義者宜也

 以和為尊と言うのが、普段の身上だ。すなわち仁が徳の最高位に位置すべきだという考えかたである。が、こればかりでは組織や社会が公正に回らぬ時も出てくるのが事実。以義判宜をせねばならぬ時もあるのである。

 どうにも気に入らぬ人がいる。それだけなら実害はないが、こっちが気に入らぬから、どうやら向こうも当方が気に入らぬ空気はある。ネコポスと言う荷物を出す場合には、荷物の表にビニールのラベルを張り、その中に伝票を挿入する。同時に2つ出すような場合には、伝票を間違わぬように入れねばならぬ。予め家でスクショしておいたバーコードを店頭でスキャンしてもらって、その伝票を間違いがないように一つずつ印字してもらって挿入するという実に手間のかかる作業をしたのである。それでもって誤送である。たった2つの荷物をこれほど注意して手間をかけて送り出したのにである。されば、これら2つの伝票を抜き出して、故意に入れ替えたとしか思えないのである。考え得るのは、コンビニのバックヤードかヤマトのバックヤードである。

 確たる証拠はない。しかし、今朝も今朝である。レジでペイペイで支払う際に、残高が足りなかったら言ってください(すぐにチャージしますからと言う含みである)と言ったのだが、「足りなかったらそもそも決済できませんよ!!」という実に当たり前の反応を不機嫌に返してくるのだった。これからもても、どうもこのパートさんが俺っちの伝票を抜き替えたのではないかと疑いを深めたのである。

 当該事故から2週間になる。このところずっと不機嫌である。この人にも生活はあろう。ただこれだけのことで断罪で不可能なのも知る。されば、この店を利用せぬ外の選択はあるまい。孔子も言う、君子危うきに近寄らず、に如くはなしだ。

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