山崎史郎「人口戦略法案 人口減少を止める方策はあるのか」(20211125日本経済新聞出版)
シチュエーションがリアルということで話題だったノンフィクション。500ページ超で判型も通常の単行本サイズの四六判より一回り大きい、洋書でよくあるサイズ。
けっこうたたずまいだけで怖じるところもあります!
人口減少問題を要領よくまとめてあった、たいへん勉強になりました。
いかに日本は人口問題をまじめに考えてこなかったのか。いまからでもできることをやらねばならないと心から思うところ。
いろんな違和感があるのですが、80年代に高校大学で教育を受けた私だけど、その時代はいかに人口増加に歯止めをかけるかがメインテーマだった。なにしろ、小論文の問題にそれがあったから。キーワードは人口爆発。
当時のブルーバックスに人口爆発というが、その次は人口減少がくるから、いまは歯を食いしばって人口減少にそなえる必要があるという主張が載っていて、それをパクッて小論文に書いてみたが評価は、奇をてらいすぎという結果だった。
それだけ、80年代の空気は人口爆発による食料不足や水不足をどうするかだったのだ。
1997年4月の人口審が決定した人口白書は、出征抑制が書き込まれている。
各メディアも追随して、「子供は二人まで」キャンペーンが日本中に行き届き、時代は出生率抑制に傾く。
第一次ベビーブーム世代の子ども世代の第二次びべーブーム世代が結婚する時代、それが1990年後半から2010年代に第三次ベビーブームが期待される。
しかし。
リーマンショックにより金融システムが崩壊し、就職難となり出生率にはねかえる。
そもそもなぜ人口減少が悪なのか。
人口は生産力であるとともに消費者の塊でもある。日本のGDPは国内需要がほとんどとなり、人口減少は日本国内のマーケット規模が減少することになり。企業や工場は海外に設備投資し国内の生産力はますます減少してしまう死のシュリンクスパイラルに陥る。
Society1.0が狩猟社会、Society2.0が農耕社会、Society3.0が工業社会、Society4.0が情報社会、そして来るべきSociety5.0がサイバー空間による社会変革が進むことになるという。
Society5.0は地域格差をどうやって埋めるのか、人の働き方・生き方に大きく変革をもたらす。多すぎる変数のそのミッションオイル的な役目なんだろうか。
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