医療従事者は大変だと思った話

最近、研修医の集団感染のニュースが流れた。今の自分からすれば当然、医院長の言葉通り「自覚が足りない」と思うわけだがはたして自分が彼らの年齢・境遇だったとして同じ行動を取らなかったかと言えば100%取らなかったと断言できる自信は無い。

そういう意味で、やはり自分は医師にならなくて良かったと思う。高校の推薦試験の面接では医師になりたいと言った気もするし、経済的な理由で学費も生活費もかからない医学部も受けた。母子家庭でお金が無かったのでおそらく母はそっちに進んでほしかったのだろうと思う。しかし私は人の命に責任を持つのが怖くなり、やがては医者になりたくないという気持ちにまでなり(受験勉強で睡眠不足なこともあり、精神的にまいっていたのだと思う)、必死で第一志望に受かるべく勉強することになった。在学中学費はほぼ免除されていたが生活費がかかる分だけ母には迷惑をかけたと思う。

医師は非常に難しい仕事だと、今でも思う。ツイッターを始めて一部の厳しい労働環境の訴えを目にするようになってからは一層そう思うし、そんな中でも必死に患者と向き合う医師の皆様をとても尊敬する。


余談だが、若いころはいわゆる受験の頂点である東大理三や慶應医学部とその学生が行く東大病院や慶應病院には掛かりたくないと思っていた。なぜなら「医者になりたい」からではなく「とても勉強ができる」という理由でこれらの学部に進む人が多いように受験生時代に思えたからだ。完全な偏見だと思う。正確なところは分からないが。ただ受験生時代に周りにいた理三受験者の人たち(彼らの合否は知らないが)に、患者として診てほしいかというとそうでもない。

しかしあくまでそれは高校生の時の彼らであって今の彼らではない。私が歳をとって多少分別がついた(と信じたいだけでそうでもないのかもしれないが)ように、おそらく彼らも医師として働くうちにプロ意識がついているのだろうと思う。


医師という仕事は定年も無く、不祥事があっても資格がある限り続けることができそうで、おそらく生涯給与としてはそのあたりのハイスぺリーマンより相当高いものになるよなぁ、などと考えてしまう私なので医師にならなくて世のためだったとやはり思う。

せめて医療従事者の皆様の負担を増やさぬよう、自分ができる自粛はきちんと行いたい。

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