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内側と外側の意識

無料朗読お悩み相談の2日目、おふたりの朗読を聞かせてもらいました。

初日の3人の方にも感じましたが、
皆さん共通して、外側の意識になって読まれています。

つまり、こうあるべき、こう読まれるのが正しいとか、またはこんな感じに聞こえるといいわよね、みたいな。

外側から見て、正しく読もうとするのです。

文章を、語句を、ひとつずつ丁寧に説明していきます。

(それを朗読だと思っている人がとても多いです。)

イメージしたり、思いをこめたり。

そうすると、どうなるかというと、

、、、単調になります。

同じ音で始まり、同じ音で終わる。

ある一定の調子が(読み調子)続く。

同じリズムが繰り返されるだけ。

最初ので出しが強く、語尾が弱い。

説明的、解説文のよう。


頭よみなので、聞き手の頭に届き、
あらすじがわかるだけになります。

その文章の中の語句をイメージしながら、読んでいては遅いのです。

前にも書きましたが、私達は頭の中に浮かばないと何も話せません。

読む前にその文章の映像は、すでに頭の中にあるから、その文章を話せる、読めるのです。

そして、そこに思いをこめたりはしません。

思いは、自分の奥深いところから湧き上がってくるもので、語句や文字にこめたりしません。


感情を外からくっつけると、嘘になります。

本当に思えば、そのまま表れます。

外側からの意識で読むということは、もうすでに聞き手になっていることになります。

間違えずに正しく伝えようと気を張ればはるほど、緊張し、同じ固い身体のままで読むので、単調になるわけです。


朗読で表現すべきは、あらすじではなく
登場人物の、または作者の心の動きなのです。

聞き手が興味を持つのは、人の心情です。心の変化です。

人間の行動には、すべて心が働きます。

なので、登場人物なり作者なりの生身の身体の中に入り込み、心を動かすのです。

どんな小さな心の揺れも見逃さず、読み手自身の心も動かしてください。

それは、結構苦しい、辛いことです。
胸を痛めるのですから。

朗読は、活字を読み上げるだけのものではありません。

他者の物語を自分が体験したものとして、語ってみてください。

何一つ外側からくっつけないで、内側を掘り下げ、自分の中の真実で読んでください。


それが、あなたにしか読めない朗読となります。


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