あんこを炊く

当直明けに雪道を運転しながら、今日は「あんこを炊いてやろう」と思う。

休日の過ごし方が着実に下手くそになっている。朝起きているのに気づけば午後、腹が減ったからとサッポロ一番を食って眠くなって昼寝していればもう夜、とりあえずとビールを飲んでその日をうやむやにする、などといった休日を何回も繰り返している。せっかくのオフ、何かに挑まねばならない、と思い選んだものがなぜか「あんこを炊く」であった。


小豆をさくっと洗い、たっぷりの水で茹で始める。沸騰したら弱火で10分、なかしましほ氏が言うんだから間違いない、と確信のもとに作業を始める。それが終わると一度お湯を捨て、再びたっぷりの水で炊き始める。じっくり火を通すこの作業のニュアンスはなかなかに「炊く」だなと思う。目を離しているときにブンデスリーガの試合を見る。コロ・ムアニの活躍には目を見張るものがあった。



軽量しながらドン引きする量の砂糖。馬鹿にしてんのか。
小豆が柔らかくなってきたところで少しだけ寝かせる。寝かせることに意味はあるのか知らんしだいたいの寝かせる作業は嘘だと思っているがその辺は雰囲気だ。そして水を足して砂糖を加える。それからまたひたすらに炊く。フランクフルトはコロ・ムアニとゲッツェの活躍によって快勝していた。

炊きながら少し塩を加えて味を整える。こうした塩分が甘味を際立たせるということは母親から学んだ。料理をするときにいつも思い出すのは母親のことだった。小学生の頃から、台所に立つ母親を見るのが好きだった。自分の料理はいつもどこか母親の味を思い返せるものになる。おふくろの味は再現できない、とよく言われるが、なかなかの再現度で自分は料理しているものだ。

炊きながらうとうとと昼寝をしていると妻が頃合いを見て火を消してくれたようだった。 

めっちゃあんこでウケる。
こんなもんからあんこになんのか、と思っているといつのまにかあんこになっている。こういった炊く料理の醍醐味はそういった所にあると思う。

外を見たらバキバキに雪積もっててウケる。

炊いたあんこは翌日おはぎにした。なかなかの出来で嬉しい。翌日は嘘のように晴れたが、積もりに積もった雪はなかなか溶けない。

ヤーヤーヤーズが今年のフジロックに出るらしい。初期のギターロック感が自分はとても好きである。

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