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Aqua Timez ラストライブレポート③


Back to 2005のテロップとともに流れたのはデビュー前からの過去のライブ映像。
彼らの歩みと成長が描かれた映像が終わると照明は会場後方のサブステージへ。

後ろ側の客席の歓声とともに演奏されたのはAqua Timezを世間へ浸透させたきっかけの曲「等身大のラブソング」。当時の時代を感じさせるレゲエ調の曲。

百万回の愛してるなんかよりも そばにいるだけで 強くなれる気がするから


彼らは百万回の愛してるよりも音楽を奏でてメッセージを伝えてくれていた。私たちはそのおかげで本当に強くなれていたのだと感じた。

サブステージでの2曲目は「ヒナユメ」

寄りかかってもいいんだよ その二本の脚で ここまで歩いてきたんだから


10周年を迎える直前のアルバムに収録された曲。10年たってもAqua Timezの立ち位置は変わらないそう伝えてくれた曲は解散する最後の時でもそうであったと心に透き通ってくれた。

場所は再びメインステージへ。「小さな掌」
ツアー中喉を悪くして歌えなくなってしまった太志が支えてくれるファンへの感謝をどうしても伝えたいと書いた本曲。

何もかもうまくいく時ではなく
何もかもうまいかぬ時にこそ
人は大切な存在に気付くのでしょう どんな僕も愛してくれる君へ
ありがとう いつもそばにいてくれて


Aqua Timezの人気はファンから見ても常に順風満帆ではなかったはずである。
ドラマやCMで彼らの曲が溢れていたころは、新譜を貸してほしいという人が学校にも多くいた。
しかし全盛期後は次第に別のアーティストへと流れていき、僕にも「まだ好きなんだ」という言葉を投げる人もいた。
ただ今日この横浜アリーナにいるほとんどの人は、Aqua Timezがどんな時でも支えて応援し続けた人たちばかり。お互いにありがとういつもそばにいてくれてと願い祈るやわらかい空間が出来上がっていた。


ここからはリーダーOKPの掛け声から一瞬の塵~星の見えない夜~きらきらのメドレーが始まる。
個人的に一瞬の塵は生まれて初めて行ったライブの最初の曲。つまり初めて生で聴いたAqua Timezの曲という思い出があったので最後に聴くことができたのは感無量だった。

このメドレーからどんどんアップチューンな曲で会場のボルテージは上がっていく。「Fly Fish」はAqua Timezの活動後半からのLive定番曲「Don’t stop party 右左 前方後方 ど真ん中に」という歌詞に合わせてファンが手を振るまさにファンとAqua Timezで完成させた曲である。曲の終盤には楽器隊のソロ回しが。

彼らの音楽の最大の魅力はボーカル太志による歌詞が真っ先に思い浮かぶと思うが、他メンバーの演奏力がその歌詞を確実に運んでくれたこと、5人でAqua Timezだったことが改めて確認できたソロ回しだった。

後半の定番曲の後には往年の定番曲「自転車」演奏が始まるや否や自然にツアータオルが回されていた。数々のタオルの中には今回のライブのタオルだけではなく歴代のツアータオルが舞っておりファン一人一人にライブの思い出があることが伝わっていた。


I love you because you are you

会場が一体となった大合唱の「because you are you」ではステージと観客席に一切の隔たりがないことが証明されていた。個人的にこのライブのベストバウトだった。

I love you because you are you
あなたたちだったからここまで一緒に来たんだ。
一人ひとりのあたたかく、しかし切ない祈りに会場は包まれていた。

僕は途中で声にならなくなってしまい、ただただその美しい光景を見つめていた。


いよいよクライマックスに。今回のライブのタイトルでもある「last dance」が演奏される。

ねえ もしも僕らの物語が1ページ目から決まっていたって

今日この日にAqua Timezが解散すると11歳の僕に告げていたらどうなっていただろうか。そこに向けて応援をするのか、はたまた終わりが見えているならある程度距離を作るのか。いやきっと仮に分かっていたってずっと彼らの曲を拠り所にすることを選んだろう。

でも願わくば またどこかで逢えると言って 欲しい。

メンバーを照らす照明が順々に消えていき、会場が真っ暗になった。
Aqua Timezのライブは基本ツアーのタイトルやアルバムの最後を飾る曲が本編の最後の曲となる為、今回もそうだと誰もが思ったろう。

その予想に反し、新たな曲の伴奏が。

「銀河鉄道の夜」 これが本編最後の曲となった。

星空のような照明の演出。スクリーンに映し出されるきらきらとした星屑の線路。
まさにジョバンニとカンパネルラが生きる意味を見出して、別れに向かう銀河鉄道の夜だった。千以上の夜をこえていった銀河鉄道は最後まで共に生きた意味を投げかけてくれる。


本編が終わりステージ裏に下がっていくメンバー。こうしてライブの本編が終了した。
もちろん会場から起こるアンコール。彼らとの時間もあと少しー。


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