Aqua Timez ラストライブレポート⑤
バンド初のWアンコール
「Aqua Timezをやり抜きます。」その一言から「決意の朝に」が演奏される。
彼らの記念すべき1枚目のシングル。アニメ映画の主題歌として大ヒットし、その年の紅白歌合戦に出場を果たした代名詞ともいえる一曲。
僕自身もこの曲がAqua Timezとの出会いのきっかけだった。
歌詞カードを見ながらCDコンポの前で曲を練習していたこと、
それからカラオケやお風呂、車の中何十回、何百回と歌ったこと、
修学旅行のバスの中や音楽の授業のバンド発表とここぞという時に必ず選んでいたこと、高校の卒業論文でこの曲がなぜ人気なのかについて2000字で書き尽くしたこと、
初めて参加したライブで生で聴けたとき嬉しくて嬉しくて仕方がなかったこと。
一緒にしゃがみこんでくれ、一緒に立ち上がってくれた世界で一番大好きな曲。
出会ってからの11年間、共に過ごした時間がまさに走馬灯のように駆け抜けていった。
様々な素晴らしい曲が生まれて世の中に出てくる中で、どんな名曲を前にしてもブレない自分の一生の一曲に出会えることは本当に幸せなことなのだと改めて感じた。
声がかすれそうになりながらも最後の一滴まで伝えてくれる曲は確かに心の奥深くにしっかりと染み込んだ。
「最後の 決意の朝に でした。」曲が終わりこの日一番の拍手が起こった。本当に鳴りやまない拍手に、この一曲がどれだけ愛されていたかが痛いほど伝わってきた。鳴りやまない拍手は5人との別れを惜しむファンの気持ちを代弁していた。
「最後まで伝えぬきます。」と続いた曲は「手紙返信」。
タイトル通り、ファンへの想いを音楽に代えた一曲だ。
もしも意地悪な世界が僕らを笑い者にしようとしても
あなたと僕が友達で最後に笑ってられたらいいさ
人間だから良い時だって悪い時もある。それは僕もあなたと同じ。
でもそんな時にいつも支え合っていたファンにお礼とこれからもやさしく、あたたかく、やわらかく繋がっていようね。Aqua Timezとしての活動が終わってしまう今でさえ。
終わってしまった後でさえも。
そんな約束をしたような一曲だった。
そして、、、いよいよ最後の曲。
5人よりもやさしく、5人よりもAqua Timezの曲を理解してくれていたと最後にもう一度感謝の気持ちを言葉にしてくれる。
きっとこの先も折れそうになる時は何度もある。その時にふと口ずさむ曲はAqua Timezの音楽なんだろうなと再確認した。
最後の曲はバンド最大のヒット曲「虹」。最後思い切り明るい一曲にしようと「大丈夫だよ」と彼ららしい肯定の言葉から始まる曲が奏でられた。
ライブではお馴染みのハンドクラップ。泣きながら手をたたく人、笑っている人、泣き笑いになっている人。様々な気持ちで最後を見届けてゆく。
僕自身も曲を聴くというより、この空間を片時も忘れないように刻みこむくらいの気持ちでいた。
巡る季節の一つのように 悲しい時は悲しいままに 幸せになることを急がないで
大丈夫だよ ここにいるから 大丈夫だよ どこにも行かない
また走り出すときは 君といっしょ
最後の最後までAqua Timezとして音楽を届ける意義みたいなものがブレない5人でいてくれた。
本当に素晴らしいラストライブ、15年だった。ここまで素晴らしいと、ファンに対して誠実でいてくれるとこれでよかったのかもしれない。復活を考えなくていいのかもしれない。
最後まで惜しむように、空いっぱいに祈りを奏でるように演奏をかき鳴らす姿にそんな気持ちを浮かべた。
解散ライブから2年。出会ってからは14年。今でも変わらず5人の音楽と暮らしている。
実は解散が決まる前は。好きなアーティストは?という質問にいつも別のアーティストを挙げていた。それは「Aqua Timez」と答えた時に「古くない?まだやってるの?」と言われることがいやだったからだ。
しかし解散が決まってからどれだけ自分が彼らに支えられていたか、愛していたかを理解した。だからこそ今は「解散してしまったけどずっとAqua Timezが好きなんだ!」と堂々と答えている。
もちろんこれから色んな音楽を聴いていく。ライブにも行く。
でもその自分の音楽の中心には幼いころからいてくれる5人の最高のアーティストの姿がある。
きっとそれはこの先もずっと変わらないのだろう。
人生がまだこんなにも素晴らしいこと
幸せなんて小さなスプーンですくえるくらいで十分なこと
現実という世界に負けそうになっても何とか前に転がること
過ちも傷跡も途方に暮れベソかいた日でさえ、自分として生きてきた証にすること
言葉じゃ足りない。追いつけないけども、それでも
大切なことをたくさん、、、たくさん教えてくれてありがとう。
あなたたちに出会えてよかった。
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