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すゆあんの物語“ねむれないこぐまちゃんと星のお祭り”

すゆあんが作る どうぶつたちのものがたり。
今回は #星くま展 用に制作した こぐまちゃんのお話です。


ねむれないこぐまちゃんと星のお祭り


「はあ。。きょうも ねむれない。。。」

小さなこぐまちゃんは ねむるのがにがて。
おふとんに入っても なかなか ねむれません。

こわいゆめをみたら どうしよう?
寝ているあいだに おばけがきたらどうしよう?

そんなことを考えていると 
たまらなくこわくなって 寝られないのです。

「もういいや おさんぽでもしよう」

こぐまちゃんは ねむるのをあきらめて
夜のおさんぽに でかけました。

きょうは七夕の夜。

空を見上げると
星たちが キラキラと かがやいています。

「きれいだな〜。」
空をぼんやりとながめていると

ゆらゆら ふらふら

なんだか へんなうごきの流れ星が
むこうの丘におちていくのが見えました。

「なんだろう?もしかしてUFO?」

こぐまちゃんは ちょっとこわいきもちと
ワクワクした気持ちで
その流れ星をおいかけました。

「たしか このへんだったような。。。」

こぐまちゃんが辺りを探していると

「わわっ どいてどいて〜!」

“”どんっ!!“”

むかってきたなにかと
ぶつかってしまいました。

「いてて。。。」

ぶつかったのは
なんと 小さな星の子でした。

「あれ!もしかして さっき空からおちてきた子?」
「うん。実は星たちのお祭りにでかけるところだったんだけど
ぼくまだうまく飛べなくて。。。」
「そうなんだ!お祭りはどこでやっているの?」
「あっちの山の方なんだけど。。。」

「じゃあ いっしょにつれていってあげるよ」
「え?いいの?」
「もちろん!」

ふたりは いっしょに山へ向かいました。

「ついた!わぁ〜!」

山の上のひろばにつくと
たくさんの 星たちがあつまって

キラキラかがやきながら
うたったり おどったりしていました。

「おかあさん〜!」

小さな星の子は
少し大きめの星へむかっていきました。

「まぁ!どこへいっていったの?心配していたのよ」
「実はね 迷っちゃったんだけど
こぐまちゃんが いっしょに つれてきてくれたんだ」

「そうだったの。
こぐまちゃん 本当にありがとう。
よかったら いっしょにお祭りをたのしんで」
「ありがとう!」

こぐまちゃんは 星たちといっしょに
うたったり おどったりしました。

「きょうは 本当にありがとう。
ところで あなたねむくないの?」
星の子のおかあさんが ききました。

「実は ねむるのがこわいんだ。
目を閉じるとまっくらだし、
おばけが出てきたら どうしようって」
「そうだったの。」

「こぐまちゃん、こわくなったら思い出して。
私たちはいつだって空でかがやいて
あなたの事を見守っているわ」

「さあ そろそろおうちに帰りましょう。
あの三日月のベッドに乗って。おうちまで送ってくれるわ」

「こぐまちゃん、今日はありがとう。
これ よかったらもらって。
すてきな夢をみれるおまじないが かけてあるよ」

「こちらこそ とってもたのしかったよ」

星の子から 小さな星のカケラをうけとったこぐまちゃんは
三日月にのりこみました。

三日月は やわらかいベッドみたいに ふかふかで
やさしい光が こぐまちゃんをつつみこみ、
ゆらゆら ふわふわ
おうちの方へうごきだしました。

「なんだか ねむくなってきちゃった。。」

うとうと すー すー

こぐまちゃんは 小さなねいきをたてながら
いつの間にかねむってしまいました。


・・・
・・・
・・・


「おやすみなさい!」

あの夜から こぐまちゃんは ねむるのがこわくなくなりました。
だって いつでも星たちがみまもっていますから。


《おしまい》



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