心の病が治ったのは薬のおかげじゃなくて、日向坂と櫻坂を推していたからだと思う。
2021年は…っていうか、2020年から続けてだけれど。
この2年は、なにか進んだと思ったら、何かが後ろに行く。
結果として何も前に進んでいない。そんな期間だった。
前を向くのも億劫だなぁというときに、僕を照らしてくれて、今は前に進ませてくれてるエンジンのような『推し』の話をしたい。
そもそも、なんでそんな後ろを向いていて前に進まない期間があったのかというと、理由は簡潔で。
2年前、僕は心を病んで会社を休んだ。
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『趣味を楽しめていますか?』
『好きなことのことばっかり考えても大丈夫。好きなことをしましょう』
なんてのは、ネットに落ちてるうつ病チェックシートとかに書いてあるし、実際に心療内科の先生にも言われた。
だからまぁ、多分効果があることなんだと思うんだけど、先生に聞こうと思ってぐっと飲み込んだことがある。
『僕は趣味も好きな物も正直特に無いんですけど、そういった場合はどうしたらいいでしょうか?』
僕の家にはテレビがなかった。
Netflixもあるし、Amazon Primeもあるし、そもそもTVerもあるから地上波だって見れる。なんならNHKオンデマンドも入ってる。
普通のテレビなんていらないよね!とか思ってたけど、病んでるとまぁアプリをわざわざ開くのもやる気が出ない。
そんな中でも、あちこちオードリーだけはなんか好きだったし、気分が乗らないときでもダラダラ流せた。
ある日のゲストに出てきたのが日向坂46だった。
正直それまで、アイドルと名前のつくものが苦手だった。
バラエティに呼ばれて、なんかぶりっこして、なぁなぁな褒められ方して番宣して終わるんでしょ?って思っていた。
でも、日向坂は違った。
あのオードリーに対して一歩も臆せず、ときに手球に取って暴れまわっている。
『何だこの子達は!?』と興味が湧いた。
復職して少し立ってから会社で、当時たまに喋る程度だったYにその話をしたところ、『今日見てください』とURLが送られてきた。
翌朝みたよと伝えると、
と一気にまくし立てられたのだけれど、
え、休業からの復帰ってこんな前向きなの!?
これが正しい驚きポイントなのかは全然わからないけれど、休職を経験していた僕にとっては、演出より振り付けよりも驚きだった。
なんか休むって悪いことで、休んでからの復帰も、波風多々せずにゆっくりこっそり復帰しなきゃいけないんだと思っていた。
だからアイドルも、休業する人はそのまま辞めるか、ゆるっと復帰してそのまま何事も無かったかのように戻るものだと思っていた。
でも、日向坂は休業している仲間を信じて待っている。
そして、戻ってきた仲間とまた一緒に歩いて、また一歩また一歩と大きくなっている。
(他のアイドルの事情がわからないので、日向坂だけがすごいと言っているわけではないです。ご容赦ください。)
それに、戻ってきた仲間たちも、休業復帰後に大躍進を遂げている。
カゲは、復帰後にサッカー番組に引っ張りだこで内田篤人と番組やってるし。
まつだこは、いまやラジオにラヴィットに大活躍だし。
愛萌さんも、音楽出演のたびに『スーパー愛萌タイム』と呼ばれる最高に可愛い瞬間を抜かれてるし、ずっと夢だった文筆活動も実現させている。
こんなハッピーオーラに溢れた最強のアイドルチームのことをもっと知りたい!
あ!そんなときにちょうどよくドキュメンタリーのDVDが出てる!
ポチッ!
注文ボタンが人生で一番軽かった瞬間だった。
翌日には届いて、その週末の土曜には号泣していた。
ドキュメンタリー始まってから3時間ずっと。ティッシュ箱一個空にしながら。
欅坂の不協和音も手掛けた振り付けのTAKAHIRO先生という偉大な先生がいるのだけれど、彼がこんな事を言っていた
このシーンでもうティッシュを完全に使い切り、あとは垂れ流すのみとなった。
それとだいたい時を同じくしてしったのだけれど、日向坂46のファンのことをおひさまというらしい。
なんでそんななまえかというと、日向は太陽がなきゃ出来ない。日向坂を輝かせてくれているのはファンのみんなだから、みんなはおひさまだ。ということらしい。
Wikipediaで初めて泣いた。
そして一気に沼にハマっていった。
今思えば、その頃からだんだんと僕はやっと人間らしい生活を取り戻していった気がする。
だけれど、その半年後に、僕はまた大きな出会いを果たすことになった。
それが櫻坂46である。
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世では夏休みな頃に、Yから相談というか、要請があった。
(櫻坂は聞かないから、当たっても嬉しくないけど、まぁいいかぁ)
と思いながら、言われるがままに応募した。
そしたら当たった。
一応ある程度は予習はしたけれど、まぁ日向坂ほどは乗り気じゃない僕は、とりあえずお作法をYに聞いてみた。
言われるがままに買った。来た。振った。
MCの途中で見つけてくれた藤吉夏鈴ちゃんは、MCの邪魔にならないようにこっそり手を振ってくれた。
そのとき僕は、唐突に宇宙の心理を理解した。
あぁ…これが…推しかぁ…
それまでちょっと雰囲気に合わせて盛り上がろうとしていた僕の意識が全部夏鈴ちゃんに集中した。
すごい目が良くなった気もした。
声を出したい気持ちを全力で抑えながら、思いっきりバルーンを叩いたし、アンコールのときは一番大きく響いてたと思う。
すると、『特報』の文字とともに動画が流れた、アニバーサリーライブ決定の文字。
え!?櫻坂の誕生日と僕の誕生日一緒やん!!!
勝手にこれは運命だと思った。
『菅井様に2回ファンサ(ファンサービスのこと、手振ってもらったりするやつ)うけた』と自慢してくるYに悔しさを覚えながら、帰りの電車で曲を復習し、なぜ恋の良さに耳を疑い、何度も聞き直した。
GyaOに上がっているバラエティを夜を徹して見た。
一気に櫻坂沼に転がり落ちていった。
沼にどっぷり浸かったことを見逃さなかったYからは、『ドキュメンタリーあります』と、欅坂のドキュメンタリーを渡された。
日向坂46のポジティブで幸せな空気とは一転し、欅坂46のドキュメンタリーは言ってしまえば鬱々としたシーンも多い。
平手友梨奈のワンマンチームのように大きくなってきた欅坂が、支柱を失って崩れていって再スタートするまでの話だからだ。
もしこのドキュメンタリーを最初に見ていたら、印象がちがっていたかもしれないけど、今の幸せそうな櫻坂の様子を見てから見ると、本当に辛い時期を乗り越えて今花開いている物語が見えて、また号泣した。
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日向坂と櫻坂は、スタートは同じチームだけれど、全く違った成長を遂げていると僕は思っている。
日向坂は、ハッピーオーラのコンセプトのように、弾けるようなポジティブ。
歌詞も『君が大好きだ!』とか『私はかわいいの!』といったメッセージを力強いダンスで表現している。
そんな日向坂に、暗い気持ちを明るく照らしてもらったと思う。
一方で櫻坂は、私は私だ。というメッセージが込められた曲が多く、振り付けも心の中から溢れだすようなダンスが多い。
恋の表現も日向坂よりちょっと大人だったりする。
そんな櫻坂に、前にもっと進む元気をもらった気がする。
そんな彼女たちと出会った1年を経た今。
なんかここ数年で一番元気な年明けを迎えている。
全部嫌になったり、前を向きたくなくなったり、辛くはないけど何したらいいかわからなかったり、そんな時『推す』ってことは、そんな暗い気持ちを全てを解決する鍵になるんじゃないかと思っている。
わりと。まじで。ここまですごく長くなってしまったけど
『推し』って無限だと思うんですよ。
僕はまだ推しを一人に決めれていないんだけれど、増本綺羅という一人の推しがいる。
いつもは何を考えているかわからず、無茶苦茶な発言を繰り返すきらこだけれど、卒業する守屋茜について、インタビューでこんな事を言っていた
また泣いてしまった。
人と人との関係の真髄のようなことを、20歳のアイドルがこんなにしっかりとした言葉で伝えられるなんて。
こんな子が楽しくアイドルをしているグループってなんて素敵なんだろう。
そのグループを支えるスタッフの皆様もなんて素敵なんだろう。
未だに『推し』が決まらないのはこういうことだ。
好きな一人ではなく、それを形作っているみんなを愛してしまいたくなる。
これからしばらく先も決まらないだろう。
でも、一個だけ決めていることがある。
今年は櫻坂と一緒に仕事をする!
だからちょっと今年は本気出してみようと思う。
エンジンをもうちょっとだけかけてみよう。
頑張るぞ。
忘れないように、その日思ったことを書いていきます。ちょこちょこ文体変わると思います。