第6話 壊死が始まる

さて一旦は、助かったボクの右脚だが、

その後、どうなったかというと、血液が足の指先まで回らず、

壊死(えし)が始まった。




壊死をかんたんに説明すると、
筋肉や骨が腐りだすことです。




だから、自分の足なのに、触っても感覚がない。

もちろん、力を入れても動かない。

文字通り、腐ってきているので、自分の脚の
皮膚がまるでバナナが腐っていくように
ドス黒く変色していくのでした。







なので、最初は足首まで落とすことで、ほぼ決定した。







やっぱり、この結果は、確かにショックだった。

だけど、まだ冷静な自分だったのである。










理由は、大まかに3つあった。




まずは、膝(ひざ)があれば、階段の昇り降りも
余裕だろうと、
自分の中では楽観視していたからです。




実際、膝関節があれば、走ることも可能だ
そうだから。

つまり、ほぼ普通の生活も出来るだろうと
いう希望を持っていたし、また医師にも
そう言われていたのです。







次に、ボクには、切断する手術を受けるまでに
時間があったから。




だから、わりとすんなり受け入れられたと
思います。




自分のような交通外傷によって切断された場合、
目が覚めたら脚がないことが、ほとんどらしい。




でもボクは、自分の脚の変化していく様子を
この目で見ていたので、
現実を受け入れないと死が目の前にあった。







そして3点目、
3週間くらい経った頃には、食事も
採れるようになってきたからである。

また身体中に付けられたチューブも、だんだん
外れてきた。


これらが、なんとか自分自身を正常に保つ
ことができた
さじ加減だと思う。


たぶん、自分のような精神的に弱い人間が、

もし絶望的な現実ばかりをいきなり
見せつけられたなら、
廃人になっていただろう。


また逆に、希望ばかりだと、もし仮に結果が
期待外れのものとなったとき、
自分は耐えられないだろう。




しかしながら、最終的に、そんな淡い期待の
全てが、ことごとく裏切られることになる。




だが、

その悲劇は、次回以降の、このnoteの中で必ずアナタに伝えます。

それでは今日も、最後まで読んでくれて
ありがとう。

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