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振られた話#3 長い夢をみていた

連絡がないことを悩んでいたが、ある日突発的に彼に様子伺いの連絡をした
すぐに既読になったが、返信は翌日だった

以前はその日のうちに返信があったし、語尾もフランクだった
いつも必ず入っていた、"ありがとう"や、"嬉しいなぁ"の言葉はどこを探してもなかった

わずかなことだけど、私にとっては大きなことだった
熱量が下がったことは容易にわかった
曖昧にしておくことはできなかった

少々重いけど、好意があることが明らかに伝わる内容を送った
いつものごとくすぐ既読になった

返事は1週間くらいは待とうと思ってたけど、翌日着信があった
20時過ぎに折り返すと返信した

それまでの時間はなんとも言えない感情でいっぱいだった
98%振られるとは思ってたけど、でも…と淡い期待が入り混じる
仕事をしている間は気が紛れたが、帰路は振られたときの武装をした

約束の時間になり、覚悟を決めようとしていた時、相手からの着信ががが、!!
緊張のあまりどうしても出られなかった

ひーひーふぅーと落ち着かせ、数分後にかけなおした

「あーもしもし」

懐かしい穏やかな声

そう、私はこの声が聞きたかった‼︎

聞けるだけでいい、もう心が喜んでいる

緊張しているからか、彼が一方的に話しはじめた
一言目で爆弾が投下された

…うぅ、はやい

要約すると、初めからそんなつもりはなかったみたいな言い草だ
あの羅列された褒め言葉は…体目的だったからか…!
合点がいく

私が送った重めのメールは、怖かったって
もう笑うしかなくて、大笑い
だって彼があんなに恐縮してるから、笑いがないとお互いに死んじゃう

これまで聞けなかった本音の部分を話してくれた気がする
自立した男性が付き合ってもいない人に深くまで開示することはないと思うけど、私が持っていた印象とは別の彼を知ることができた
彼の話のどれがほんとでどれがウソか、私にはわからない、でもそんなことはどうでもいい
彼が話してくれたことをまるっと真実として受け止めた

今後も時々連絡していいかと聞くと、渋っていたから、「わかった。しないよ。」てすぐ言った

男女逆転したような会話…

電話を切り、お礼のLINEをして電話帳から削除した

その瞬間、一気に後悔が押し寄せた

彼の話は聞いたけど、私の話はほとんどできてない…この消化不良をもってこれから生きていくのかと、ものすごくもやもやした

と思ったら、彼から返信があった

あ、LINEてこっちが削除しても受信はできるのね

最後だしチャンスとうけとめて、私がずっと伝えたかった話を送り、電話帳から削除した

あぁ、終わった…
もう二度と会うこともないんだろう


久しぶりに泣いた

この一年、長い長い夢を見ていたようだ
少しこの気持ちにひたって、また前を向いていこう

つづく。

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