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Aqua Timez ラストライブレポート②



最後のステージ横浜アリーナのチケットは完売。武道館やホールツアー以上の人の数に彼らの結成からの15年を見たように感じる。アリーナ席、スタンド席共に埋め尽くされた客席が全員Aqua Timezが大好きな人たちと考えると本当にうれしく、でもやっぱりどこか寂しさも拭えなかった。

11月18日17時12分。
開園予定の時刻から遅れて会場内が暗くなった。ステージ上のスクリーンに広大な宇宙の映像が映し出され、終わりの始まりを告げる。
巨大スクリーンが割れ、間から4人の楽器隊メンバーが現れる。

聞き覚えのあるイントロが流れ始め それぞれのメンバーと、そしてファンのみんなとここまで来たという声とともにボーカル太志も現れた。デビューアルバム「空いっぱいに奏でる祈り」のここ最近のライブでは演奏されていなかった「上昇気流」で開始された。

今まで歌で泣いたことは一度もなかった。大好きな歌、他のアーティストの国民的な名曲を聴いた時も感動はしたが涙を流すほどではなかった。「上昇気流」はアップテンポで明るいナンバー。Aqua Timezの中でもどちらかというとごくたまに聴く部類の曲だった。

でも涙を止めることはできなかった。アルバムを買った頃のこと、歌詞カードを手にCDコンポの横で繰り返し流し覚えようとした子どもの頃の風景が走馬灯のように巡ってきて涙がただただ流れた。

「上昇気流」に続き「MASK」「ALONES」「Velonica」とアニメ「BLEACH」のOP曲として彼らの人気を築いていったロックチューンが続く。

タイムマシンなんかなくたっていいんだ 今を大事にできたらいいんだ
けど けど後悔を手放せず 


もう誰かのためじゃなくて 自分のために笑っていいよ  


盛り上がるロックな曲の中で自分を支えてくれた歌詞が流れるたびに涙があふれる。正直この辺りまでは、一度はあきらめかけたライブに自分が来れたことに感極まってた。

ベースのイントロが印象的な「Velonica」ではリーダーOKP-STARのソロから始まり、そのカッコよさにただただ痺れていた。ボーカル太志も本来はこのソロに合わせて会場を煽るつもりがこのかっこいい場面を見逃すまいとついつい見入ってしまったそうだ。


「生きて」という曲は2014年のリリース以降必ずライブで歌われてきた真っすぐな熱いメッセージソング。本人たちからもとても愛されていることがわかる曲だったが、イントロのギターのアルペジオに合わせ太志のポエトリーが紡がれる。このライブの前夜一人一人のメンバーへの祈りファンへの想いを語るポエトリーはどこかクサく聞こえながらもかっこよく心に刺さった。

傷ついたことばかりで傷つけてきたことを歌にはしなかったこと
こんな僕でさえ好きな人のことだけは ほんとに幸せにしたいって思う
あなたを幸せにしたいって思う


こんな言葉を歌ってくれるからこそ、僕たちはここまでついてきたのだ。

一つだけ忘れないでいてさよならをする日が来たって
僕たちの瞳はもう涙を こぼすためにあるものじゃない
お互いの笑顔を 映し合うためにあるんだよ    


その想いが叶わなくたって 好きな人に好きって伝える
それはこの世界で一番素敵なことさ   


歩くという行為に 意味を含ませてゆくのは 自分自身だと気づく 


5つに割れたスクリーンには演奏するメンバーが映し出され文字通り最後の雄姿を耳だけではなく目にも焼き付けていく。

LOST PARADE カルペディエムと5枚目、4枚目とアルバムの中心となっていた曲が流れる。
別れや過去を心の片隅に置きながらも前を向いて歩くことを歌うLOST PARADE
全てのものは永遠ではない だからこそ慈しみがあり美しいことを伝えるカルペディエム

メンバーがファンに何を最後に伝えたいか一生懸命考えてくれたことが真っすぐに伝わる。

会場は暗くなりスクリーンにはデビュー前からの映像が流れ始め中盤戦に突入する。


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