3Dプリント造形物を削り,磨く

 はーい,Farmtory-labでのアドベントカレンダーで Task が書きます.割と共感がありそうなトピックにしました.では↓

 現時点(2018年)での家庭用3Dプリンタで擦った造形物は,光造形,熱溶解積層共に積層が出来てしまい,ネジをはめたり,滑らかな表面を再現するためにはネジ穴を掘ったり,造形物の隅の方を削ったり,全体を研磨する必要があります.今日はこれらの加工方法について書きます.

 上の3Dプリントした造形物は,ARヘッドセット Project North StarPi3DScan のために,これまで刷ったものとオーダーした物です.それぞれ素材としては,赤色の造形物=ABS(ダヴィンチ),白色の造形物=ナイロン(DMM.make),透明のレンズ=アクリル(DMM.make),黒色と茶色の造形物=PLA(snapmaker)を使ってます

素材によって向き不向きがあるので,それぞれの素材ごとで,これまで試した削り方や磨き方を書いていきます.

PLA

 PLAは素材として一番3Dプリンタの出力で失敗しにくい素材です.ABS樹脂のように,出力中に板から造形物が剥がれるトラブルが起こりませんし,環境にもABSより良いです.
 しかし一方で磨いたり,ネジ穴を指定のネジのサイズに広げるのが大変です.硬くて磨きづらいし,ネジをドライバーで回して穴を広げようととすると周囲が破損したり,ネジが抜けなくなったり,することがあります.

PLAでネジ穴を指定の大きさに広げる方法
 こんな時に役立つのが,ネジタップ(ネジ穴磨くやつ)です,これによって破損をある程度抑えて広げることができます.最初リューター(電動ドライバー的な仕組みで磨いたり削るやつ)を使っていましたが,熱でPLAとリューターの芯がくっ付いて取れなくなったので,熱が発生しづらいネジタップがいいかと思います.

また,万が一失敗した時のために,3Dペンを購入しました.3Dペンの対応樹脂もPLAやABSであることが多いので,3Dプリントと相性がいいです.

まだ試せていませんが,3DペンでPLA樹脂を壊れたネジ穴に注入すれば,また同じようにネジタップ等で穴を開けて指定の大きさに出来るかと思います.3Dペン使ったらそのレビューを追記します.また物が増えた.

PLAを削る,磨く方法
 次に削りと磨きです.粗めのサンドペーパーや耐水ペーパーで磨いていきます.下図のように丸く指2本か3本サイズに小さくカットすると,出力物の突起物に引っ掛かって壊れる事故が減り,かつ磨きやすいです.

 基本的にペーパーには番号(例: #100, #400...)があり,番号が小さいものほど荒く,大きい物ほど細かい仕様になっています.PLAでは#200辺り -> #400 -> #1000 -> #1500の順に耐水ペーパーで磨きます(この時点でツルツルに).最初の#200や#400の耐水ペーパーで磨く段階で磨き残しがあると後々傷ができるので,常に傷がないか軽くチェックすると良いです.その後はPRIMERや塗装スプレーで雑に色付けするのが良さげです.塗装でこだわりたい場合は下の動画が参考になります.

もちろん,素材の色を使いたくて塗装したくない場合は,さらに「#1500 -> 研磨材+布バフ付きリューター -> Tune D3 Standard 黄色」をやることでツルピカピンな鏡面が出来ます.

アクリル

下のリンクはProject North Starのレンズを作った時に書いた記事です.アクリルはPLAのように表面が硬いので,PLAと同じような工程で磨きました.

https://medium.com/@pythor/project-north-star%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%AB%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A3%A8-7b66a75f10b6

ただし,PLAは雑にやっても傷などが目立ちにくいですが,アクリルは透明で傷が目立ってしまうので,最初の耐水ペーパー#400 の時点で磨き残しのないように磨く必要があります.その上で「耐水ペーパー#400 -> #1000 -> #1500 -> 研磨材+布バフ付きリューター -> Tune D3 Standard 黄色」というのが良さげです.

ABS, ナイロン

 穴あけについて,ABSやナイロンはリューターなどを使わなくても,造形物にできた穴にネジをドライバーで回して掘っていくだけで,ネジ穴ができます.ただしABSは安いプリンタ&初心者なら,3Dプリント中に板から造形物が離脱しやすいので僕はあまり扱いたくない素材です(下図:過去の失敗).環境にも悪いみたいですし.. 

研磨についてはABSはPLAと似ていて,表面が硬く研磨にそこそこ時間が掛かる印象ですが,ナイロンの方は表面が若干磨きやすかったです.ナイロンは家庭用3Dプリンタでは扱えないので,未来に期待しています.

まとめ

参考になったか,わかりませんが,業務用3Dプリンタ(DMM.make)であっても研磨作業が必要なので,5-10年くらいは刷った後の加工作業が発生するのかなと.

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