自分のお金じゃないからこそ。

その昔、宅建試験のために民法を勉強したら「善管注意義務」というのが出てきました。

「余所様の財産を管理するのなら、注意して扱わなきゃいけない」、というような意味であったように記憶しております。

他者の財産を取り扱う職業の者に対してはこの善管注意義務というのがよくでてきてきます。

これはもともと「自分の財産の管理を扱うのなら不注意で毀損しても仕方ない、困るのは自分だけだ、でも他者の財産の管理を行うなら自己の財産よりも注意義務が加重される」という考え方が前提になっていると聞きます。

私は法律の専門家ではないので、この理解が正確なものなのか定かではありません。

ただ、日々扱っているお金やその集計である数字は誰かの意思決定のための前提ですし、預かる数字は誰かの財産で、支払う費用もまた別の誰かのものです。

私はただ「役割」としてそれを動かしているにすぎない。

だからこそ、きちんとしなきゃいけないし、誰も見ていなくても正確さ・適切さには注意を払うべき。

あまりに粗末にお金や数字を扱っている人々を見て、大切なもの、守るべき規範はどのあたりにあるのか、思いをめぐらしております。

いただいたサポートは会計・金融の専門書購入に充て、次の記事の執筆に生かします!