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鬼おろし肉ぶっかけ

丸亀製麺の鬼おろし肉ぶっかけが食べたい。

夏限定のこのメニュー。冷たいおうどんは夏の食欲のない時にも有難い。
ただ、残念ながら我が店のある高円寺に丸亀製麺はない。高円寺はチェーン店があまり無い土地として有名だ。会社員の時社長が「あれだけネームバリューもあり乗降者数も多い街で、ユニクロや無印が出店していないというのは異質。それだけ古着屋や個人店が根付いている」という話をしていたのを思い出す。

私の好きな漫画『解体屋ゲン』でも地域の商店街の活性化がよくテーマとして取り上げられ、大型の商業施設ができチェーン店だらけになると全国どこでも似たような街になってしまう…とよく嘆かれている。全くその通り、と思う反面高円寺高架下の再開発で一度閉店したマックが再オープンした際は喜んでしまった。解体屋ゲンはこれから事業を始める人にも参考になる話が沢山あるし、会社組織の在り方とかも考えさせられるし、爆破シーンが清々しいので全社会人にオススメの漫画である。Kindleの無料期間中に軽い気持ちで読み始めたら解体屋ゲンの為にKindle Unlimitedを月額契約する羽目になり104巻まで読破してしまった。

話を戻すと、私はオシャレな個人店やおじいちゃんがやっているような老舗の喫茶店も勿論好きなのだが、チェーン店にはチェーン店の良さがあると思っている。私の思うチェーン店の良さは
・マニュアル化されている為商品の提供が早い。
・大量仕入れにより価格を抑えることができる。
・全国どこでも同じ味が味わえる。

頼んでからすぐ出てくる牛丼チェーンは安くて早くてお腹いっぱいになるから嬉しいし、初めて名古屋に赴任して到着した時は何となく知ってる味の安心感を味わいたくて最初にドトールに入ってしまったことを思い出す。

私はゴリゴリ個人店の古着屋を経営しているわけだが(経営とかいうのもまだ恥ずかしいレベル)チェーン店の回転率の良さを参考にするとすれば「新品の商品を売る」ということに繋がる。私の店も基本的には古着屋なのだが、小物などは新品の商品も取り扱っている。古着は基本的に全く同じものを仕入れることが難しいので(あるっちゃあるけど)反応の良いアイテムは似た商品を探してくる必要がある。新品だったら売れ行きの良い商品を再発注をすればいい。でもそれをやり過ぎると「全国どこでも同じ味」というか、わざわざこの店で買わなくても良くない?となってしまうので、その配分が難しいところ。

古着屋の会社員時代「古着を売ったほうが利益率は全然良いけど、新品は回転させられるのが良さ」という話を聞いていて、私は商品の仕入れには関わってなかったので「フーン、そうなんだ〜」としか思っていなかった。実際に自分が仕入れをするようになると「ほんまそれな」という気持ちである。新品の商品には卸価格(仕入れ値)があって、希望商品価格から卸価格を引いた固定の値段が自分の利益になる。卸業者によってはオープン価格で自由に価格設定が出来るのものもあるけど、新品の商品は他の小売店でも販売されているので相場からあまり高く設定しても画像検索すればお客側も安く売っているところを探せてしまうのであまり良くない。
余談だが、先日知り合いの雑貨やさんが「最近お客さんに目の前で画像検索されて値段調べられるのよ〜」と言っていて本当にやめてあげてくれ…と思った。そりゃメルカリとかで安く売ってるかもしんないけどさ、個人店は自分の足で買付して自分のコンセプトや芯があってそれに見合ったものを心血注いで集めてるんだから、それを踏み躙るような行為は…せめて自分の脳みそで商品の特徴を覚えておいておうちに帰ってからこっそりやるべきと思う。

話がまたずれてしまったが、その反面古着や古物は「こんな良いものがこんな値段で売っている!」ということがあってそれに価値を付け直す仕事であったりもする。勿論古いもので仕入れ値も高くて、売値が高くなってもそれでもお客さんに届けたい…!というものもあるが、卸業者から決まった価格の商品を仕入れるよりかなり幅がある。そこが1番悩むところでもあり、宝探し的な一面は古物商の一番楽しく魅力的な一面ではないだろうか。その「価値」の部分は勿論相場感もあるけどそれぞれのお店が持っているものであり、誰にも介入されたくないからこんな不安定な個人店なんてことを生業にしているんだと思う。

コロナをキッカケに、「自分が必死になって稼いだ金をどういう場所で使うか」ということを考えるようになった。去年大好きだった古い喫茶店が相次いで閉店してしまい「いつまでも、あると思うな個人店」というオリジナル標語を噛み締めた。懐事情を考えるとどうしても安いチェーン店に行ってしまうんだけど、いつまでもあって欲しいと思う店にはお金を落として応援したい。おこがましいけど、私のお店も「在ってほしい」と思ってもらえたら、そう思ってくれるお客さんを1人ずつでも増やしていけたら…と思いながら生きている。

こんなことを言いつつ、鬼下ろし肉ぶっかけは食べたい。

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