまいますが、いわゆる書店へ足を運べばいいだけです。しかし、いつか自分も本を作って売りたいと思っているのにこれなのが救いがありません。
売り場から逃げずに、どんなしぐさでその場所にいることが正解なのか、技を盗むこと。いつか出店する側としてなんらかのイベントへ参加するその時までに成し遂げなければならない課題です。


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