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A3B3団体戦8日目!(ナカアオさん)

 みなさまこんにちは!
 ずーです。

 A3B3団体戦は昨日、7日目(10戦目)まで終わりました!お疲れさまでした!
 昨日は島ノ葉さんの三間飛車に対して、面妖流さんが独自の工夫を凝らした積極的な右四間飛車で対抗するという将棋で、序盤からリードを奪い、以降は辛く指しまわし、面妖流さんの勝ちとなりました!いやぁ、強かったです。面妖流さんのこの陣形、研究に研究を重ねた陣形という感じがして味があって好きです。マネはできそうもありませんが・・・

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 12の香車が穴熊かと見せかけておいて、のちのちの角あたりを避ける意味合いというのもなかなか味がありますよね。感想戦では▲11飛の隙ができるので、玉は△32玉のほうが良かったかもと回顧されていましたが、そもそも香車を単に上がる発想がすごいと思ったのは自分だけではないはずw「駒達が躍動する面妖流を見せたいね。」なる面妖流の神髄を見ましたね。

 さて、A3B3団体戦は7日(全10戦)が終わって、団体戦成績はA3側の9勝1敗となりました!

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 そして、ついに、本日が団体戦最終日!!

 残る対局は1局のみとなりました!!

 A3B3団体戦のオオトリの対局は以下の対局になります!

【第10局】本日22時〜 ナカアオさん vs ボロネーゼさん

 ナカアオさんはA3リーグ5位の超正統派振り飛車党。

 ボロネーゼさんは言わずと知れたB3軍の総監督ですね。

 例のごとく、監督的な立場を拝命しておりますので、A3メンバーのご紹介を。
 今回はナカアオさんについて書いていきます!
 例のごとく、あくまでずーの個人的な感想なので、ご意見、ご批判は受け付けません!さぁ、A3のオオトリ、大将のご紹介です!

【ナカアオさん】

 ナカアオさんはA3リーグの誇るトップ振り飛車党の一人で、軽いさばきを持ち味に、終盤のキレ味も鋭いです。どこに振っても強いですが、イメージとしてはノーマル四間飛車のイメージが強いと思っていたら、今期A3リーグの対局を見返すと、相振り飛車以外はすべてノーマル四間飛車だったんですね。ノーマル四間飛車でここまでの成績を上げられるのは本当にすごいと思いますし、ナカアオさんの強さが表れていますね。棋譜を見ても様々な工夫を凝らしているのが分かります。おそらく色んな振り飛車党の棋士の対局を並べて勉強しているんだろうなぁと思うくらい柔軟で上手い将棋を指されます。流行も取り入れ、最近だと振りミレも多く採用されていますね。四間飛車の攻めのバリエーションを沢山持っているイメージがあります。

 また、ナカアオさんは本団体戦に関して色々と盛り上げてくださっています!団体戦の動画や画像をどんどん作ってくださり、本棋戦をさらにお祭り要素の強いものにしてくださってます!そう、これは指す将順位戦の後夜祭なんです!!楽しめればこの団体戦に参加した意味があるかなと。ナカアオさんのオーダーをオオトリにした理由は棋力の高さのほか、色々とありますが、その1つはこのように盛り上げてくださる方が最後にいれば、お祭りが中だるみすることはないだろう、最後まで盛り上がりをキープできるだろうと考えたところがあります。A3B3団体戦がここまで失速することなく最終戦まで盛り上がって来れたのは間違いなくナカアオさんのおかげであります。ナカアオさんありがとうございました。このPV(CM)も軽快で好きです。

 そして、ナカアオさんといえば、島ノ葉さんの配信のゲストにも来てくださいましたね。第3戦(うぇいつぅさんvsぞのみPさん)、第4戦(ひややっこさんvs八十さん)の対局で、軽妙で分かりやすい解説をしてくださってトークもお上手でした。今では各方面で使われている「琵琶湖に逃げ込む」の最初の発案者(?)でもあり、ユーモアもある方ですね。某扇風機さんが言っていましたが、ナカアオさんはサッカーかフットサルやってそうな素敵なお声をしていました。くぅ、羨ましい。

 また、ミラティブで将棋ウォーズの配信もやっていますね。配信を見ていると時間がないのに手の見え方が鋭いし、早くて強いなぁと思います。ツイートから察するにまだまだお若い様子(今年お酒が飲める年齢になったと言っていたので)なのでまだまだ強くなりますね。今期A3リーグでは私ずーが接戦の上なんとか勝たせていただきましたが、10年後には一発も入らなくなってそうです。どんどんいっぱい将棋の勉強をして、指す将順位戦のスターロードを駆け上がってほしいですね。

 そんなナカアオさんの対局をご紹介します!

 今回、紹介する対局については非常に迷いました。というのも、今回紹介を割愛しますが、9回戦の茸さんとの将棋の勝ち方はすごかったです。対抗系の将棋だったのですが、途中、うまくさばき綺麗に寄せ切るという振り飛車の会心譜だったと思います。あれについても紹介したかったですが、今回は切れ味鋭い踏み込みと攻めの強烈さを紹介したかったのでこちらにさせていただきました!

〇4戦目(vsみかんぽんずさん)

 みかんぽんずさんといえば今期A3リーグで最高レート保持者。R2000近くの超強敵です。お互い振り飛車党ということで相振り飛車になりました。

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 局面は銀を交換して角を中央に繰り出したところ、歩で催促された局面。角を引くと▲55銀みたいな手が少し気になります。

 ここでナカアオさんは、△66銀!と踏み込みました。

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 角を逃げるのではなく、果敢に踏み込みました。切りあいになれば、角と金の交換になりますが、ナカアオさんサイドは成銀がいい地点にできますし、何より、相手の陣形が28銀の壁銀になっているのが大きいとみているんですね。実戦もそのとおりに進みました。

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 ナカアオさんはこの踏み込みを局後の感想戦で「片道切符」と仰っていましたが、まさにそういった踏み込みで、見えたとしてもこういった大事なリーグ対局ではなかなか指しにくい手ですが、果敢な攻め込みでしたね。

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 上図のような金の張り付きがどうも受けにくいです。後手も攻め駒が少ないので形勢は難解だと思いますが、実践的に先手を持ちたくないと思ってしまいますね。解析してみたところ、ここでは形勢は互角でしたが、この局面から受け切って先手が勝つまでは、まず後手の攻めをいなしてから丁寧に自玉との兼ね合いを見ながら攻める必要がありとても大変な印象があります。

 局面が進んで以下の局面。

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 先手も頑丈に▲39銀打と投資しました。ここで△48金~△58金みたいな攻め筋も見えるところですが、ナカアオさんは将棋の本筋の一着を指しました。

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 △46歩!

 「4枚の攻めは切れない」といいますが、それに則った王道の手ですね。相手玉に迫る急所のコビン攻めなのでこの歩を放置はできません。攻め駒不足を補う絶好の一手ですね。

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 本譜、みかんぽんずさんは▲36角と打ちましたが、解析したところこの手がどうやらあまりよくなかったようです。この手も後手玉をにらむ攻防の角なのですが、この場合は、△47歩成!が厳しすぎてこれは耐えられないようです。本譜もそのように進み、角を取り、△46歩が痛すぎます。

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 ▲48金とひけば△56角みたいな手(しかも王手飛車)があり、また▲36金には△47角から詰みがあります。この手で決まっていますね。本譜は以下、ナカアオさんが勝利しましたが、少し前に戻って検討してみます。

~~検討タイム~~

 先ほど▲36角と受ける前の局面を再掲します。

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 ここでは本譜の▲36角に代えて、▲33飛成!が最善手のようです。

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 何も受けずに竜を作るというのは一見形づくりのようで、あきらめてしまったようですが、意外とここで後手は一気に決めに行く手がないようです。なんとなく即詰みすらありそうな局面ですが、案外先手玉も耐久力があり、耐えているようです。一例を示すと、△48金▲同銀△47歩成▲同玉!△28飛成の局面で互角のようです。

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 上の図から、次に▲31竜!と入って、後手玉に詰めろをかけて激戦のようです。(▲31竜は次に▲84桂!△83玉▲81竜△82銀▲75桂以下の詰めろ)

 ▲33飛成は上部開拓をするメリットと、▲31竜からの攻め合いの筋も見せている一石二鳥の手のようでしたね。ギリギリのところをしのぐAIの読みの深さは勉強になります。

~~検討タイム終了~~

 しかし、実戦的には検討してきたような綱渡りの勝ち方は人間には難しい。このギリギリの凌ぎあいを突き詰めるよりも、「ここはこういうものだ」という感じで自陣に投資するのは当然だと思いますし、防衛本能だと思います。なので、みかんぽんずさんの▲36角はつい打ちたくなってしまうところですが、それを誘ったナカアオさんの指しまわしが絶品だったことにつきるかと思います。実戦的にガジガジ攻めるのは某F九段が得意にされていますが、薄くされながら攻めがつながるのは相手からしたら非常に嫌ですよね。ナカアオさんの指しまわしが素晴らしかったです。

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 さて、ナカアオさんのツイートを拝見していると、最近、大阪道場でフリー対局を募集した際に、B3の団体戦メンバーに負けてしまったとのツイートがありました。ご本人はとても落ち込んでいたようですが、私は以前ツイートしたとおり、ナカアオさんに全く心配はしていません。ナカアオさんはそれで落ち込むような方ではなく、それを跳ね返して、自分の力にする方と信じて止まないからです。いろいろな対策を考えて、負けじと見えない努力をされているはずです。ご本人は終盤の調子に少し不安を感じていたようですが、そこも気づいているということは、もう確実に軌道修正していますね。そんな大将を今日はただただ応援するだけだと思っています。オオトリの対局となり、緊張する局面かと思いますが、声が枯れるまで応援しております!

【対局予想】

 さて、例によって対局予想をします!

【第10局】本日22時〜 ナカアオさん vs ボロネーゼさん

⇒ ナカアオさんのノーマル四間飛車に対してボロネーゼ監督がミレニアムで対抗する将棋になると予想します。対策を考えねばと仰っていましたが、ボロネーゼ監督はこの大一番、付け焼刃の戦法ではなく、得意の十八番戦法であるミレニアムを採用すると思います。ボロネーゼ監督は今期B3リーグで四間飛車を4回相手にしていますが、そのどれもミレニアムに組み、そして全勝しているからです。展開としては、ナカアオさんがどう対抗するかによるかと思います。ボロネーゼさんは相手の手に応じて、基本的にまずは受け止め、その後に陣形の硬さを生かしたカウンターをするスタイルとお見受けしましたので。時間があればミレニアムから香車を上がり、穴熊への変形も見せるのが特徴ですね。加えてボロネーゼさんは終盤になるにつれ、その実力をめきめきと発揮するタイプと見ましたので、仮に序盤でよくなっても安心できないと思います。ナカアオさんのミレニアム対策がカギを握る一局となると思います!ナカアオさんの選手紹介では「端角」について触れていましたが、その登場もあるか!?はたまたネタだったのか!?注目です!


指す将順位戦5thの後夜祭イベントの大団円!

A3B3団体戦最終局は本日22時から大阪道場フリーで!!

勝つのはフレッシュグリーンのA3か、はたまた下克上を掲げた紫の軍団B3か!?

注目のA3B3団体戦最終局、刮目して待て!!


〇ずーのひとりごと

 今日の配信は21:10~ぞのみPさんが配信してくださいます!今回のスペシャルゲストは、なんと、ゆーてんさん!

 指す将順位戦を作り上げた創造主(?)で、ゆーてんさんがいなければ、今回の団体戦もなかった・・・そう考えるととてもありがたいことですし、感謝の念につきません。

 ゆーてんさんには色々聞いてみたいことがありますが、今回、ぞのみPさんはそんな迷える(?)指す将順位戦ファンの声にこたえて「質問コーナー」を設けてくださるそうです!これは聞くしかないですね。

 ゆーてんさんといえば、その親しみやすいエッ…ポップなイメージがあると思います。twitterを見ていても、色々な方とリプのやりとりをしていて皆から好かれているのが分かりますね。人格者の証ですね。

 個人的に、ゆーてんさんのアイコンがベトベターだった時代が長かったような記憶があり、そのイメージも強いですね。なんでベトベターだったのか考えましたが、よくわからなかったのでファンの方正解教えてください。

 そして、ゆーてんさんは指す将順位戦A1リーグに所属!レートはR2100(四段)!と将棋もめちゃくちゃ強い!自分からしたら雲の上の存在ですね。ということで(どういうこと)で、ゆーてんさんの将棋をご紹介させていただきます!

〇11回戦(vsイカロスさん戦)

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 局面はゆーてんさんが飛車とりをかけられたところ。ここで普通は▲68飛や▲18飛のようなかわす手だと思いますが、仮に▲68飛と逃げると、△94歩とつかれて一気に後手玉が安全になってしまいそう。後手に一本とられたかと思いましたが・・・

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 ▲38飛!!

 飛車をぶつけました!なるほど。確かにこれに△同馬だと馬の効きが反れるので、▲75金!△94玉▲86桂!△95玉▲96歩の突き歩詰めで詰みなんですね。いやぁ、鋭いです。ゆーてんさんは詰将棋がお好きなイメージがありますが、将棋の作りにもそれが表れていますね。強い。(私事ですが、ゆーてんさんに以前詰将棋のDMグループ誘っていただいたのとても嬉しかったです。最近さぼりがちなので、頑張ります。)馬を75の地点にも利かしつつかわしたいところですが、かわすところがありませんね。自分なら同馬として首を差し出しているところです()

 しかし、ここはA1リーグ。同馬とは取ってくれません。イカロスさんは△66角!と打ちました。

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 一見「!?」となってしまう角打ちです。つい動揺してしまいますが、ゆーてんさんは冷静に、▲同金△同馬の王手に▲77銀と受けました。

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 なるほど、これで冷静で勝ちなんですね。先手は攻防で一気に手ごまが入ったので、最初の局面図とは戦力が一気に変わっています。

 以下、ほどなくしてゆーてんさんの勝ちとなりました。

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 いやぁ、さすがの指しまわしでした。▲38飛の手から手ごまを増やし、△94歩が入る前に寄せにいく。勉強になりますね。A1リーグ、さすがレベルが高い・・・(震えながら)

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 ゆーてんさんの対局を並べていっそう楽しみが高まりました。こんな強くてしかも指す将の元祖、もといミスター指す将に解説していただけるなんてとても嬉しいですね。今日の放送を見るのがとても楽しみです。ゆーてんさんのお人柄やぞのみさんの軽やかなトーク・・・座して待ちます!

 よろしくお願いします!

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