巨大数を表すために
マロ:ミケ!巨大数って知ってる?
ミケ:?文字通りめちゃくちゃ大きい数のこと?
マロ:そう!めちゃくちゃでかい!想像できないぐらい!
ミケ:想像できないくらい?じゃあ無量大数と比べるとどれぐらい?
マロ:無量大数が小さいぐらい!例えば、グラハム数とかTREE関数とかふぃっしゅっしゅ数とかあるんだけどデカすぎるぐらいデカい!
ミケ:(笑)
マロ:今言った3つについては深掘りしないけどそれにつながるようなものを紹介するよ!
※注意 以下で用いる文字はすべて正の整数とする
クヌースの矢印表記
これは巨大数を表すためにドナルド・クヌースが発案した表記法!
日本ではタワー表記って呼ばれることもあるよ!
例えば、
$${a\uparrow b = a^b}$$
これはべき乗!
$${a\uparrow\uparrow b = \underbrace{a\uparrow a\uparrow \cdots \uparrow a}_{aがb個} = \underbrace{a^{a^{\dots ~a}}} =}$$$${^ba}$$
これはテトレーションと言って、あとからまた触れるけど見ての通り、累乗を左肩の数字分だけ繰り返すものだよ
いったんここで例を出すと、
$${2\uparrow3 = 2^3 = 8}$$
$${2\uparrow\uparrow 3 = 2\uparrow2\uparrow2 = 2^{2^2} = 2^4 = 16 =}$$ $${^32}$$
じゃあ、ここでたくさん矢印くっつけたらどうなるかというと、
$${\underbrace{\uparrow\uparrow\cdots\uparrow}_n=\uparrow^n}$$と表すようにすると、
$${a\uparrow^n b}$$
$${=\underbrace{a\uparrow^{n-1}a\uparrow^{n-1}\cdots a\uparrow^{n-1}a}_{aがb個}}$$
$${=a\uparrow^{n-1}a\uparrow^n (b-1)}$$
となる。また、$${3\uparrow4\uparrow5}$$は普通の四則演算みたいに基本左からというわけではなく、基本右から計算しないといけないから注意ね!
ちなみに、
加法の繰り返しは乗法
乗法の繰り返しは$${\uparrow}$$(べき乗)
$${\uparrow}$$の繰り返しは$${\uparrow\uparrow}$$
$${\uparrow\uparrow}$$の繰り返しは$${\uparrow\uparrow\uparrow}$$
…
みたいな感じでクヌースの矢印表記は加法とか乗法の先の演算を表してるよ!
クヌースの矢印表記の主な性質は、
$${a\uparrow^n0 = 1}$$
$${a\uparrow^n1 = a}$$
だよ!
コンウェイのチェーン表記
これはジョン・ホートン・コンウェイが発案した巨大数を表すための表記法!
コンウェイのチェーン表記はクヌースの矢印表記の拡張したもので、
$${a\rightarrow b\rightarrow c = a\underbrace{\uparrow\cdots\uparrow}_cb = a\uparrow^cb}$$
ってなるよ!
例えば、
$${2\rightarrow1\rightarrow3}$$
$${=2\uparrow\uparrow\uparrow1}$$
$${=2}$$
$${2\rightarrow2\rightarrow3}$$
$${=2\uparrow\uparrow\uparrow2}$$
$${=2\uparrow\uparrow(2\uparrow\uparrow\uparrow1)}$$
$${=2\uparrow\uparrow2}$$
$${=}$$$${^22=2^2=4}$$
$${2\rightarrow3\rightarrow3}$$
$${=2\uparrow\uparrow\uparrow3}$$
$${=2\uparrow\uparrow(2\uparrow\uparrow\uparrow2)}$$
$${=2\uparrow\uparrow4}$$
$${=}$$$${^42}$$=$${2^{2^{2^2}}=65536}$$
ていう感じかな
今は長さが3のチェーン表記なんだけど、これが長さ4以上の計算を考えるために、まず、$${a\rightarrow b\rightarrow c}$$を式変形して、
$${a\rightarrow b\rightarrow c}$$
$${=a\uparrow^cb}$$
$${=a\uparrow^{c-1}a\uparrow^c (b-1)}$$
$${=a\uparrow^{c-1}a\rightarrow (b-1)\rightarrow c}$$
$${=a\rightarrow\{a\rightarrow (b-1)\rightarrow c\}\rightarrow (c-1)}$$
ってなるから、任意の長さのチェーン表記$${X}$$を$${a}$$と入れ替えて、
$${X\rightarrow b\rightarrow c =X\rightarrow\{X\rightarrow (b-1)\rightarrow c\}\rightarrow (c-1) }$$
ってなるよ!
コンウェイのチェーン表記の主な性質として、($${X,\ Y}$$は任意の長さのチェーン表記)
$${p\rightarrow q = p^q}$$
$${p\rightarrow q\rightarrow 0 = pq}$$
$${p\rightarrow 0 \rightarrow n = 1}$$
$${X\rightarrow1 = X}$$
$${X\rightarrow1\rightarrow Y = X}$$
があるから、これとさっきの長さが4以上のチェーン表記の計算方法を使えば計算ができるようになるよ!
ハイパー演算子
これは加法とか乗法とかをさらに一般化したものだよ!
この章では①、②、…を(1)、(2)、…って表すようにするね
$${\textrm{hyper}0(a,b)=\textrm{hyper}(a,0,b)=a^{(0)}b=b+1}$$
$${\textrm{hyper}1(a,b)=\textrm{hyper}(a,1,b)=a^{(1)}b=a+b}$$
$${\textrm{hyper}2(a,b)=\textrm{hyper}(a,2,b)=a^{(2)}b=ab}$$
$${\textrm{hyper}3(a,b)=\textrm{hyper}(a,3,b)=a^{(3)}b=a^b}$$
$${\textrm{hyper}4(a,b)=\textrm{hyper}(a,4,b)=a^{(4)}b=}$$$${^ba}$$
…
$${\textrm{hyper}n(a,b)=\textrm{hyper}(a,n,b)=a^{(n)}b}$$
$${=\underbrace{a^{(n-1)}a^{(n-1)}\cdots a^{(n-1)}a}_b}$$
$${=a^{(n-1)}\{a^{(n)}(b-1)\}}$$
$${n=1,\ 2,\ 3}$$のときはそれぞれ加法、乗法、べき乗だよ!
しかも、$${n}$$が3以上のハイパー演算子はさっきやったクヌースの矢印表記とコンウェイのチェーン表記とも関わっていて、
$${\textrm{hyper}n(a,b)=\textrm{hyper}(a,n,b)=a^{(n)}b}$$
$${=a\uparrow^{n-2}b=a\rightarrow b\rightarrow(n-2)}$$
ってなる!
主な性質はクヌースの矢印表記とコンウェイのチェーン表記とつながるから省くね。
まとめ
今回紹介した表記法は、
クヌースの矢印表記
コンウェイのチェーン表記
ハイパー演算子
次回のマロの記事の時にこれらを使ってアッカーマン関数っていうのを紹介するね!
最後に
マロ:自分で言っててなんだけどなんか普通の数学とは違う感じがしない?
ミケ:ん~、たしかにここまででかい数って使うことないから新鮮な感じがする!
マロ:次のアッカーマン関数はマロが一時理由はわかんないけど好きだったものだから楽しみにしてて!
ミケ:うん!
読んでいただきありがとうございます!
感想、リクエストなどコメントお待ちしてます!byマロ
参考サイト
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