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アニメ『四畳半神話大系』

外出自粛が求められ、1日の大半を家で過ごすことになって久しい。
・家から出られない
・不満のあった日常が懐かしい
この状況は、さながら四畳半から抜け出せなくなった四畳半主義者のようですね。
(ちょうどこんな風に髭が伸びている)

とはいえ、あんなにもポップでドラッギーな街とキュートな登場人物たちがいたら、こんな状況でもきっと楽しいでしょう。

差し出されるチラシの数だけ選び取る未来があった大学一回生の新歓期。
「嗚呼、あの頃に戻れたら今よりどれだけいい選択ができただろうか」という後悔の念が時計の針を巻き戻すわけですが、どうしたって悪魔らしき小津によって大差ない日常に着地するのです。
ただ、それを知っているのは物語の外から観ている私たちだけ。

と思いきや、何も選び取らず四畳半に立て篭ることを選んだ四畳半主義者は、私たちと同じく物語の外に抜け出します。

歩いても歩いてもいつまでも抜け出せない四畳半のなかで、「ブーたれていた日常は実は愛すべき日々だったのだ」と悪魔的小津の残したカステラを食べながら気付くわけです。

僕たちのゲンザイを

オープニングでこの部分だけ繰り返されるのが妙に印象に残るのは、リンゴを食べた責任を転嫁したことに発する原罪と悪魔的小津のせいにして日々を過ごした現在がかかっているからな気がしてなりません。
そうなると、小津が口にする「僕なりの愛ですよ」も聖者的含みを帯びてくるじゃないですか。

晴れて四畳半主義者から抜け出した私は悪魔的私となり、愛すべき日常と小津に改めて愛を注ぐわけです。

ちょうど佐久間宣行オールナイトニッポン0で『迷子犬と雨のビート』が流れてきてにやりとしてしまいました。さすがエンタメすべてのインフルエンサー。

私たちもこの四畳半的状況を抜け出し、愛すべき日常と隣人を大切にしていきたいですね。

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