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手嶋龍一「鳴かずのカッコウ」(小学館文庫20240111)

2021年2月発売の単行本の文庫版。

2021年時点ではなにも響かなかった本書。最初の10ページくらいで手を離してしまったのだ。

2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻で、がんがん響く作品になってしまった。

なにかが途端に響き出すタイミングってあるものです。

物語を運ぶエンジンではなく、音符と音符の間にあるおかずがちょっと好みとは違うのが少し気に障る。あだ名を、Missロレンスとして、Missロレンスと表記してしまうところ。

現代、Missロレンスなんてあだ名あるかなあ……なんか入っていけないところだが、その部分以外は最高に面白い。

30年前の落合信彦だ。それだけでなく、茶道や美術のネタもびっちり。

だからこそもったいない。もっとそぎ落として、ギンギンのチューンでも読者はついてきます!!!!!!!!!

でも、そういうセンス、そういう遊びを書きたいから、書いているんだろうなあとも思い、それが作家との相性になるんだなと……



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