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青木和夫編「古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像」(講談社現代新書20231220)

圧倒的に面白い序章。

山川の歴史教科書への反旗、誤謬指摘、決意の狼煙を見た!

世界四大文明なんて学説にはなく、江上波夫先生がかってに書いたものだったとは。

かつて江上先生に直撃した学者がいて、「口調がいいからで、本当はいろいろあるさ」と大笑いしたんだって! なんだ、この軽さ。

このお陰で四大文明の穴埋め問題は作成され、これで赤点もらった人もいる
んだよ!!!!!!!!!

よって、文明が生まれる条件として大河が強調されたこともあっさり否定。河川がほとんどない場所で栄えた文明。文明は大河流域で生まれたという記述は時代遅れとなる。

さらに四大文明では青銅器鉄器も文明の指標としているが、メソアメリカ文明は基本は石器で鉄器はあまりないとか。この部分も要修正!

編者はそれより、四大文明の陰にかくれ、不当な評価を受けたメソアメリカ文明の不運にため息をつく。だよね~

一次文明としてのメソアメリカ文明の再評価が最近目立つのは編者の努力もあるのでしょうか。

コロンブス以前のアメリカ大陸には1800以上の言語が話されていたということからもわかる。さらにBC8000年ごろから100種類以上の野生植物を栽培化。アメリカ大陸原産の栽培植物は世界の栽培種の六割を占めるとか。

序章が再考に面白い。


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