#コロナとYouTube

 緊急事態宣言という異常事態から既に3ヶ月の時間が流れたとは、時の速さに恐れ入る。外出を自粛する間、動画配信サービスに耽るようにして持て余した時間を潰した方は少なくないだろう。これを読んでいるあなたはまた、今日も動画を観る日々をお過ごしだろうか。とりわけYouTubeは、最も安い(基本的に無料)・最も簡単・最も豊富なコンテンツと、数ある動画配信サービスの中の頂点であることを疑う人はいない。自粛中の暇つぶしとして、これを思いつかない人の方が少ない。

 コロナ騒動の以前では注目されなかったコンテンツも、今では再生回数が何倍にも化けるような急成長を遂げたケースも多い。例えば、運動する機会が減った為に「自室で手軽に行えるエクササイズ」、家族が毎日家に居るから「保存が効く料理の作り方」、摂取するカロリー自体を控えようと「低カロリー・低糖質な料理のレシピ」、手に入らないなら自分で作ろう「布マスクの作り方」、毎日の義務と化したマスクに対する「肌荒れ予防方法」など、籠もり生活の中で健康を保とうと紹介するコンテンツには人気がある。

 そんな中でも、特に容易に再生回数を伸ばせるコンテンツがある。3月20日に満を持して発売された、任天堂Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』(以下、あつ森)で間違いないだろう。予てよりの人気実況者による動画はもちろんだが、無名・新人投稿者の動画にすら、コンテンツの名前を用いるだけで(住民厳選、島クリエイト、家具紹介)何万回もアクセスされている現状だ。パンデミックの最中に発売されたことで、あつ森の需要は想定を遥かに上回った。また不意に生まれた余暇により、長らくゲームから離れていた人からの注目をも集め、据え置き機が売れないこの時代に、Switchは今でも手に入らない状況が続いている。

 Switch、あつ森はどちらも現在まで抽選に当選するしか購入するしか手段が無い。あつ森関連動画を見ているのは、欲しくても入手できない人や、入手した人が一昔前で言う、攻略本の代わりとしているということだ。この現象は、日本のみならず世界中で起きている。どうぶつの森シリーズは、忙しない現実から離れた、仮想世界でスローライフを楽しめるシリーズとして人気を博してきたが、この最新作では、シリーズ初の要素にして最大の特徴である、DIY要素が話題である。従来のシリーズよりもアイテム数が多く、また自由度が高いため、自粛中に出来ないことを仮想世界で実現することが流行っている。その例としては、結婚式、卒業式、入学式などがある。また、他のプレイヤーの島に遊びに行くことで、旅行気分を味わっていることもできる。

 YouTubeの再生回数とコメント欄の日付を見れば、その内容がどれほど注目されているか、流行しているかが読み取れる。YouTubeはそのアクセス数と話題性から、世の中の情勢を反映しやすい。今回のコロナ騒動による、あつ森の大ヒットが作り出した現象をYouTubeは顕著に映し出した。その他にも多くの現象を、みなさんはYouTubeに見たかもしれない。他のケースも、今後紹介できたらと思う。

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